互いの“心のスキマ”埋めるように…ホストに金貢ぐ女と金を渡した男性『頂き女子りりちゃん事件』の深層
それができた理由は、りりちゃんから記者に届いた手紙から見えてきた。
《りりちゃんからの手紙》 「私は人間が何を考えているのか、どんな人なのかがわからない状態にとても恐怖を感じてしまうので、相手がどんな人間か読み取る、見極めようとする事に敏感なのかなーと思います。それはきっと私が人一倍、人に嫌われることを恐れているから」
《りりちゃんからの手紙》 「私は小学生から中学生の時、アトピーの湿疹が体にありました。言葉でも目線や態度でも、私の肌がきたない、こわいきもちわるいと示されました。自分が生きている価値が全く分からなくなってしまいました。もうこれ以上人に嫌われたくなくて、また少しでも傷ついたら全部こわれてしまいそうで。人といる時はずっと相手のことを考えて嫌われないようにするのが、ずっとクセづいてました」
学校で居場所がなかったりりちゃんは、父親から包丁を突き付けられるなどの虐待を受けていて、家にも居場所はなかった。ホストクラブに居場所を求め、担当のホストに貢ぐことで、その「心のスキマ」を埋めるようになっていた。 記者: 「男性がなぜ喜ぶことが分かったのですか?」 りりちゃん(接見): 「自分が担当(のホスト)にしてもらったらうれしいことをしてあげた。思い出をたくさん作るのが重要なんです。『あの子のためなら』ってなるから。どうしたら自分といると楽しいかを常に考えていました」
ホストに認められるために金を貢ぐ自分と、そんな自分にお金を渡す男性。お互いの「心のスキマ」を埋めるように、詐欺行為は繰り返されたのかもしれない。
記者がりりちゃんに被害に遭った男性に伝えたいことを尋ねると「私のことをどう思ってるのか、聞いてきてください」と話した。
そのりりちゃんの問いを記者が男性にぶつけると、男性はこう語った。 被害男性: 「きちんと罪を償ってほしいっていうのはもちろんありますけど、あくまでそれは建前上。(本音は)親を説得してでもいいから弁償しろって。第2、第3のりりちゃんを作らないように」