「見切り発車」故障明けグリフィンに頼らざるをえなかった巨人 阿部監督「無理させてしまった」
◆JERA セ・リーグ 巨人0―9ヤクルト(29日・東京ドーム) 巨人が9連戦最後のヤクルトとのカード初戦で今季最多9失点を喫し完敗した。右腹直筋の筋損傷から復帰登板となった先発のフォスター・グリフィン投手(28)が初回に4点を失うなど4回11安打8失点。序盤から大量リードを追う展開となった打線は初対戦の新助っ人右腕・ヤフーレの前にわずか94球で3安打完封負けした。それでも9連戦は4勝3敗。残り2戦へ阿部慎之助監督(45)は「切り替え力」を選手に求めた。 【動画】グリフィンとケラー投手がキャッチボール 今季最多16被安打、最多9失点、そして初対戦のヤクルト・ヤフーレに本拠・東京Dでは初の100球未満、通称マダックスでの完封負け…。4万人を超えるファンが集まったゴールデンウィーク(GW)最初のホームでワーストづくしの敗戦に阿部監督は「GWで今日しか見に来れない人もいる中で、ちょっとぶざまな試合だったので申し訳ないなと思います」と頭を下げた。 6日のDeNA戦(東京D)で右腹直筋を筋損傷して以来、3週間ぶりの復帰登板となったグリフィンが大誤算だった。初回1死から3連打を浴びて先制されると、2死から長岡、中村に連続タイムリーを浴びていきなり4失点。3回には山田に左越え2ラン、4回には村上に右中間席上段へソロを浴びるなど、4回まで毎回となる11安打8失点。球速は150キロまで出ていたがコースは甘く、高めに浮いた変化球を痛打された。助っ人左腕は「けがしたところは問題なかった。全ては自分の責任です」と猛省した。 苦しい台所事情もあった。この日は、23日の中日戦(ひたちなか)から続く9連戦の7戦目。7人目の先発投手が必要な状況で、負傷からの実戦復帰となった21日の3軍戦(G球場)で3イニングを投げたばかりのグリフィンを昇格させた。指揮官は「ちょっと見切り発車させてしまったかなと思って。9連戦というのもあって、ちょっと無理させてしまった」と反省。3回に代打を出さずに4回まで引っ張ったのも今後のリリーフの負担を考えてのこと。試合後、再調整のため、グリフィンの抹消が決まった。 完封負けを喫したが、序盤で大量リードを許した状況のため、打線は責められない。阿部監督は「9点取られたからといって、2敗するわけじゃないので。0―1で負けても、0―9で負けても1敗は一緒。明日は、ジャイアンツの選手がどれだけ“切り替え力”を持っているかという勝負だと思います」とチーム全員に奮起を求めた。ここまでの7試合は4勝3敗。まずは30日の同カードに勝利し、9連戦の勝ち越しを決める。 (井上 信太郎)
報知新聞社