【連載】 支援物資の現状は? 「避難場所」に届ける挑戦

最終更新:2016/5/2 0:34

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キーポイント

  • 益城町の避難場所では、水不足で苦労している施設もある
  • 一方、地震翌週から活動を始めた保育園も。敷地内では子供たちが遊ぶ光景も
  • 物資が「足りている」避難所と、「不足する」避難場所で支援の格差が生じている

 熊本市は23日、「必要とされているところにお届けするため、全力をあげる」として、救援物資の受け入れをいったん中断すると発表しました。実際、本当に必要な人まで届いているのでしょうか。震度7を記録した益城町で、福祉施設などに物資を届ける支援活動に同行し、現場や人々の表情、言葉をお伝えします。(ヤフー株式会社 社会貢献推進室 森禎行)

「初めてお風呂に」

 「水道タンクが壊れています。水が一番ほしいです」
 益城町の中心部の有料老人ホーム「くましき」では水不足が深刻です。町の大半の水道は止まっていて、復旧のメドはいまもたっていません。

 入所しているお年寄りは約40人。「くましき」施設スタッフはまさに不眠不休で頑張っています。施設の建物はしっかりしているため、近隣の住民も集まる「避難場所」にもなっていおり、物資が必要な場所です。訪れた私たち支援活動チームは、高齢者向けのおむつや、スタッフ向けの衣服を配ることができました。



 22日、ようやく風呂向けのお湯を大分県から調達し、震災後、温かいお風呂に初めて入ったとのこと。自治体は水の供給体制を整え始めていますが、飲み水などの苦労は続きそうです。

身動きできないお年寄りたちに届ける

「洗濯ができていないので、助かりました」
 私たちが訪れると養護老人ホームなどを運営する「花へんろ AKAI」の職員の方から声をかけていただきました。

 支援物資の提供は、職員や担当者に必要な物資の種類と量を確認し、実際に運んだ種類と量を記録していきます。

 別の「花へんろ」の施設では、水不足という事態はないものの、高齢者用の肌着などの要望が強くあがりました。

保育園に響く、子どもたちの声

 続いて私たちは益城町西部の広崎地区を訪ねました。
 2階建て民家の1階が押しつぶされるなど被害の激しい家も多く、「通行止め」の道路も多い場所です。



 そんな中、地震翌週の18日月曜日から、活動を続けている保育園がありました。

 平屋建ての建物は無事で、井戸水が出ていました。園長は「水が出るのはありがたい」とのこと。



 通常約50人の子供がいて、いまは約10人が保育園で遊んでいます。はだしで土の上をかけずりまわり、迎えにきたお父さんに向かって笑顔でかけ出す「日常光景」が印象的でした。

この保育園では幼児用のおむつなどを配りました。

物資を下ろせず、空振りの場所も

 現地では、いつでも物資を届けられるわけではありません。まずは電話でニーズの確認をしますが、「足りています」という回答の避難所も多くありました。

 連絡がついて訪問した施設でも、担当者が不在で物資をおろせないことも。また別の避難所を訪問すると、多くの子供用おむつや食料などが備えられており、こうした物資の需要と供給については刻一刻と変化していること実感します。

 連絡と物資運搬の方法をめぐり、手探りでの模索が続きます。

地域とともに生きる

 益城町広崎の障害者支援施設「熊東園(ゆうとうえん)」の副施設長、永田真澄さんは、届いた衣類を手に「ありがたい」と笑顔。

 「地域あっての施設」を目指す熊東園では、周辺住民にも地震直後から弁当を提供しているそうです。「15日から22日まで昼と夜の一日2回、提供を続けました。今後は炊き出しがあると助かります」。

 私たちヤフーの支援活動チームは連日、益城町をぐるりと回っています。
 人の多い避難所では「物資は足りている」との答えも多く聞かれましたが、そのほかの自然発生的にできている「避難場所」では、いまだ多くの物資が必要であり、細かな要望も多く聞かれました。



明日以降も現地の避難所やボランティアについて随時レポートしていきます。