日本は“マナー大国”?謎マナー乱立の理由をマナー講師に聞いた
オンライン会議のマナー
NPO法人「日本サービスマナー協会」認定マナー講師、上田由佳子さんは、これまで多くの企業でマナー講義を行ってきた。 オンライン会議でのマナーについて、上田さんはどのように指導をしているのだろうか。 「画面上の配置は、いわゆる“謎マナー”なのかもしれません。画面上の席次にこだわる方もいらっしゃいますが、そこまで気にする必要はないと考えます。話している人がきちんとわかるような配置にすることを重要視した方が良いでしょう。それよりも、主催者が時間を守ること、また参加する人たちは会議を中断させないよう事前にネット環境を確認しておくことなどが、マナーとしては大切なのではないでしょうか」 会議終了時も主催者がタイミングを見計らってさっと終わらせれば、部下がつむじを画面に向け続ける必要もない。また、カメラのオン・オフについては、こんな意見だ。 「オンラインでも、できる範囲で顔出しするのがマナーとしてはいいのかな、と私は考えています。これまでは出社して必ず顔を合わせてきたわけですから。バーチャル背景やお肌をきれいに見せる機能もあるので、そういったものを駆使されるといいですね。ただオン・オフは、企業や部署によって、認識が違います。上司の方々がオフでいきましょうとおっしゃれば、オフでいいですよね。そのあたりは、柔軟に。いいとか悪いとかいうことではなくて、中にはオフにすることを印象として残念に思う人がいる、ということを知っておく。どのシーンでも、自分が相手にどういう印象を与えるか、という想像力が大切です」 オンラインは、対面に比べて微妙な空気感が伝わりづらい。特にあまり接したことがない人とやりとりをする場合、コミュニケーションはさらに難しく感じられる。 「カメラがオンの場合では、自分の表情を、対面よりも大きめに表現するのがコツですね。オフならば、音声表現に気をつけたいところです。表情が見えない分、威圧的に聞こえてしまったり、逆に弱々しく感じられたりと、印象悪く受け取られる可能性もあります。相手の反応を意識しつつ、自分の言葉に注意したいですね」