■開幕!プロバスケットボール・Bリーグ!!

小学生チーム「己信オーシャンズ」の選手たち。「ダンクが見たい!!」と賑やかだ。将来の夢はプロバスケ選手…?
小学生チーム「己信オーシャンズ」の選手たち。「ダンクが見たい!!」と賑やかだ。将来の夢はプロバスケ選手…?

アリーナ中が真っ赤っかだった。大阪エヴェッサの本拠地、府民共済SUPERアリーナでの開幕戦だ。眩いムービングライトとノリノリの音、日本初のアリーナ常設の4面プロジェクター。そしてコートにはプロジェクションマッピング!!ライヴ会場さながらの演出に、スタンドの赤が揺れた。

■新しい演出・・・床一面にLEDを使用したコート

この秋、男子バスケットボールのNBLbjリーグが統合され、新たにBリーグが誕生した。全国に先駆け9月22、23日に東京は国立代々木競技場第一体育館においてアルバルク東京vs琉球ゴールデンキングス戦で幕を開け、24日に各地で一斉に開幕戦が繰り広げられた。

これまで日本におけるプロスポーツの代表は野球、サッカーだった。それに続く第3のプロ競技団体として発足したバスケットボールは、アリーナの演出も魅力の一つだ。

大阪エヴェッサ自慢の日本初・アリーナ常設の4面プロジェクター
大阪エヴェッサ自慢の日本初・アリーナ常設の4面プロジェクター

東京での開幕戦には9,132人が足を運び、また全国ネットでテレビ中継されたこともあり、多くの人がその演出にド胆を抜かれたことだろう。世界初の床一面にLEDを使用したコートには、得点者の顔や文字が浮かび上がる。コンサートのように光もふんだんに使う。

バスケット競技の迫力やおもしろさだけでなく、音と光と映像のディレクションも観る者を魅了した。

■“スラムダンク世代”が創りだすスポーツとデジタルの融合

#55 ジョシュ・ハレルソン選手
#55 ジョシュ・ハレルソン選手

一方、関西でも負けていない。いや、それ以上かもしれない。大阪エヴェッサの総合演出を担当するのは、あの「ウルトラテクノロジスト集団・チームラボ」だ。これまで、その独自の発想で数々の展覧会やアート展、イベントなどを成功させ、その動員数は桁外れだ。

#32 エグゼビア・ギブソン選手
#32 エグゼビア・ギブソン選手

「バスケ人気って高いですよ」と話すのはチームラボの堺 大輔氏だ。スポーツ分野は初進出だそうだが、話していると何やらものすごく熱い。大きな熱量を感じる。聞けば「むちゃくちゃ“スラムダンク世代”ですから」とニヤリ。堺氏はもちろん、「このプロジェクトはバスケ好きが集まっています。メイン担当はバスケマンですからね(笑)」とバスケ経験者を含め“バスケ熱”が非常に高いプロジェクトチームだという。

#14 橋本拓哉選手
#14 橋本拓哉選手

「社内の20代後半から30代の“スラムダンク世代”でプロジェクトに関わってない人間も『どうなった?』なんて気にしているし、なぜかどんどんメンバーが増えているんですよね、自発的に(笑)」。そんなバスケ大好き軍団「チームラボ」が手がける演出とはどんなものなのだろう。

■デジタルによるアリーナでの一体感

堺氏が強調したのは「一体感」だ。「普通にバラバラで応援するより、デジタルを使うことでよりおもしろく、より盛り上がり、より選手を近くに感じることができる…そういうことができたらいいなと」。

「まいどくん」にエネルギーを送ると「スーパーまいどくん」に!
「まいどくん」にエネルギーを送ると「スーパーまいどくん」に!

試合直前になると会場が暗転し、大阪エヴェッサのマスコットキャラクター「まいどくん」が登場する。これは観客のスマホ(事前にアプリのダウンロードが必要)と連動しており、スマホを振ることでまいどくんにエネルギーを送ることができる。スタンドからのエネルギーによって、まいどくんがLEDで光り輝く「スーパーまいどくん」に変身!ピカピカ輝くスーパーまいどくんにスタンドからも「おぉ~っ!」と歓声が上がり、会場は一体感に包まれた。

またムービングライトの演出とともに、コート上のプロジェクションマッピングにも驚嘆の声が上がる。壁面に投影されるものだという固定観念を取っ払い、バスケットコートをスクリーンにして浮かび上がらせた燃えさかる炎の映像に、一体となった会場のボルテージは一段と上昇する。

■チームラボボールで勝ったら楽しさを増幅!負け試合の悔しさも晴らしちゃう!

チームラボボール
チームラボボール

そして試合後にもまた、楽しい体験が待っている。ついさっきまで熱戦が展開されていたコートに降りることができ、風船状の巨大ボールと戯れるのだ。「チームラボボール」といわれるこのボールは、触れると色が変わる。コートいっぱいの大勢の人間が「ランニングマン」の曲に乗り、飛んでくるいくつものボールをアタックして色が変わるのを楽しむ。見ているととても幻想的な風景だが、参加すると非常に楽しくテンションが上がる。

「この“参加型”、“体験型”であるということが重要なんです」と堺氏は説明する。

チームラボボール
チームラボボール

「デジタルでは、アナログの世界ではできないことができる。見たり参加したりすることでテンションが上がる。そうするとより応援したくなるし、バスケに興味を持つようになる」。人間の心理だ。

そして感動したり興奮したりしたことは人に伝えたくなるのも人の性。イマドキなのは、それをSNSに上げる人が非常に多いのだ。この開幕戦でもSNSのタイムラインには「大阪エヴェッサ」「チームラボ」「まいどくん」などの文字が踊った。「そういうのを見て、行きたいと思ってもらえたら」と青写真を描く。

チームラボカメラの前でポーズ
チームラボカメラの前でポーズ

またホワイエにも「チームラボカメラ」を設置し、ここでも“一体感”を提供している。このカメラで撮影すると、3パターンの中から選んだフレームでコラージュされた写真が仕上がる。それが自動的に大阪エヴェッサのフェイスブックページにアップされ、自由にシェアすることができるのだ。

このフレームが秀逸だ。自身がダンクシュートを決めていたり、選手とティップオフしていたり、まいどくんやおおきにちゃんと一緒にという3パターンの写真に仕上がる。今後またフレームは増えていく予定だという。

■選手を成長させる観客の目

開幕戦、大阪エヴェッサの対戦相手はリーグ最北のレバンガ北海道だった。NBLでは常に中位に位置していたチームで、10人中7人が190cm超えと高さがある。しかし手堅いディフェンスでノっていったエヴェッサは得点機をしっかりとモノにし、追い上げてくるレバンガを振り切り、記念すべき開幕戦を勝利で飾った。

開幕戦を前に挨拶する安井直樹 代表取締役
開幕戦を前に挨拶する安井直樹 代表取締役

今後、Bリーグが発展していくためには「日本人選手のレベルアップが重要になる。日本人のスター選手、世界で戦える選手が出てくること」と大阪エヴェッサの桶谷 大ヘッドコーチは課題を挙げた。

そこで選手の成長に欠かせないのは「観客の目」だ。開幕戦の勝利後、「シュートを決めたら観客が沸いてくれる。気持ちがノってくるし、シュートタッチもよくなってくる」と根来新之助選手が語ったように、注目されることで選手はより高みを目指せる。また逆に、レベルの高いプロフェッショナルなプレーを見せることが集客にも繋がっていく。好循環が生まれるのだ。

何か楽しいことが待っているアリーナ
何か楽しいことが待っているアリーナ

入口はなんでもいい。「珍しいプロジェクションマッピングが見たい」。「色の変わるボールで遊びたい」「スマホを振ってまいどくんを光らせたい」―。バスケのプレーとは関係なくても、まずはアリーナに行くことで何か楽しいことを見つけられる。

そこで迫力あるプレーを目の当たりにし、キュッキュッというバッシュの音を耳に留め、DJに合わせて声を出す。するともうバスケットボールのとりこになる。

次のホーム開催は10月15日、16日だ。舞洲スポーツアイランドにある府民共済SURERアリーナでぜひ“一体感”を味わってみてほしい。

わくわくドキドキが詰まった府民共済SUPERアリーナ
わくわくドキドキが詰まった府民共済SUPERアリーナ

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