学校リスク(校則、スポーツ傷害、組み体操事故、体罰、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。また啓発活動として、教員研修等の場において直接に情報を提供しています。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『学校ハラスメント』(朝日新聞出版)など。■依頼等のご連絡はこちら:dada(at)dadala.net
記事一覧
- いじめ対応 教育的アプローチの「限界」 いじめ加害者の出席停止の勧告等、市長による積極介入から考える
今年も、いじめの重大事案の報道が相次いだ。目立つのは、学校や教育委員会の対応の鈍さだ。一方、寝屋川市や旭川市などでは、市長部局による積極介入の動きがある。学校によるいじめ対応の「限界」を考える。
- いじめ加害者の出席停止ゼロ件 教師の半数「出席停止にすべき」
中学校におけるいじめ加害者の出席停止は、年間ゼロ件である。加害者は学校に通いつづけ、被害者は学校を離れていく。一方で私が実施した最新の調査では、教師の半数が出席停止を望んでいることが明らかとなった。
- 制服の自由化 大人が消極的 コロナ禍の校則見直し
学校の制服について、男女別の規定を緩和する動きが、各地で進んでいる。一方、制服の着用そのものの自由化(私服の容認)は、ほとんど検討されることなく、世論の反応も鈍い。制服の見直しの現状と課題を考える。
- 文科省「#教師のバトン」プロジェクトに非難殺到
今月26日、文部科学省が「#教師のバトン」という官製ハッシュタグをかかげて、学校の働き方改革の聖地、Twitterに姿をあらわした。教員を中心に数多くのリアクションがわき起こっている。
- 理不尽な校則 なぜ変わらないのか ――コロナ禍の校則緩和から「学校依存社会」を読み解く
コロナ禍により、学校の校則が一部緩和された。マスクはカラフルになり、私服を可とした学校もある。一方、揺り戻しの動きもある。なぜ学校は、厳しい校則を好むのか。学校批判に終わらない、新たな校則論を示す。
- 熱中症の発生率 競技種目間のちがいを検証する なぜ野球に多いのか 背景に長時間の練習
文科省が、教員の負担軽減を目的に、休日の部活動を地域で運営する案を立てている。一方で生徒側のさまざまな負荷も重要な課題だ。毎年運動部だけで3000件発生している熱中症について、その背景要因に迫った。
- 熱中症 中高の部活で年間3000件 ソフトボール・野球で高い発生率
中高の運動部活動では、毎年約3000件の熱中症事案が確認されている。学校は夏休みでも、部活動は活発におこなわれている。警鐘の意味を込めて、運動部における熱中症の実態を、全国のデータから明らかにする。
- 夏休み ネットに集まる教員の声 オンライン・イベントに教員と市民が集う
お盆休みの14日、「#先生死ぬかも」がTwitterのトレンドに入った。このところ教員の長時間労働の問題をあまり耳にしなくなったようにも感じられるが、苦悩の声はいまも見えないところに積み重なっている。
- コロナ時代の部活動 多発する熱中症に備えは十分か 授業とのちがいから考える【#コロナとどう暮らす】
学校では厳格なコロナ対策がつづくなか、本格的に再開している部活動がある。なぜ、部活動は早々と平常化できるのか。熱中症への備えは十分か。とくに部活動で熱中症が起きやすいという最新知見から、安全策を探る。
- 新型コロナウイルス 全国一斉休校の是非 学校教育の立場から考える
安倍首相は、全国の小中高校等に、3月2日から春休みまで臨時休業とするよう要請する考えを表明した。感染症対策の効果が見込まれる一方、学校や家庭は混乱している。学校教育の立場から、一斉休校の是非を考えた。
- 2019年の運動部の活動時間数 大幅減に転じる ガイドラインの定着 週3時間減の県も
2019年の中学校における運動部の活動時間数が大幅減であることが、国の調査結果の分析から明らかになった。2018年の活動時間数が最長の千葉県は週3時間減と、各自治体は急速に部活動の適正化を進めている。
- 全国学力テスト 直前に過去問くり返し 子ども・教員に負担 継続か、廃止か、抽出式か
「先生、今日は練習ですか?本番ですか?」――。教育界で長らく論議をよんできた全国学力テスト。学級の平均点を一点でも上げるべく、毎年子どもと教員は授業や宿題をとおして、事前対策に多くの労力を割いている。
- 教員の働き方 新制度に強い反発 8月は休めるか? データなき改革の行方を探る
臨時国会において、公立校教員の働き方改革の一環として「一年単位の変形労働時間制」の導入が審議されている。ところが、働き方改革を目的としているにもかかわらず、教員からは猛烈な反発が起きている。
- 教師叩きに終始しないで… 子どもにも先生にも安全・安心な学校を!
神戸市の教師暴行事案を、教師叩きで終わらせてはならない。なぜなら、直接の被害者もまた教師であり、本事案を大多数の教師は「ありえない」と感じているからだ。子どもにも教師にも「安全・安心な学校」が必要だ。
- 熱中症予防 「運動禁止」守れない学校
学校での熱中症事案のニュースがつづいている。ある教師からは、「体育祭の練習中止を訴えても、聞き入れられない」との声が私に届いた。熱中症予防が求められるなか、なぜ屋外での教育活動が実施されてしまうのか。
- いじめ加害者の出席停止ゼロ件 夏休み明け「学校に行かなくていい」を考え直す
「無理をしてまで学校に行かなくていい」という声が拡がる一方、俳優の春名風花さんが「いじめる側こそ学校に来ないで」と訴えている。だれが学校に行くことを保障されるべきなのか。「出席停止」について考えたい。
- 夏休みがつらい 家庭に居場所がない子どもたち
夏休み明けの「学校がツライ」状況はよく知られるようになった一方で、夏休み中の「おうちがツライ」「家族がムリ」は、まったくと言っていいほど注目されていない。いまもどこかで、子どもたちが苦しんでいる。
- 愛知県の小中学校 子どもに「火の舞」 生徒が大やけど 「罰が当たった」で片付けてはならない根本的原因
名古屋市内の中学校で、火のついたトーチを振り回す「トーチトワリング」の練習中に、2年生の男子生徒が右腕に大やけどを負うという事故が発生した。はたして学校教育において、火を振り回す必要はあるのだろうか。
- 部活ガイドライン 抜け道探る動き 「闇部活」の実態
国のガイドラインに則って,自治体・学校が部活動の運営方針を策定しつつある。一方で,ガイドラインや方針の抜け道を探ろうという動きもある。「闇部活」をはじめとする,ガイドライン破りの実態とその問題に迫る。
- 中学生の半数「つらくても毎日学校行くべき」
この数年子どもの自死に関連して、登校圧力への関心が高まっている。今回、GW中に実施した中学生への調査からは、約半数の生徒が「つらくても学校に毎日行くべき」と考えていることが明らかとなった。
- 顔出し会見 共感よぶ 教員の過労問題
「恥ずかしいことは、いっさいありません。顔と名前を出して、正々堂々と闘おうと決意しました」――大阪府立の若手教員が、過労により適応障害を発症したとして、府を提訴した。その実名・顔出しの思いに迫った。
- 部活動の時間数 減少へ 都道府県データの分析から見える改革の成果と課題
ついに、この報告をする時が来た。これまで全国の学校で増加の一途をたどってきた運動部の活動時間が、ようやく減少に転じた。過熱をつづけてきた部活動はいま、大きな転換点にさしかかっている。
- 学校の部活動改革 ガイドラインは守られているか? 「長時間労働なんて関係ない」という感覚
教員は長時間労働だが、「奴隷のように働かされている」と理解してはならない。誇りをもって従事している側面も強い。それゆえ部活動改革の動きは鈍い。部活動の魅力を短時間で味わっていくという発想が必要である。
- 担任による卒業記念DVD制作 多忙化を促進 学校で感染・過熱する「子どものため」のサービス
担任から卒業生への記念DVDのプレゼントが、はやっている。「子どものため」の活動は、職員室内で感染していく。学校の働き方改革の時代においては、「子どものため」であってもあきらめるべきことがある。
- 卒業式の練習 必要か? 子どもと教員の負担軽減に向けて 見えぬ実態に迫る
学校では卒業式の前に、呼びかけや歌、起立・礼・着席と、さまざまな練習が重ねられる。ここまで厳しい練習が子どもに必要だろうか。また教員の長時間労働問題の観点からも、練習に時間を費やすことは妥当だろうか。