【熊本地震】震度7の益城町、把握しにくい「避難場所」を歩く

最終更新:2016/5/2 0:35

写真・画像Yahoo! JAPAN

キーポイント

  • 現地では避難所以外で、自治体が把握できない「避難場所」が多い
  • そのため必要とする人に支援物資を届けるのが困難になっている
  • 「避難場所データベース」の作成など避難場所を把握する新たな取り組みが始まっている

広い駐車場や広場が事実上の避難所に

 今回の熊本県を中心とした震災で、同県益城町は史上初めて震度7を2回観測しました。
 地震から1週間が経ち、復旧に向けた動きが始まっています。現地から、現在の避難所やボランティアの最新状況などをお届けします。

 益城町最大級の避難所となっている総合体育館。その芝生広場に、白いきれいなテントが並んでいました。22日はあいにくの大雨。テントの中からは、子供同士がゲームなどして遊ぶ笑い声も聞こえます。こちらは被災した住民用のテントとなっています。



 テントの特徴は、ペットと一緒に暮らせる点です。NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」の救援チームが、20日から本格的に活動し、建設しています。体育館は、すべての廊下にもびっしり避難者がいて、通路はやっと1人通れる幅しかありません。避難者からはペット同伴のテントは「ありがたい」との声が上がっています。

 また、収容台数が100台を超える駐車場はいっぱい。空いているスペースには日中、ペットボトル、段ボール、自転車などでの「場所取り」が目につきました。昼間は買い物やお風呂などで不在なのです。お風呂は貴重で、自衛隊が用意した風呂を待つ列は長く、近隣の入浴施設には多くの車が立ち寄っています。



 こうした広い駐車場や広場は「避難場所」と呼ばれ、事実上の避難所となっています。各地に無数に点在していますが、自治体も把握しにくいため、現地では物資を必要な人に届けるのが難しくなっているのです。

「避難場所」を探し出せ!

 「避難場所」は一体、どこにあるのでしょうか。



民間支援団体のまとめ役を務める熊本市の三城賢士さん(33)は「熊本地震 熊本支援チーム」という団体を結成して物資の支援を続けています。その活動で得た情報をもとに、現在「避難場所データベース」を作成しています。

 状況は流動的で精査されていないものの、熊本市を中心に、避難所ではない「避難場所」を約300件把握しているといいます。
 
 美容室を借りた市内の拠点では、「物資を必要とする方向け」の専用電話を設置しました。記入シートを作り、詳細を書きこみます。発送先の住所や電話番号はもちろん、「昼の人数・夜の人数」「乳幼児数・高齢者数」まで記入する枠があります。データは毎日ストックされ、web上で記録を続けています。



 団体は、情報収集と物資配達のチームに加えて、個人宅など状況見回りのチームも、自発的に生まれているといいます。

 ですが、この団体では、23日必着で一時受け取りは終了すると発表しています。
 課題は「ニーズの確認に時間と人手がかかる」こと。避難所の閉鎖や移動もたびたびおきており、支援物資の種類や量、場所が刻々と変わっています。把握できていない「避難場所」の末端まで、どう届けるかが大きな課題となっているのです。

新しい取り組み始まる

 そこで、課題解決のため、小さな取り組みが始まりました。避難所や「避難場所」に自ら配るキャラバン隊の結成です。

 22日朝9時。益城町平田の倉庫に、グンゼの肌着が届きました。
 男性用、女性用、子供用などの肌着がサイズごとに届き、2トントラックに積み替えられました。加えて幼児用や大人用のおむつや女性用下着を詰め込みます。

 2トントラック3台が、小さな避難所を回りました。高齢者が多い場所では肌着が、赤ちゃんのいる家族が多い場所では、子供のおむつなどのニーズがありました。「衛生用品が足りていない」「紙コップがあると助かります」などの声も聞きました。水が出ていない避難所もあり、コインランドリーはいつも満杯。洗濯に困っている方が多くいるようです。
 
 午後には、さらに電話で直接ニーズを聞き取り、「避難場所」にも配り始めました。
 
 大量の物資を、本当に必要とする人にいかに届けるか。被災地ではこの大きな課題を前に、手探り状態ながら、前へ進む取り組みが始まっています。



(ヤフー株式会社 社会貢献推進室 森禎行)

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