ベンチで涙も…阪神のキーマンは「福留孝介と重なる打撃センス」の若武者
鋭いスイングから快打
試合を重ねることで加速度的に成長する。6月に大山がファーム降格の緊急事態で打線の再構築を迫られた際、新たな打順としてチャンスメークを託された。プロ入り以来初の二番でスタメン起用された6月5日の楽天戦(甲子園)で3回に先制の適時二塁打。二死から一番の中野拓夢が右前打を放つと、前川がフルカウントから内星龍の151キロ直球を振り抜き、打球は右中間を突破。スタートを切っていた中野が本塁生還した。一、二番で得点を奪った攻撃は大きなインパクトを残した。 6月7日の西武戦(甲子園)では、1点リードの4回二死一、二塁の好機でサブマリン右腕・與座海人の直球を左前に運ぶ適時打。2四球を選び3出塁で勝利に貢献した。9日の同戦は今季2度目の猛打賞。7回は2点先制した直後の二死三塁の好機で右前適時打を放った。8回の打席も右翼深くに放った打球を好捕されたが完璧に捉えていた。 6月5日の楽天戦(甲子園)から二番で7試合連続スタメン出場し、27打数9安打、打率.333。他球団のスコアラーは、「スイングが鋭く、見逃したと思ったらパッとバットが出てくる。ああいう打撃をできる選手はなかなかいない。選球眼も良い選手なので打ち取ることに苦労する。打撃センス、打席での雰囲気が福留孝介に似ていますよね」と評する。 交流戦で5勝9敗と黒星が先行している阪神だが、投手陣が安定しているだけに打線が機能すれば白星を積み重ねられる。前川がブレークすれば、リーグ連覇がグッと近づくことは間違いない。 写真=BBM
週刊ベースボール