Jリーグは2012年シーズンから、試合間隔の均一化とファンに日程を浸透させることを目的として、原則的にJ1は土曜日に、J2は日曜日に固定開催する方式を導入している(詳細は当時のスポニチの記事を参照)。

その後、過密日程を避けるために、2014年シーズンからJ1、J2の開催曜日を柔軟に入れ替えて調整する方針に修正された(詳細は当時の毎日新聞の記事を参照)。

「柔軟に入れ替える方針」が具体的にどういうものかというと、例えば水曜日にヤマザキナビスコカップがある場合、J1土曜の固定開催だと中2日での過密日程となり、プレーのクオリティが落ちる恐れがあるため、その週末はJ1開催を日曜に、J2開催を土曜に入れ替えることを指す。

またワールドカップやキリンチャレンジカップなど、日本代表の国際Aマッチデーの期間中はJ2を土曜開催に変更して、今年のJリーグは運用された。

このように原則的に曜日固定開催を維持しつつも、状況によっては柔軟に曜日を入れ替える方針を実行した今シーズン、実際にどれだけの土日入替が施行されたのかを数えてみた。

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水曜にリーグ戦が開催される節や、4~5月のゴールデンウイーク、9月のシルバーウイークのようにJ1、J2関係なしに開催曜日が固定される節は「例外」として母数から除外した。また、ACLやクラブ都合のために別の曜日に開催される1~2試合のイレギュラーには目をつむった。

上記「例外」を母数から除いて計算すると、J1で6/26=約23%、J2で15/35=約43%の曜日入替が発生した計算となる。J1とJ2を合算すると、21/61=約34%となった。

入替が3割を超えてしまっては固定する利点はなく、逆効果を生む

3節に約1回の割合で土日開催の入替が行われる状態では、「ファンに日程を浸透させる」という目標が達成できたとは到底言えない。逆に土日固定開催が中途半端に浸透してしまったが故に、曜日入替が行われた週末に試合を見逃してしまったサポーターの失敗談をよく聞く。原則固定開催の「原則」から外れる事例が3割を超えてしまっては、固定するメリットは皆無に等しく、サポーターに試合日程を勘違いさせてしまう逆効果を生む結果となってしまった。

もうひとつの当初の目的だった「試合間隔の均一化」は、水曜にヤマザキナビスコカップやリーグ戦の試合がある場合に限り、その週末の試合を中3日となる日曜開催に固定すれば良い。水曜に試合がない週において、「試合間隔の均一化」のために土日のどちらかに開催曜日を固定する必要はないはずだ(試合間隔が中6日と中7日の差に不満を述べる人はいないだろう)。

つまり、水曜にリーグ戦(もしくはカップ戦)があるディビジョンは、その週末の試合を日曜に固定するというルールのみを残し、それ以外は全てクラブの裁量に任せる2011年以前の運用方法に戻すのがベストだと考える。

ドイツの成功事例に倣ってみてはどうか

単に元のルールに戻せという提言では生産性がないので、ここで海外の成功事例を元に代替案を提示したい。観客動員数が右肩上がりのドイツのブンデスリーガでは、どの曜日に試合を開催するかは各クラブに一任すると同時に、1部リーグの最低1試合を金曜夜、2部リーグの最低1試合を月曜夜に原則固定開催する運用を行っている。

要するに、週末から週明けにかけて、金曜、土曜、日曜、月曜と4日続けてリーグ戦が開催される形となる。それに加えて欧州チャンピオンズリーグ(主に火曜、水曜開催)やヨーロッパリーグ(主に水曜、木曜開催)が行われる週であれば、ほぼ毎日何かしらのサッカー中継がテレビで見れる状態となる。ドイツ国民にとってサッカーが文化として根付いているひとつの要因と言えよう。

まだ創設21年のJリーグが、積み重ねてきた歴史の年数が違う欧州の成功事例に倣うのは時期尚早かもしれないが、ほぼ毎日サッカー中継がある日常を作り出せば、日本にサッカーを文化として浸透させるひとつの切っ掛けと成り得るのではないだろうか。

目的の達成度合いの検証を強く望む

繰り返しになるが、今季は原則土日固定開催の「原則」から外れるケースが頻発して、ルールの存在意義が薄れてしまった。何のための固定開催だったのか、本来の目的に立ち返って、Jリーグには検証・改善をしっかり行って頂きたい。