【連載】 地元企業・再春館製薬所社長が語る震災からの再起

最終更新時間:2016/5/2 0:33

写真・画像Yahoo! JAPAN

キーポイント

  • 熊本の企業である再春館製薬所の社長自らが陣頭指揮をとり、業務の再開に対応。
  • 避難中のお客様に直接商品をお届け。社員とお客様、地域を「芯」に復興へ。
  • 商品の注文フリーダイヤルは24日(日)から再開。

 基礎化粧品「ドモホルンリンクル」で知られる再春館製薬所の本社と工場は、甚大な被害を受けた熊本県益城町に本社があり、地震で操業休止を余儀なくされました。同社の西川正明社長が、地震後初めてメディアのインタビューに応じました。
 現在、自ら本社に連日泊まり、再開に向けた陣頭指揮をとっています。従業員1000人を超える熊本県内有数企業は、「この危機を乗り切る」と矜持を語りました。(ヤフー株式会社 社会貢献推進室 森禎行)

社長が連日本社に泊まり込み。社員の避難所にも

Q:地震直後は、どのような状況でしたか

 14日夜の地震のときは、私は熊本市内の自宅にいました。家族は無事でした。
 近所の方はみな、公園などに避難していました。なかには女性と子供だけの家族がいたので、自分の家に避難してもらいました。

 それからすぐに、益城町の本社へ向かいました。
 すでに何人か社員が出社していて、余震の恐れがあったのですが、割れたり倒れた物を片付け、翌15日(金)には業務を再開しました。
 ただ、社員の家族や自宅の対応を優先させ、その日は昼すぎに営業を終えました。

Q:2回目の「本震」はどうでしたか

 自宅のソファで寝ていて、大きく揺れました。停電しましたが1時間ほどで電気はつき、水道も大丈夫でした。
 ただ「家の中にいるのが怖い」と家族は話していて、姉の子供を預かっていたので、より安全を考えて、私たちは会社に避難することにしたんです。



 その後は社員の安否確認を急ぎました。幸い社員は全員無事でした。

Q:工場や本社などの建物はどうでしたか

 建屋自体に大きな損傷はありませんでしたが、製品を保管するコンテナなどが倒れました。本社のコールセンターフロアも屋根が一部壊れ、現在のフロアは使えません。そのため、安全な場所を確保し、24日午前9時からフリーダイヤル業務を開始しました。



 もともと隣の西原村に、弊社の工場がありました。いまの益城町には2001年に工場を建て、2007年に本社も移転しました。約9万坪の敷地があります。

震災一週間後、初めて書いたブログ

こんにちは。西川です。
長らくご心配を頂いているにも関わらず、ブログを書く時間がなく 何も情報を発信できておらず申し訳ございませんでした。



数々のコメントやメッセージを励みとし、 ここ数日を過ごさせていただいております。

そして、この一週間、今回何を「芯」に持ち判断していくかを考えていました。 心の中に大きく二つ。



・ひとつめに社員の皆が一日も早く普通の生活に戻れるよう、120%応援、支援をしていくこと。
住まいを失った社員を支えることや、復旧まで必要なものがあれば何でも揃える努力もします。
・そしてふたつ目は、お客様の期待に応えること。
この数日で7,000人もの励ましのお声やご注文をくださった私たちを必要としてくださっているお客様に、 一日も早く商品をお届けできるように社員みんなで行ってまいります。

なかなか書けませんでした。(再春館製薬所社長 西川正明オフィシャルブログ「つむぎ」)(4月23日)

Q:何を「芯」に判断するかで、社員を第一にあげられました

 社員には震災後、まず家族優先ですごしてもらいました。幹部には集まってもらい、業務再開の体制を整え始めました。21日からは社員に出社してもらいました。
 当日は、社員および関係者およそ400名が集まり、「復旧にむけて自分たちで出来ることをやろう」と動き出しました。

Q:21日は大雨で、町全域に避難勧告が出ていました

 大雨の後の衛生管理が心配になり、避難所の濡れた床をふく掃除を行う社員がいました。同じ地域にある会社として、等身大の支援を考え、実行していきたいと思います。

Q:避難所にも訪問されましたね

 私も大きな避難所である「グランメッセ熊本」を訪問しました。3歳から5歳の子供が、地震の影響からか「赤ちゃん返りして、おねしょをはじめてしまった」という話も聞きました。そこで私も一緒になってビッグサイズのおむつやトイレットペーパーを届けました。

 会社名入りのビブスを着て訪問しましたが、避難所では現在弊社の製品をお使いのお客様にもお会いしました。
「いつから注文できますか?」
と私に話しかけられましてね。すぐに会社に戻って、かろうじて残っていた製品をお渡ししました。

「絶対に踏ん張り、危機を乗り切る」

 一部の社員やその家族は、現在でも益城町の本社で避難生活を続けています。社員である母親と一緒にボランティアで手伝いにきてくれた高校3年生が、支援物資のお菓子一つ一つに、手書きメッセージを書き、片付けを頑張る社員にエールを送ってくれました。

Q:全国には再春館製薬所の再開を心待ちにしているお客さまがいらっしゃいますね。

 東日本大震災では東北の会員様に「お見舞い」として、手紙がかけるようはがきなどと、カロリーメイトを届けたことがあります。今回は東北の被災地や各県のお客様から「頑張ってください」とのメッセージがたくさん届きました。
 弊社は、阪神淡路大震災から災害ごとにお客様にお見舞いをお送りする活動を続けてきていますが、今回は逆に応援のお声をいただき、大変ありがたかった。

 これからも社員全員で力を合わせて絶対に踏ん張って、危機を乗り切りたいと思っています。
 育てていただいた熊本や益城町に対しても、社員全員でできる限りの復興を一緒に行っていきたいと考えています。

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