NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。
記事一覧
- 「仮面ライダー」の東映から中小制作会社まで! 映像業界に蔓延する残業代未払い
東映の「仮面ライダー」シリーズの制作現場に対し、中央労働基準監督署が労働基準法違反の是正勧告を出した。たびたび映像業界の長時間労働・残業代未払いは告発されているが、どうすれば改善されるのだろうか。
- 「この会社、おかしくない?」 5月は「ブラック企業」に気付くタイミング
新年度がはじまって1か月が経った。新卒入社の人の中では労働環境の悪さに驚いている人も多いと思う。初めての会社で劣悪な労働環境にあった時に何をすべきかお伝えしたい。
- 日本の難民認定はわずか74人 ウクライナ避難民は「貧困」に陥る恐れ
国によれば昨年は、74人が難民として認定された。それ以外の大多数は難民認定を受けられず、生存権を脅かされて生きている。ウクライナ「避難民」が今後増えていく中で、日本で暮らす難民の実態を考え直すべきだ。
- 「シフト制」労働が貧困の温床に 新たな「脱法」に高まる非難の声
個人で入れる労働組合である首都圏青年ユニオンが記者会見を開き、シフト制労働の問題を訴えた。シフト制労働はコロナ可で膨大な数の実質的失業者を生み、貧困の温床にもなっている。その仕組みと対策をご紹介する。
- 「時計を撮影」して違法残業を証明 東海大付属校の「無限残業」に労基署が是正勧告
私立高校の教員の約3割をしめる「非常勤講師」は、授業時間だけに賃金を支払う「コマ給」が大きな問題になっている。そうした中で、船橋労働基準監督署が東海大学付属浦安高等学校・中等部に対し、是正勧告を出した
- 「社員が社員を雇用」 ヘアカット専門「QBハウス」が団体交渉も拒否 真意は?
「社員による社員の雇用」が話題になっていたヘアカット専門店「QBハウス」の本社が、労働組合の団体交渉を拒否した。4月5日、交渉拒否は違法であるとして労働組合が会見を開いた。
- 国の機関が「違法行為」に加担? 「混迷」の度を増す外国人の労働問題
技能実習生の権利を守るために存在する「国の機関」である外国人技能実習機構が、労働者の権利侵害に加担している実態が明らかになった。「労働組合」への加入は憲法上認められた人権であり、侵害は許されない。
- いよいよ始まる育児休業の「新ルール」 4月から何が変わるの?
この4月から改正育児・介護休業法が順次施行されていきます。これから子育てを迎える世代に向けて、4月から施行される改正点を中心に、新しい育児休業のルールについて解説してきます。
- 横行する「強制帰国」 Z世代の若者たちが「実習生廃止」の訴えも
技能実習生に対する人権侵害の事件が後を絶たない。とくに多い被害は、使用者側から暴力的に空港に連れていかれる「強制帰国」だ。ほとんどが泣き寝入りに終わる中、ある事件が画期的な和解となった。その経緯とは。
- 「花畑牧場」のベトナム人との紛争 結局、どうやって解決したのか?
ベトナム人労働者の加盟する労働組合と花畑牧場が和解に至った。会社は謝罪し補償を支払うというが、類似の問題はこれからも発生しそうだ。今後も見据え、今回の「争議」には重要な意義があると考えられる。
- 「社員が社員を雇用」 ヘアカット「QBハウス」で異様な契約が問題に
ヘアカット専門店「QB HOUSE」では、一部店舗の従業員を直接雇用せず、「エリアマネージャーに雇用させる」という異様な行為が横行していた。こうした行為の背景には、「脱法」の狙いがすけて見える。
- 繰り返される若者の過労死・過労自殺 遺族の労災申請を支援することの意味とは?
大きく報道された電通の過労自殺事件の後も、若者の過労死・過労自殺はなくなっていません。痛ましい事件をこれ以上繰り返さないためにも、過労死遺族の法的権利の行使を支援する取り組みが求められています。
- 「引っ越しシーズン」に伝えたい、「未払い残業代」を取り戻す方法
春の引っ越しシーズン。引っ越し業者は、長時間労働・低賃金で深刻な人手不足が続いており、さまざまな労働問題が今年も起きることが予想される。引っ越し業者に起きがちな残業代未払いの解決方法を紹介していく。
- 震災とコロナ禍の「二重苦」 長引く貧困を生み出す「貸付主義」の害悪
東日本大震災から11年経った今も貧困から抜け出せない世帯をコロナ禍が直撃し、より深刻な貧困が生じてしまっている。この二つの「大災害」に共通する国の困窮者支援策の問題点について事例をもとに考えてみたい。
- 申請拒否?流用? 保育9000円賃上げが実現しない理由とは
岸田政権の目玉であった介護・保育職場の「9000円賃上げ」は、2月から開始されることになっている。しかし、自分の職場では何も聞かないという労働相談が、介護・保育ユニオンには相次いでいるという。
- ベトナム人労働者の「ストライキ」から、私たちは何を学ぶべきか?
花畑牧場で働くベトナム人労働者41人によるストライキが注目を集めている。会社は労働組合ではないためストライキは違法と主張しているが、実際はどうなのだろうか。ストライキの原理やその効果を踏まえて考える。
- 「うちは賃上げしない」が横行? 保育の9000円はどこへいくのか
岸田政権の目玉であった介護・保育労働者の9000円賃上げは、今年2月から実施されることになっていた。しかし、職場で賃上げの気配がないという労働相談が、いるという。一体なぜかだろうか。
- 今年だけで既に死傷者4800人 労災被害者が過去10年で最多ペース
厚労省が2022年1月の労災事故被害者数を公表したが、死者数は過去5年、死傷者数は過去10年の最多ペースであった。労災事故を増やさないため、起きてしまった労災に対処するために、何が必要なのだろうか。
- 違法にならない? 職場クラスターを「隠蔽」する企業に抗議の声
SNS上で「職場クラスター」の不安を訴える投稿が急増している。5人以上の感染者が出ても雇用主がクラスターと認めず、出勤を指示された例が後を絶たない。そうした中、ストライキで抗議する動きも起きている。
- 7000人の大企業で「社員」は30人 「未来の働き方」はどうなる?
葬祭大手ベルコ社を「解雇」された労働者が、地位確認を求めた裁判で、1月26日、札幌高裁にて和解が成立した。ベルコの組織形態は複雑で、直接には雇用関係にない労働者に職場復帰を認める珍しいケースとなった。
- 意外に知らない⁈ 労災保険の給付について解説 仕事でコロナに感染した方も申請できます
コロナ禍において重要な役割を果たしている労災保険制度ですが、制度の内容については意外と知られていません。よくある相談事例を踏まえ、労災保険の給付について解説していきます。
- 技能実習生による新生児の「死体遺棄」事件 背景に「強制帰国」の恐怖
技能実習生による新生児の死体遺棄事件の背景には、実習生へのマタハラの横行がある。妊娠が発覚すると雇用主から「中絶か、強制帰国か選べ」と迫られるのだ。こうした深刻な人権侵害を無くすため何が必要か考える。
- 暴行、あばら骨折でも「見て見ぬふり」 技能実習生を搾取する「現代奴隷制」の仕組み
岡山市で働くベトナム人技能実習生が2年間に渡り職場で暴行の被害に遭っていたことが明らかになった。なぜ技能実習生に対する人権侵害は頻発するのかを、他の実例も踏まえ、制度設計の問題から考えていきたい。
- 「プライバシー丸裸」はいいの? 日本の「貧困対策」に立ち向かうZ世代たち
生活保護制度においては、ホームレスの人たちがアパート生活を送るには職員にプライバシーを全面的に開示しなければならない。こうした現状も踏まえ、年末にはZ世代が無条件の住居保障を求めて闘った。
- 年間死者120人・死傷者1万人超 巻き込まれ労災事故の実態と対処法とは
東京都府中市で、工場のミキサーに巻き込まれて2名の労働者が亡くなった。日本では「はさまれ・巻き込まれ」による労災死亡事故が年間120件にも上る。どのような対策が必要なのだろうか。