12月15日未明、我が国のカジノ合法化と統合型リゾート導入を推進するIR推進法案(通称:カジノ法案)が衆院で可決成立した。この法案は提出が行われていながら長らく「店晒し」にされ、日の目を見ることがなかった法案である。それが急転直下、動き出したのが11月30日のこと、その後、およそ2週間あまりであっという間に成立してしまった。

この急な法案審議の進捗の裏側で一体何が起こっていたのか。そして、ある面で「拙速」ともいえる審議の過程で置き去りにされてしまった論議はなんだったのか。カジノ研究者、ギャンブル依存者支援、そして元官僚と、それぞれの立場から一連の流れを見つめていた各分野の識者達が、ヤフージャパンが新開設したコワーキングスペース「LODGE」内の特設スタジオに集結し、「言いたい放題」の緊急座談会を行った。

以下、座談会のハイライトとなる各専門家の発言

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田中(ギャンブル依存症問題を考える会・代表):

(IR推進法が成立という)こういう結果になったので、本当にギャンブル依存症というリスクを減らしてゆけるように私達もますます頑張って活動をして行かなければいけないなと言う風に思いますけれど、これだけギャンブル依存症ということに対して社会にも興味を持って頂けたので、是非、今あるこの問題に対して目を向けて一歩でも進むように生産的な話し合いをして頂きたい。あと、マスコミの皆さんも、議員の皆さんも表面的な事ではなくて、もっと切り込んだ事が急いで行われるように後押しして頂けたらなというのが一番の願いです。

こんな感じで月日が流れて行ったら悲劇が繰り返されると思っているので、これを契機に日本のギャンブル依存症対策というのがひっくり返るくらいの大ナタを振るって欲しいというのが今の私の気持ちです。

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木曽(国際カジノ研究所・所長):

今回通ったIR推進法というのは、あくまで政府に「次のカジノ合法化させる法律を作らせる」法律でしかなくて、まだカジノ合法化はされてないわけですよ。実は本当の論議と言うのは(次なる実施法の出る)一年後なんです。そういう意味では今回、たった二週間しかなく論議が出来なかったものを、これから一年間でずっと論議をして行くのだろうと思っています。依存症だけではなく、今回様々な論議の積み残しがある。これを一年間を通して論議できるような環境を作って行きたい。それを丁寧にやって、次なる本当にカジノを合法化する法律を社会的に納得を頂いた上で通すという作業をしないと、この先絶対に良いことにならない。

具体的にいうと、今回衆院で作られた付帯決議の中にカジノを導入する地域には地方議会の賛同決議を求めるという項目が入っています。今、最新の世論調査では60%がカジノに反対、30%が賛成。今の状況だと国がカジノの整備をする法律を出しても、どこも地方議会が賛同決議を出せなくて、法律を作ったのは良いけど統合型リゾートは出来ませんよという状況もあり得ります。

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宇佐美(コメンテーター・元経産官僚):

私は元々経済産業省の官僚だったのでその観点で上手くゆく為に必要なことを言いますと、新しいものが出来る時に、それを良くも悪くも自分達で「担ぐぞ」という政府側の動きが出て来ないと、物事は上手くいかないと思っています。カジノにせよ、ギャンブル依存症対策にせよ、今のところそういう省庁なり、そういう声を挙げる官僚が出て来ていないので、役人にも役割があるのではないかなと思っています。

本編は以下からご視聴頂けます。