韓国の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の李永吉(リ・ヨンギル)総参謀長が、2月初めに処刑されたと、韓国の聯合ニュースや韓国主要メディアが伝えた。現時点で詳細は不明だが、処刑理由は分派活動、不正行為などだという。

つい先日、筆者は本欄で「金正恩氏は軍部に対する恐怖政治さえも厭わない」と指摘していたが、李永吉氏の処刑は十分にあり得ると見ている。そして、李永吉氏の処刑が事実だとすれば、やはり金正恩第一書記の恐怖政治が強化されているようだ。

(参考記事:金正恩氏の暴走は止まらない…軍部も逆らえない危険な指導者

しかし、いくら独裁国家の頂点に立っているとはいえ、巨大な武力を持つ北朝鮮軍の幹部を処刑する金正恩氏の残虐さと強引さは異常だ。

記憶に新しいところでは、昨年5月人民武力相(日本の防衛相にあたる)の玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)氏が、大口径の高射砲で文字通り「ミンチ」にされた。

(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」……残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

李永吉氏がどのようにして処刑されたのかは不明だが、玄永哲氏の時と同じく、公開処刑の可能性が高い。一昨年の10月に行われた公開処刑については、その場面が衛星写真で確認されている。

(参考記事:北朝鮮の「公開処刑」はこうして行われる

北朝鮮国内からは、金正恩氏の「恐怖政治」がひどくなっているという声が伝わってくる。とりわけ、労働党や朝鮮人民軍の幹部になればなるほど、監視・統制が強化されるという。高級幹部ほど、がんじがらめにされているのだ。

しかし、李永吉氏は金正恩氏の信任が厚い人物として知られていた。それにも関わらず、処刑したとするならば、正恩氏は一体誰を信頼するのだろうか。