1秒間に数万アクセス――地震発生時にYahoo! JAPANトップに現れる“あの枠”の裏側

 Yahoo! JAPANのサービスをご利用中に、サイトのトップに現れる「地震情報」や「津波情報」といった大きな枠を目にしたことのある方は少なくないのではないでしょうか。中には、地震とみられる揺れを感じてYahoo! JAPANを見に行ったら上記画像のような枠が出ていた……といった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。今回は、そうした有事の際に出現するこの枠「災害情報表示機能」の裏側をご紹介します。

きっかけは約10年前の新潟県中越地震

 「災害情報表示機能」枠で提供している情報は3種類あります。1つ目は「地震」、2つ目は「津波」、3つ目は「重大ニュース」です。いずれもトップページだけではなく、Yahoo! JAPANの各サービスページに一斉に出現します。テレビにたとえると、画面上部に地震情報や緊急ニュースが流れる「テロップ」のようなイメージに近いかもしれません。


 この枠の運用がはじまったのは2004年12月。新潟県中越地震(2004年10月)を教訓にスタートしました。当初は「地震」のみで、「津波」の提供開始は2005年6月。「重大ニュース」はことし2月から開始しました。
 地震情報は震度3以上が発生した際、津波情報は津波警報以上が発表された際に、気象庁からYahoo!天気・災害に提供いただいているデータが自動的に反映される仕組みになっています。
 一方、最近新たに設けられた「重大ニュース」は、Yahoo!ニュース編集部の判断によって掲出が決まります。「国民の生命や財産に影響を与える」とみられる重要なニュースが起こった際、Yahoo!ニュース・トピックスの編集を24時間体制で行っている編集メンバーが価値判断を行い、手作業で入稿します。

1秒間数万アクセスの負荷にどう耐えるのか

 ちなみに、この「災害情報表示機能」枠のリンク先はどのくらいのアクセスがあるのでしょうか。時間帯や災害の起こった地域や規模によって異なりますが、1秒間あたり数万単位のアクセスがあります。
 ことし2月17日午後1時46分ごろ発生した、岩手県沖を震源とする震度5強の地震を例にみてみます。このとき掲出された「災害情報表示機能」枠のリンク先の、Yahoo!天気・災害のページの時間帯別のPV推移を見てみると、地震の起こった午後1時台のPVは午後0時台の10倍超。膨大な量のアクセスが集中していることがわかります。

 通常なら、このようにアクセスが瞬間的に集中するとサイトが負荷に耐え切れずダウンしてしまう可能性もあります。そのような事態を想定し、「災害情報表示機能」枠からのリンク先には、あらかじめ高負荷対策が施されたキャッシュサイトが自動的に表示される仕組みになっています。


 また、ヤフーは国内複数カ所にデータセンターを置いています。サーバを分散させることで、どこか1つのデータセンターが災害で被害を受けて機能しなくなっても、他拠点でカバーできる仕組みになっています。

広告のない高負荷対策ページ

 高負荷対策ページと通常のページを比べてみると、高負荷対策は非常にシンプルなつくりになっています。その理由や「災害情報表示機能」枠に込められた思いなどについて、最近追加された「重大ニュース」機能の立ち上げを担当していた杉本康裕に聞きました。

――高負荷対策ページは非常にシンプルなつくりになっているが、よく見ると広告が入っていない

 高負荷対策ページは、膨大なアクセスが集中しても正しく表示させなければいけないため、できる限りの情報を削ってシンプルな作りにしなければいけません。「災害情報表示機能」枠は、有事の際に「国民の生命・財産を守る」ことを目的として設けられました。ヤフーは公共機関ではなくイチ企業ですが、膨大な数のユーザーにご利用いただいています。そのため、地震や津波といった命に関わる重大な局面では、公共性に資する情報を正確に届けることを第一に考えています。

――「重大ニュース」の運用が2月から始まった

 地震情報と津波情報は機械によって自動掲出されますが、「重大ニュース」の掲出判断はYahoo!ニュース編集部の人間が行います。そのメリットの一つとして、機械では判断できない「予測不可能な事態」にも対応できるということが挙げられます。自然災害だけではなく、テロなどの人的な脅威など、これまでの経験からは予測できない未曾有の事態が起こる可能性はゼロではありません。出番があってほしくない枠ですが、そういった事態にも柔軟に対応するために運用をはじめました。

――今後の課題は

 地震・津波だけではなく世の中には様々な種類の災害があります。ヤフーでは東日本大震災のあと、プッシュ通知でユーザーに災害情報をお届けする「防災速報」が生まれましたが、例えば火山情報に関しては、昨年の御嶽山の噴火を受けて配信の基準を「噴火警戒レベル4以上」から「噴火警戒レベル3以上」に見直しました。火山だけではなく、台風や土砂災害、河川の氾濫情報なども、まだまだ改善の余地があります。ちなみに防災速報の情報については、Yahoo!ニュースアプリやYahoo! JAPANアプリでも受け取ることが可能です。
 プッシュ通知などでユーザーにダイレクトに届ける「防災速報」の運用についても日々改善を行いながら、「災害情報表示機能」枠の運用も同時に充実させていくことで、ウェブでもアプリでも「災害情報に強いヤフー」と言っていただけるよう、有事の際に一人でも多くの命を救っていきたいと考えています。

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