パナソニックが炎上した有料画像問題 利便性の裏にリスクも 「20年以上前の感覚」でサイト作成
19年に世界最大級の国際広告祭「カンヌライオンズ」で受賞した韓国の自動車メーカー、ヒョンデ(現代)の広告が、ストック画像を使用しており物議をかもした。運転中のメールの無意味さを啓発するために特定の速度で走行中に絵文字がどのように見えているかを示したという広告だったが、実際は有料画像を若干加工しただけだったため、独自性に疑問が呈された。
画像を提供する側のモラルが問われるケースもある。23年にソニーネットワークコミュニケーションズの光回線「NURO光」が広告に使用したイラストが、作者に無断で有料画像サイトに登録されていたものだったと判明。同社は作者に謝罪し、広告を削除することになった。
ストック画像サービスの国内最大手「PIXTA(ピクスタ)」で広報を担当する小林順子氏は「単に楽だから使うのではなく、誤解を与えないような使い方をする必要がある」と指摘する。同社ではストック画像を利用する場合には支払い完了までに複数回にわたって使用上の注意を表示する。また、画像を提供する側は、著作権などに関するテストをクリアしなければ登録できない仕組みになっている。
小林氏は「ストック画像は広告や宣伝に欠かせないものになっているからこそ、適正な利用を心がけてほしい」と話す。