◆あまちゃん最終回

2013年度上半期NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」は、社会現象というか、奇跡のドラマとなりました。日本の朝を変えました。あまロスで淋しくて仕方がないというあまロス症候群で悩む人もいますが、最終回を見て、思いました。

「あまちゃん」は、新生のドラマ、復活のドラマ、復興のドラマ、受け継がれていく世代のドラマなのだと。

◆「今日、復活します」

北鉄運転再開セレモニーの市長(平泉成)のあいさつ。復活のドラマ「あまちゃん」最終回のはじまりですえ。

「出発進行!」

◆「オラも負けてられねぇ」

今日は、海開きの日。浜から、お客さんいっぱいの列車を見て、夏ばっぱ( 宮本信子)が言います。

「あっちも、すげえなぁ」。

アキちゃん(能年玲奈)が答えて、

「オラも負けてられねぇ」

災害心理学によれば、「復興」は、自衛隊やボランティアがするものではありません。地元の人自らが復興活動を始めたときに本当の復興、心の復興が始まります(東日本大震災の災害心理学:命と心を守るために)。

心理学の研究のによれば、メディアは、「困っている被災者」ではなく、「がんばっている地元の人々」を報道する必要があります。その報道を受けて、「オラも負けてられねぇ」。復興の輪は広がります(災害時のマスコミの役割)。

袖ヶ浜も過去最高の人手です。

◆海の底にはゼニがゴロゴロ

復興は、きれい事ではすみません。お金もかかります。海女クラブのみなさんも、「そこそこの借金を抱えていました」。

でも、「幸い、海の底はゼニ(ウニ)がゴロゴロ落ちていました」。

海は、深層心理や、まだ隠されている物の象徴です。それぞれの地域に、それぞれの人々の心の中に、実は宝は隠されているのでしょう。

ウニを捕るアキたちを見て、夏ばっぱは、陸からにこにこ微笑んで見守っていますね。

◆沿線で手を振る人々

再開した北鉄に手を振る人々、一緒に走る人々。これは、東日本大震災直前に放送され、そして自粛されてしまった九州新幹線全線開通のCMを連想させます。

あのCMもとても感動的でした。

みんなで、地元の発展を心から喜びます。

◆そう遠くない将来

そう遠くない将来、この線路は東京へつながります。

垂れ幕には、「この先へ。25年度全線開通」とありますね。

◆恐竜の小さな骨

子どもと水口さん(松田龍平)が見つけた、恐竜の足の指の第二関節の小さな骨。知らない人が見ても価値のない物ですが、見る人が見れば、大変な値打ち物です。新聞の一面トップです。

「琥珀(こはく)なんかよりも」と勉(塩見三省)さんが言って、ちょっとひんしゅくを買っていました。

琥珀はすばらしい、人生をかけてきました。でも、まだまだすばらしい物が、地面の底に隠れているかもしれません。小さくて、普通の人が見ても価値がわからないかもしれませんが、すばらしい物が、まだまだきっと隠されているに違いありません。新しい可能性が広がります。

自分が第一発見者になれなかった勉さんは、「めちゃ、悔しい」と語っていますが、「悔しい」は、「本来の私ならもっとできたはず」という感情です。イチローが8千回の悔ししと向き合って、4千本ヒットを記録したように、悔しがる人は前に進める人です(「8000回の悔しさ」の心理学:あなたもイチローのようになるために)。

◆全国各地の鉄道ファン

「地元の人々に混じって、全国各地の鉄道ファンがエールを送りました」。

復興の主役は、地元の人々。それを支え、エールを送るのが、全国の人々です。

夏ばっぱは、その新聞記事を、横になって見ていますね。

◆「これ、オラの孫だ」

まだまだ遠洋漁船でがんばる、忠兵衛(蟹江敬三)さん。でも、彼の自慢は、「これ、オラの孫だ」。

「我が子」「我が孫」「我が生徒」。そう自慢され、守られ、子どもはチャレンジできる強さを持ちます。

◆切れなかったミサンガ

願いが叶えば切れるはずのミサンガは切れませんでした。

最終回で、何もかもうまくいって、ハッピーエンドのようですが、二人は今日も失敗しました。でも、失敗は赦されます。

◆「まだまだ完成しなくていいべ」

「明日も明後日もあるもんね。」「来年もある。」「今はここまでだけど。」「来年は、ここから先も行けるんだ。」

北鉄も、ユイちゃん(橋本愛)も、アキちゃんも。私達も。明日がある。来年がある。今は、ここまでだけど。

◆♪潮騒のメモリー

「潮騒のメモリー」が流れます。

「寄せては返す波のように。激しく」。私達は、何度でも。私の次は、子どもが、孫が。

まだまだ元気な夏ばっぱですが。子どもに孫に、それぞれ代がわり。でも、それは淋しことではなく、前に進むことです。

「来てよ、その火を飛び越えて」。「来てよ、その川飛び越えて」。

私達は、前に進みます。困難さえ、一つの経験にして。

「三代前からマーメイド」。両親と祖父母がの思いを引き継いで。

◆「行ってみようか」

まだ、線路は通っていませんが、若い二人は言います。「行ってみようか」。

まず、若者達が前に進むのでしょう。

◆トンネル

あんなに怖かった、恐怖の象徴、トンネル。今は、二人で手をつないで、楽しそうに、いきよい良く、前に進みます。

「少女に不可能はない」って、感じさせます。

若者達の前に光りは広がっているって、感じます。

◆ラストに流れるオープニングテーマ曲

作劇法の一つの王道。特にコメディーでは。物語の最後に最初に戻る手法。物語はまだまだ続きます。相変わらずの成長しない主人公達のドタバタが続きます。

◆飛び込まなかった二人。

海に向かって走っていくアキちゃんとユイちゃん。あの雰囲気、あのカメラアングル。これは、海に、しかも今度は二人で、飛び込むぞと思った視聴者も多いでしょう。

若いころの母春子さん(小泉今日子)が書いた「海死ね」「ウニ死ね」そ踏んで、二人で海に飛び込むぞと。

でも、二人は飛び込みませんでした。二人は、もう人生の海に飛び込んだからでしょう。海の飛び込む象徴はいらなかったのでしょう。17

歳だった二人も、二十歳。お酒も飲めます。選挙運動もできます。少女だけど大人です。にぎやかにアイドルしますが、地道に大人として歩めるます。

二人は、おだやかに、力強く、水平線をみながら、立っているのです。

二人は行きます。「この先へ」。

(最終回の最初の駅のシーンで、将棋倒しになってユイちゃんがくす玉のひもを引くのも、引き継がれる世代の象徴かな(微笑))。

(9/28.22:00補足:発掘された恐竜の骨は、コエルロサウルス。この段階で、恐竜は羽毛を持つように進化したとされています。これも、「この先へ」の象徴でしょうか。)

☆大好きなものを失うのは、淋しい物です。心理学的には、「喪失体験」となって、心が痛みます。でも私達も、二人と一緒に、この先へ。(9/29補足)

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