「30数年ぶり」ガラガラ黒川温泉、V字回復への道筋

最終更新:2016/5/1 23:50

キーポイント

  • 黒川温泉のメーン通りは連休前はガラガラ。人気の出る前の光景との声も。
  • しかし連休中に、ほぼ全ての旅館が営業再開へ。
  • 福岡からの直通バスは開通。統一された街並みや自然が魅力。

 いつもは大にぎわいの黒川温泉のメーン通り。大型連休前の平日昼間、人通りがありませんでした。閑散とした光景は「30数年ぶり」という人も。しかし、29軒の旅館ほぼ全てが連休中に営業を再開し、観光客の宿泊は問題ありません。地震でキャンセルが相次ぎ、宿泊OKの宿がたくさんあります。連休は「あこがれ」の黒川温泉が狙い目かも。(ヤフー株式会社 社会貢献推進室 森禎行)

思いっきり水をまけるメーン通り

 「心おきなく、水まけるね。30数年ぶりですよ」
 「ふもと旅館」の松崎郁洋(いくひろ)社長は26日、メーン通り「川端通り」に水をまきました。「いつもいっぱいおるでしょ。人にかかるから、水まけないわけよ」。

 70年代まで、阿蘇や別府温泉に押され、黒川温泉は閑散とし、存亡の危機を迎えていました。その後、地域一丸となり、黒地に白文字の統一看板など「黒川ならでは」の街並み景観作りに取り組みました。露天風呂と入湯手形が人気となり、一気に全国有数の温泉地に変わりました。

 ここ数年は、韓国や中国からも観光客が連日押し寄せるといいます。洗練された「温泉地の街並み」を楽しむ人々で、温泉街はにぎわっていました。

ほぼ全ての旅館が営業再開へ

 黒川温泉の熊本県南小国町は、県北東部の山あいにあります。
 「本震」で震度5強を記録しましたが、大きな被害はなく、現在一部の道路脇にブルーシートがかけられている程度です。中心部の道路に土砂崩れがありましたが、すでに修復され、問題なく通行できます。

 当時の宿泊客は、それぞれの旅館から小学校などに安全に避難し、無事だったといいます。車がない宿泊客は、最寄りの主要駅まで旅館からお見送りしたそうです。

外国人夫婦「フレンドリーでステキ!」

 ステファン・キャットさんは、夫のクライトン・マイケルさんと黒川温泉に2泊しました。2週間の休暇をとり、日本一周旅行の途中でした。
「とてもステキ! 他に客は少なかったけれど」。

 これまで京都や広島を回り、これから函館に飛んで桜を見て、東京に向かうといいます。
 レンタカーで福岡から黒川温泉に到着しましたが、たどりつくまで大変だったそうです。「道路が寸断されて、別の道を探したら、また通行止め。英語の看板がないので、わかりにくかった」。車載カーナビは、操作部分は英語だが、地名表示は日本語のみでした。

 日本在住の英国人の友人から、「KUROKAWA」を勧められたといいます。「他に観光客がいなくて、不思議な雰囲気。でも、みんなフレンドリーで楽しかったわ」。
 「くまモン」のおみやげを手に、にっこりした夫婦写真を撮影させていただきました。

ソフトクリーム屋さんや共同浴場も通常営業

 川端通りの「ジャージー牛乳と地元産品」を販売する「湯音」も、通常通り営業中です。阿蘇のジャージー牛乳のソフトクリームは、濃厚なのに後味さっぱり。

 「黒川らしくない」共同浴場「地蔵湯」は、ふもと旅館の隣。わずか200円で、昭和の風情が楽しめます。

「疲れた体をいやして」

 黒川温泉へは現在、福岡から直通バス(約2時間半)が通常通り走っています。黒川は街並みに加えて、緑に囲まれた自然や川のせせらぎの音も、旅の魅力を引き立てます。

 ゴールデンウイークの5月8日には、地蔵堂で「地蔵まつり」が開かれます。川端通りの中心部にあり、今年は特別な祭りになりそうです。

  旅館「御客屋」を経営する、観光旅館協同組合の北里有紀・代表理事は「安全は再優先で、『温泉は元気』だといいたいと思います。疲れた体を少しでもいやしてほしいと思っています」とPRしています。 
 
 道端では、季節の花がいつも通り、花を咲かせていました。

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