結局スイング中に頭は動かしていい? それもとダメなの!? ミスにつながらない「頭の動き」を理解しよう
トッププロの中でも若くて体が柔らかく細身の選手ほど、頭頂部が大きく下がったインパクトになっていることがあります。 しかし、首のツケ根に目を向けてみると、意外とボールとの距離は大きく変わっていないことに気づかされるでしょう。後方からスイングを見ると、背中から肩にかけて丸まって見えている選手です。 これは意識して頭を下げているわけではなく、腰がボールから離れるように回転する「ヒップクリア」という動作によって、頭とボールとの距離を保っているのです。ヒップクリアができるとインパクトに向けて腕の通り道ができてスイング軌道が安定し、ヘッドを加速することがしやすくなります。
フォロースルーからフィニッシュにかけては頭が左足の上に来るのが自然
インパクトで伸び上がってしまうより、多少頭が沈み込んだ方がカッコいいのですが、体が硬くなったゴルファーが意識して行うとフィニッシュまで振り切れません。 右足に体重も頭の位置も戻ってしまい、昔からいわれている「明治の大砲」になってしまう可能性があります。スライスや引っかけ、ダフリ、トップなどのミスが出てしまいます。
ボールを遠くに投げる場合も、バットやラケットでボールを強く打つ場合も、フォロースルーからフィニッシュにかけて頭は沈み込みません。 左足に体重移動しながら、むしろ立ち上がるように頭の位置を高くしていくのが自然な体の動きになります。ゴルフスイングでもそれは同じ。 フォロースルーからフィニッシュにかけて両ヒザが伸び体重が左足に乗っていき、インパクトで少し下がっていた頭は、左足の上に向かって立ち上がっていくものです。ただ、この動きを早いタイミングで行なってしまうと、体が伸び上がりトップなどのミスになるので注意してください。 ティーアップして打つドライバーショットは、ボールの位置が地面から離れているためにインパクトは地面から数センチ離れた位置になります。そのぶんスピードとパワーが大きくなるので、より頭の位置が上がったフィニッシュになるのも自然な動きです。 くれぐれもインパクト時の伸び上がりを改善する際に、フィニッシュまでずっと頭を沈み込ませる必要はありませんので、誤解のないように気をつけてください。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
猿場トール