情感豊か檜枝岐歌舞伎 福島公演、ファンから温かい声援と拍手
福島民友新聞創刊130周年プレ記念事業「檜枝岐歌舞伎福島公演」は18日、福島市のキョウワグループ・テルサホール(福島テルサ)で開かれた。檜枝岐歌舞伎(檜枝岐村)の伝承団体「千葉之家花駒座」が源義経と静御前の別れの名場面などを描いた「義経千本桜 鳥居前の場」を情感たっぷりに熱演し、詰めかけた多くの歌舞伎ファンから温かい声援と拍手が送られた。福島民友新聞社の主催、福島市振興公社の共催。 公演は神にささげる舞台清めの「寿式三番叟(さんばそう)」で幕を開けた。演目は源平合戦で活躍した源義経が兄・源頼朝との不和で都を離れる途中の物語で、役者に扮(ふん)した村民らが躍動感あふれる舞や揺れ動く心情を迫真の演技で表現した。 檜枝岐歌舞伎は江戸時代後期が始まりとされ、約280年の伝統を誇る。1999年に県重要無形民俗文化財に指定された。 花駒座は、独自の檜枝岐歌舞伎として演じていた有志に当時の檜枝岐村長が座名を付け、1922年に誕生した。現在は国指定重要有形民俗文化財「檜枝岐の舞台」で年に3回公演している。約25人の座員全員が舞台で演じる役者のほか、衣装やかつら、小道具などの裏方を担当し、歌舞伎を地域の宝として守り続けている。99年に「みんゆう県民大賞」を受賞した。
福島民友新聞