12月16日にJリーグは来季の日程を公表し、2015年シーズンのJ1リーグにおける2ステージ制の詳細が明らかになった。

来季から2ステージ制に移行するJ1リーグは第1ステージが3月7日に開幕し、最終節となる第17節が6月27日。第2ステージは7月11日に開幕し、11月22日に最終節を行う。

チャンピオンシップは11月25日に1回戦(仮称)、同28日に準決勝(仮称)、12月2、5日に決勝(仮称)を行う。年間勝ち点1位のチームはシードされ、決勝から登場。1回戦と準決勝には、各ステージの優勝チームおよび年間勝ち点2位、3位チームの最大4チームが出場する。

出典:ゲキサカ

1シーズン制から2ステージ制への移行決定は、昨年9月に正式発表されており、その際にJリーグ側からの経緯の説明が十分でなかったこともあり、物議を醸した。欧州の4大リーグは全て1シーズン制を採用しており、1年を通して最も強いクラブが優勝する方式が王道であることから、なぜ時代のトレンドに逆流するのか疑問の声が多く上がった。特にJ1上位クラブのサポーターからは猛反発を受けて、昨秋はJリーグの試合会場で多くの2ステージ制導入反対の横断幕が掲げられた。

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そしてここ最近、Jリーグの村井満チェアマンが積極的に地上波のテレビ番組(NHK総合のサンデースポーツや、テレビ東京のフットブレインなど)に出演し、来季2ステージ制へ移行する背景を自らの言葉で語っている。

「近年、国民のJリーグに対する関心度は低下し、観客動員数も減少してきており、Jリーグを取り巻く環境は厳しさを増している。この課題山積みの状況を打破するために2ステージ制とチャンピオンシップを導入し、シーズン中に山場をより多く作ることで地上波での露出を増やし、サッカーファンの裾野を広げたい」

村井チェアマンが公の場で説明している主旨は大体こんな感じだ。しかし、それらテレビ番組でチェアマンの口から表立って語られていない別の事情がある。

2ステージ制導入の引き金となった財政面の重要課題

村井満氏も編者として名を連ねる新書、Jリーグ再建計画(日本経済新聞出版社、2014年5月8日出版)では、「最大13億円の減収予測が立ったことが(2ステージ制)導入の決断を急がせた」と内情が書かれている。「ポストシーズン制を採用すれば、2014年度の13億円減収を回避し、さらに2015年シーズンには10億円増収するという見込みがついた」ことこそが、2ステージ制導入の根本的なトリガーなのだ(詳細の経緯については是非Jリーグ再建計画をお読み頂きたい)。

が、この予算面の背景について村井チェアマンは、私が見たテレビ番組の中では一切説明していない。非常にセンシティブな部分であるが故に、あまり広めたくない事情もあると思うが、この本質的な理由をなぜ書籍の中での説明に留めるのか。

この財政面の「負の理由」こそ、Jリーグの長年の歴史をともに作り上げてきたサポーターと真摯に向き合って、納得してもらえるまで説明するべきではないか。

2ステージ制にしないと、Jリーグは予算縮小の負のスパイラルに陥り、近い未来に財政破たんする可能性がある。改革か、死かーー。予算面において選択肢のない危機的状況であったことを愚直なまでに説くことこそが、組織のトップが果たす役割ではないのか。

昨年9月の正式決定後に、Jリーグの中西大介競技・事業統括本部長が様々なサッカーメディアでインタビューに答えていたが、課題の根底にある財政面の窮状を説明しているのは一部のメディアだけだった。2ステージ制導入に至った経緯・背景を網羅的に論説しているのは、前述の書籍、Jリーグ再建計画だけだ。

マスメディアに頼らない、ダイレクトな情報発信を望む

2ステージ制が開始される2015年シーズンの開幕まで3カ月を切ったにもかかわらず、ほとんどのサポーターがまだまだ納得していない状況だ(僕は2ステージ制とは縁のないJ2クラブのサポーターではあるが…)。

サポーターが納得していない理由はやはり、Jリーグ側の情報発信が不十分であるためだろう。さすがにサッカーメディア全ての関連記事に目を通せる人は限られるし、上記書籍を手に取っているJリーグサポーターも極一部だろう。更に地上波にチェアマンが出演しても上辺だけの話しかしない。これではサポーターの理解を得られるわけがない。

ここでひとつ提案をしたい。

Jリーグのウェブサイトを使って、開示できる範囲のデータを全て公開し、2ステージ制導入に至った経緯・背景について、改めて包み隠さず論説するページを開設してみてはどうだろうか。

今やマスメディアを通さずとも、インターネットで直接情報発信ができる時代だ。メディアを通すと紙面や番組の尺などの都合で編集が入るので、認識の齟齬が生まれるデメリットがあるが、直接情報発信すればその心配は無用だ。

このままではサポーターは懐疑心を持ったまま、来季の開幕を迎えてしまう。スポンサーだけでなく、サポーターにも摯実に向き合ってほしい。フットボールファミリーの一員としての願いだ。