開催中のリオデジャネイロ五輪で、LGBTなど性的マイノリティーであることを公表(カミングアウト)している選手の数が少なくとも49人にのぼり、五輪史上、最多となった。スポーツと性的マイノリティーに関する専門サイト「アウトスポーツ」が独自に調査し、報じた。五輪は新たな時代を迎えた。

前回のロンドン五輪では、カミングアウトしていた選手数は23人だった。アウトスポーツは、ヨーロッパのチームスポーツの選手やマイナーな競技の選手は、カミングアウトしていてもその事実が知られていないケースも多く、正確な人数の把握は困難とする一方、大会が進むに連れ、数はさらに膨らと予想している。

アウトスポーツがサイトに載せた49人の中には、開催国ブラジルに初の金メダルをもたらした女子柔道のラファエラ・シルバ選手や、飛込み男子10mシンクロナイズドで銅メダルに輝いた英国のトーマス・デーリー選手といったメダリストも含まれている。

競技以外でも、LGBTの存在感がかつてなく増した五輪を象徴するような出来事があった。

7人制ラグビー女子のブラジル代表、イサドラ・セルロ選手は、表彰式が行われた会場で、パートナーの女性から突然、マイクを通じてプロポーズを受けた。びっくりして感極まったセルロ選手の目からは涙があふれ、2人はフィールド上でしっかりと抱き合った。その場に居合わせた選手や競技関係者も、温かく祝福したという。

LGBTであることを公表する五輪選手が増えている背景について、アウトスポーツの設立者シッド・ジーグラーさんは、「社会のあらゆるところでLGBTの人たちがより受け入れられるようになり、カミングアウトしても健康に幸せに暮らせると考える人が増えているため」と米メディアに語っている。

ただ、アウトスポーツが掲載した49人の出身国を見ると、欧米の選手が圧倒的に多い。選手がカミングアウトするかどうかは、出身国の社会が、LGBTも含めたマイノリティーにどれだけ寛容かに左右される面もあるようだ。

新たな時代を迎えた五輪。4年後の東京大会は、さらにどう変化していることだろうか。