181キロ大の里はね上げた、豊昇龍の右足に大関の意地…元大関・琴風の目
◆大相撲 ▽夏場所11日目(22日、東京・両国国技館) 新小結・大の里は大関・豊昇龍の下手投げに屈し、3敗に後退した。湘南乃海を1差の3敗で追うのは琴桜、大の里、平幕の大栄翔ら6人となった。 【夏場所】番付&星取表 * * * 観客も驚いたかもしれないが、私も椅子からズレ落ちそうになった。豊昇龍の見事な下手投げ。192センチ、181キロの大の里の体が宙を舞って背中から落ちるシーンは衝撃的だった。 豊昇龍の段取り通りだった。立ち合いの踏み込みはベスト。すぐに右を差して、右足を大の里の両足の間に入れてはね上げた。見事というしかない。負けられないという大関の意地は右足に込められていた。大の里も立ち合いは悪くなかったが、豊昇龍をはじき飛ばすことができなかった。中に入られて右を差されたことが敗因でもある。 優勝争いは平幕の湘南乃海が2敗で単独トップだが、このまま平穏無事に終わるとは誰も思っていないだろう。壮絶な星のつぶし合いは、優勝ラインを3敗から4敗に下げる可能性もある。残り4日はされど4日。サイコロの目のように展開も変わる。湘南乃海の心には荒波注意報が出ている。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
報知新聞社