ちょっと旧聞に属するが、甲子園の「ラガーさん問題」について書いてみたいと思う。いや、このことを「ラガーさん問題」や「8号門倶楽部問題」と捉えること自体が、正しくないかもしれない。甲子園での高校野球のネット裏最前列周辺の席確保にまつわる数々の問題の本質は、彼ら自体と言うよりチケット販売の手法に在るように思えるからだ。

ぼくは、必ずしも高校野球の熱心なファンではないのだけれど、メディアの報道を見る限り、ラガーさんも所属すると言われている8号門倶楽部の面々はかなり強引な手法で「いつもの席」を確保していたようだ。そして、次回のセンバツ高校野球の運営委員会は、ネット裏に「ドリームシート」を設けて少年野球の選手を無料招待することを決定したそうだ。おそらく、夏の大会においても同様の対応がなされるのだろう。

これはこれで良いのかもしれないが、表面化している問題を排除するに過ぎないように思える。少年球児を招待することは立派なことだと思うが、野球の普及のためにはこのようなスキャンダルが発生していなくてもやるべきだと思うし、必ずしもそれはネット裏である必要はないと思う(個人的には試合展開をしっかり把握するには、最前列よりもっと上の位置で見た方が良いと思うし)。「君たちは良からぬ輩に席を占拠させんようここに招待されとるんやで」とは子供達には言わないのだろうが、「少年の招待」による「すそ野の拡大」も問題解決のためのツールか、とぼくはちょっぴり斜に構えて見てしまう。

それよりも関係者が解決すべき課題は、「特定の人気の高い席においては需給バランスが著しく崩れている」ことであり、「希望の席を確保するには長時間並ばねばならない」という前時代的な現象だろう。ラーメン屋じゃあるまいし。

したがって、なぜ指定席を導入しないのか?それがぼくには理解できない。そして、その指定席には人気に見合うそれなりの価格を設定すべきだし、それとは別のエリアに少年球児を招待してあげれば良い。招待の球児を(前述のようにぼく個人は興味はないが)一般的にはもっとも良い席とされる席に座らせる必要はないと思う。甲子園の高校野球も外野席を除けば有料である限り、もっとも人気のある良いとされる席はそれに見合うコストを負担するファンが手に入れるべきだ。

また、ぼくはラガーさんらの8号門倶楽部メンバーが今後もネット裏最前列に座っても一向に構わないと思う。そこに座るに至るプロセスが公平で平等なものなら何ら問題はないと思う。彼らもウェブでネット裏最前列の指定席を購入し、開門後に甲子園に現れ球児のプレーに熱い視線と声援を送れば良いのだ。