月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。
記事一覧
- バッシング騒動がそのまま反映された話題の書籍『秋篠宮』をめぐる様々な波紋と応酬
5月11日に出版された書籍『秋篠宮』が話題になっている。眞子さん結婚騒動の経緯を、秋篠宮本人がどう見て、どう語っていたかを、本人の肉声としてカギかっこつきで紹介しているからだ。
- かつての公開中止事件を超えた映画『私のはなし部落のはなし』はタブーに挑んだ力作だ
5月21日から東京のユーロスペースや大阪の第七芸術劇場などで公開予定のドキュメンタリー映画『私のはなし部落のはなし』は、部落差別という、タブーとされてきたテーマに正面から取り組んだ力作だ。
- 菅前総理ってそんな懐の深い人だっけ?批判的ジャーナリストの「偲ぶ会」に参加したその意図は?
4月28日の夜、昨年10月に亡くなったジャーナリスト松田賢弥さんを偲ぶ会が開かれた。そこに菅前総理本人がわざわざ足を運んで挨拶。驚いた人も多かった。そしてそれをめぐってちょっとした応酬があった。
- 相模原事件・植松聖死刑囚が死刑確定から2年を経て再審請求を起こした背景
4月28日夜、私のところへマスコミから電話やメールが届いた。植松聖死刑囚が再審請求を起こしたことが報じられたからだ。2020年に植松死刑囚の刑が確定した前後、私は本人と相談のうえ弁護士を探していた。
- 小室圭さん2度目の司法試験不合格で今後の行方を予測した週刊誌の「躍る見出し」
4月15日から始まった小室圭さんの2度目の司法試験不合格をめぐる報道で週刊誌各誌の見出しが派手に踊っている。各誌が推測している小室夫妻の今後の行方はどうなるのか。
- 講談社元社員の「妻殺し」とされる事件を報じたNHK「クロ現」の大きな反響
NHK「クローズアップ現代」が反響を呼んでいる。「妻は夫に“殺された”のか」と題して、講談社元社員が妻殺害容疑で逮捕され、1・2審で有罪判決を受けた事件を取り上げたものだ。
- 園子温監督めぐる報道、著名作家の声明など、社会全体に波紋広がる芸能界の性暴力告発
『週刊文春』が火をつけた映画界における性暴力の告発が大きな反響を巻き起こし、いまや社会的問題になりつつある。#MeTooの大きな流れが導いた、この展開そのものが時代の流れの反映だ。
- 編集長劇的スカウトのマガジンハウス始め中堅出版社マンガ本格参入の実情
デジタルコミックで連載を起こせるという環境ができたゆえ、幾つもの出版社がマンガ市場に参入を試みている。マガジンハウス、光文社、文藝春秋、そして先行する新潮社の取り組みを探った。
- 教育への政治介入を告発した『教育と愛国』は二重の意味ですごい映画だ
MBS(毎日放送)製作のドキュメンタリー映画『教育と愛国』が5月13日より全国公開される。教育の現場を長年追い続けた斉加尚代ディレクターが監督を務めたものだ。
- 甲府放火殺人事件19歳少年の実名報道めぐる議論と東京新聞の独自方針
昨年10月甲府市内で夫婦が殺害され放火された事件で、4月8日に甲府地検が少年を起訴して実名を公表。それを受けて多くのマスコミが19歳少年の実名報道に踏み切った。報道を検証し、何が問題なのか書いてみる。
- テレビ各局がアニメに一気に注力!新しい動きのTBS、日本テレビ、NHKを追った
『鬼滅の刃』の世界的大ヒットを受けて日本のアニメに対する国際的な需要が伸び、アニメビジネスが爆発的に拡大している。ここではその中から、TBS、日本テレビ、NHKの取り組みを紹介しよう。
- 女優たちの性暴力告発の波紋広がる。映画「ハザードランプ」公開中止、NHKドラマも修正
監督や俳優から性暴力を受けたと『週刊文春』で女優たちが相次いで告発した事件が深刻な事態になっている。3月31日、一連の告発を受けた榊英雄監督の公開予定映画「ハザードランプ」の公開中止が発表された。
- 「表現の不自由展・東京」国立市で開幕。街宣抗議の中、警察官100人以上が警備態勢に
「表現の不自由展・東京」が4月2日、国立市で無事開幕となった。ただ朝から街宣車が会場前を往来、また会場前の公園では開催に反対する団体が大音量で抗議集会を開くなど、緊迫が続いた。
- 是枝裕和監督らが声明を発表、『週刊文春』告発で映画界に#MeTooの大きな波紋
性被害を受けたと女優が次々と告発を行う#Me Tooが映画界に起こり、深刻な問題になっている。発端は『週刊文春』の報道で、何と同誌は既に3週連続で被害女性の告発を掲載している。
- 4月2~5日「表現の不自由展・東京」開催に街宣予告など緊張も。いったい何が問われているのか
昨年、激しい街宣抗議で中止に追い込まれた「表現の不自由展・東京」が2022年4月2~5日に東京・国立市で開催される。無事開催できるのか、何が問題になっているのか、昨年の経緯を踏まえて書いておこう。
- 薬物依存者の回復支援組織「ダルク」を創設した近藤恒雄さんの死を悼む
近藤恒雄さんの訃報を受け取ったのは3月4日だった。新聞などでは近藤さんが成し遂げた仕事については十分に書かれていないので、ここで生前のインタビュー記事を公開して、追悼したいと思う。
- 作家3団体がロシアのウクライナ侵攻に抗議する共同声明と会見。いま表現者に何ができるのか
3月10日、日本ペンクラブ、日本文藝家協会、日本推理作家協会の3団体が「ロシアによるウクライナ侵攻に関する共同声明」を発表し、3団体の代表が会見を行った。ここでその詳細を報告しよう。
- 映画『標的』をめぐる大手メディアの対応とバッシングされた娘さんの衝撃の登場
映画『標的』は、2014年の朝日バッシングの過程で激しい攻撃にあった元朝日新聞記者・植村隆さんを追ったドキュメンタリーだ。映画公開をめぐるメディアの反応を含めて西嶋監督と植村さんにインタビューした。
- 沖縄警察暴動のきっかけとなった高校生失明事件の真相が1カ月経ても明らかにならないのはどうしたことか
1月28日未明の沖縄警察署の暴動のきっかけとなった高校生の失明事件の真相が1カ月経ても明らかになっていない。県議会で県警本部長は発信を約束したが…
- 元プロボクサーの女性聴覚障害者を描いた映画『ケイコ 目を澄ませて』が公開へ向けて動き出した
この何年か、私は障害者の問題に関わる機会が何度かあった。最近は聴覚障害について考えることが多い。きっかけはプロボクサーになった聴覚障害者、小笠原恵子さんの半生を原案に映画が作られたことだ。
- 秋篠宮家長男めぐる「皇室特権」「盗用疑惑」との週刊誌報道をめぐる混戦
秋篠宮家の長男、悠仁さんの高校進学をめぐって「皇室特権」との批判が週刊誌でなされ、宮内庁が反論。その後、今度は悠仁さんの「盗用」疑惑なる批判がなされ、週刊誌内部でも見解が割れるという混戦模様だ。
- 障害者差別のタブーに挑んだ映画『夜明け前のうた』上映中止騒動の深刻さと監督が取った行動
上映中止騒動が起きている映画『夜明け前のうた』のケースは、障害者差別というタブーがからんだもので、考えるべきいろいろな問題を提起している。
- 映画『テレビで会えない芸人』が描いたテレビ界の自主規制体質について製作者に聞いた
KTS鹿児島テレビが制作したドキュメンタリー映画『テレビで会えない芸人』が全国公開された。テレビ批判ともいえるこの映画をテレビ局が製作したことの意味を監督を務めた報道局員2人に聞いた。
- 宮内庁が秋篠宮家に関する週刊誌報道に怒涛の反論。応酬は今後どうなる?
週刊誌報道に対する宮内庁の苦言というか牽制が怒涛のように続いている。苦言が秋篠宮家報道に集中しているのは、眞子さん結婚騒動めぐる経緯があるからだろう。
- 光文社、文藝春秋に続きマガジンハウスと、出版社が続々コミックに本格参入する理由
2022年春、マガジンハウスがコミック市場に本格参入する。2020年にコミック部門を新設した光文社と文藝春秋もコミックは順調だ。新たな参入が続く大手出版社のコミック部門の現状はどうなのか。