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三菱商事の新たなチャレンジ「イノベーティブな仕事にはイノベーティブな組織が必要」

提供:三菱商事

最終更新:

温室効果ガス削減を定めた「パリ協定」の目標達成に向け、2050年までにCO2排出を実質ゼロにするため、三菱商事が取り組むのが「CCUS」だ。30代の若手社員を中心とした10人規模のグループ横断型のタスクフォースで挑む。AERA編集長の片桐圭子が聞いた。

パリ協定が示したCO2排出量削減目標を達成するための手段として、いま注目されているのがCCUS。二酸化炭素(CO2)を資源として考え、分離・回収し、地中に貯留したり、ポリエステルなどの化学品や燃料、コンクリートなどの鉱物に利用したりする取り組みだ。三菱商事のCCUS タスクフォースはグループ横断型チームであることも特色のひとつ。経験やバックグラウンドの全く異なる者同士でチームが結成されて2年。グループ横断型でチームが結成された経緯やメリット、その難しさや課題について奥村龍介さん、小山真生さん、小﨑知恵さん、中村富郎さんの4人のメンバーに取材した。

――なぜ、グループ横断的にチームを組んだのでしょうか。

奥村 CCUSというものを考えたときに、新しい産業そのものなのではないか、と。既存のビジネスとは少し距離をおいて、まずはまったく新しい産業として進めてみたほうが結果的に最終形に近くなるのでは、と思いました。

小山 知らない情報を知るためにも、他のグループの人とチームアップすることが必要でしたね。

写真左からオンラインで参加の奥村龍介さん(北米三菱商事会社 シリコンバレー支店エネルギー&カーボンマネジメント)、小山真生さん(三菱商事株式会社 金属資源グループCEOオフィスローカーボンタスクフォース)

仕事も働き方も新しい 組織もイノベーティブ

――奥村さんと小山さんがつながった最初のきっかけとは?

奥村 東京の担当者にお願いして、僕のやってみたいことに詳しそうな人、興味のありそうな人全員と社内Zoomでつないでもらいました。そこで小山さんはじめチームの皆さんと出会いました。

小山 このチームに参加してから、グループ外の人と話す機会のほうが多くなりました。上司の命令でなく、自発的な協力とか、何か面白いことやっていこうよっていう雰囲気がこの会社らしさ。結果的にこういうチームができたのも必然なのかな、と思います。

――みなさん、お仕事をかけもちしているということでしょうか。

小﨑 私は自分から希望してタスクフォースに参加したのですが、今は社内の理解もあり、この仕事をメインにさせてもらっています。

小山 僕も途中から専任でやらせてもらえることになりました。

中村 チームに入ったばかりですが、専任でやらせてもらっています。このようなチャレンジを会社としてもバックアップしてくれるのは、良いカルチャーだと思います。

――それぞれが専任でも、一つの部署にはしないのですね。

奥村 それぞれ違う場所にいることがオープンでイノベーティブな発想につながる部分もある。成長余地がより広がるのではと思っています。

――やりにくさは感じませんか?

小﨑 メンバーの仕事の状況は100%見えてこない。誰かがすごく忙しくて、マンパワーが足りないというときにも、気づきにくいですね。そこは定期的な会議や、周りを気遣うことでカバーしあっています。

小山 ただ、今はテレワークが多くなり、所属が同じだからといって毎日会えるわけでもない。そういう意味ではグループの壁や縦割りなどはあまり気にならなくなってきています。

写真左から中村富郎さん(三菱商事株式会社 総合素材グループCEOオフィス事業構想・デジタル戦略ユニット)、小﨑知恵さん(三菱商事株式会社 天然ガスグループCEOオフィスカーボンリサイクルユニット)

変化の激しい世の中で、産業の垣根を越えたビジネスもめまぐるしい勢いで生まれている。CCUSもまた、産業の垣根を越え、多くの業界関係者と関わるため、「総合格闘技」とたとえられる。多様な産業との接点を持つ三菱商事は、そのレンジの広さを十二分に生かせるという。

CCUS は「総合格闘技」 志を共に発信していく

奥村 最初、このチームを作るときに、どんな組織を設計したら、これから新規ビジネスを量産していくための再現性が生まれるかも議論しました。みんなスペシャリストですし、CCUSは総合格闘技なので、やっぱり機能的な組織にして、プロジェクトチーム体制にしよう、と思いました。

小山 最初、10人ぐらいでチームアップしましたが、今はすでにカジュアルに意見交換する人は社内に100人ぐらいいると思います。

中村 タスクフォース内には上司部下の関係がないので、方向性が定まらず停滞することもあるのかと思いましたが、実際にチームに入ってみると、皆さんが同じ方向に向かって全力で進んでいる。非常にうまく機能しているな、と思います。

奥村 僕らの仕事は面白いけれどやっぱりわかりにくい。発信力も大事だと思います。啓蒙的な「エバンジェリスト」の部分も求められている。今後の課題ですね。

写真左から片桐圭子(AERA編集長)、小山真生さん、小﨑知恵さん、中村富郎さん

※AERA 2021年3月15日号(3月8日発売)掲載