扇久保（左）と神龍（右）の元師弟対決が注目されている

　7月28日（日）さいたまスーパーアリーナで開催される『超RIZIN.3』のRIZIN MMAルール：5分 3R（57.0kg）で扇久保博正（パラエストラ松戸）と神龍誠（神龍ワールドジム）が対戦する。 　この元師弟対決について前田日明が10日、自身のYouTubeチャンネルで見どころを語った。はたして前田から見た2人の戦いは、どのように映っているのだろうか。 【フォト＆動画】神龍、肩固め一本勝ちの瞬間！前田日明が分析する勝敗ポイント 　両者はパラエストラ時代の元師弟関係で、神龍がジョンヒョンに勝利した後リング上で扇久保に対戦をアピール。扇久保は「お前、俺を殴れるのかよ」と問いかけて、神龍は「扇久保先生、俺はあなたを超えます」と宣言し試合が決まった。 　続く5月24日に行われた発表記者会見で扇久保は、「おい誠、お前何でうちの道場辞めたか言ってみろよ」と問いかけ、神龍が「環境を変えるしか…」と話そうとするも「うるせえよ喋んな」と、パワハラと言っていいほどの返しを見せた。これに対して神龍は「今喋れって」と困惑の表情に。 　さらに扇久保は「俺言ったよな、18（歳）になったから親父と来るのやめろって。そしたらすぐジム辞めたよな、1人でジム来るのが嫌だったんだろ？あと何だ、俺がお前にトイレ掃除頼んだのが気に食わなかったらしいな、色んなとこで言ってんだろ？」と質問し、神龍は「それも嫌でした、色んなとこでは言ってないです」と返した。 　これらのやり取りを知った前田は、「昭和っぽい話で、ああ言われた、こう言ったという。どうなんだろうね、親と来るなとか、根に持つようなことでもないんだけどね。扇久保の気持ちも分かるし、言われて悔しかった方の気持ちも分かる。もっと自立しないとダメだということをオブラートに包まずに言ってしまい、令和のZ世代が受け入れられないという、日本のあちこちでやり合っている案件」と語った。 　試合に関しては、「神龍はやりにくいだろうね。昔、田村潔司と桜庭和志戦があって、新弟子の頃から右も左も分からない先輩とやるのは、どこかで苦手意識が出る。そうした、やりにくさがある。それをどう払拭するかが神龍の課題でしょうね。扇久保は欠点もすべて分かっているんで、そこをどう突いていくか。神龍が出ていった後、どう変わったか、そこで戦うしかない」と分析した。 　ちなみに田村は桜庭の先輩にあたり、2人の確執が注目される中、2008年12月31日の『Dynamite!!』で実現し、この時は田村が桜庭を判定で下している。前田の分析だと、扇久保が勝つということか。 　また、試合内容については「結構、膠着するかもしれない」と前田。扇久保が「絶対にお前は俺を超えられない」との自信コメントに前田は「最近の神龍の試合を見て、ここを突いてやろうというのが分かっているんでしょう」と見ているようだ。 　最後まで勝敗予想はしなかったものの、“先輩の扇久保が有利”と前田は見ているのかもしれない。はたして当日は、先輩の扇久保が勝つか、それとも後輩の神龍が難関を超えるか。令和版の田村潔司vs.桜庭和志戦が見られそうだ。 ＜2人の近況＞ 　扇久保は元修斗世界フェザー級王者で、21年RIZINバンタム級JAPAN GP優勝者。22年末からフライ級へ転向したが、堀口恭司に判定負け。その後一時的にバンタム級で戦い、フアン・アーチュレッタにも敗北を喫したが、昨年大みそかはジョン・ドットソンに判定勝利して連敗を脱出した。 　対する神龍は、第5代DEEPフライ級王者で、第10代CFFCフライ級王者。18年の敗北以降は10連勝をマーク。昨年大晦日、堀口恭司とのRIZINフライ級王座決定戦で一本負けしたが、先月は韓国のイ・ジョンヒョンに肩固めで一本勝ちして再起を飾っている。