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2年に一度のチャンス「第4回日本サービス大賞」応募受付スタート

提供:公益財団法人日本生産性本部

最終更新:

■産業のサービス化が加速、製造業や農林水産業も

日本はGDPと雇用の7割をサービス産業が占めるサービス大国。いまや、サービス化の流れは業界や産業を越えて進んでおり、あらゆる産業のサービス化が進んでいる。たとえば農林水産業は6次産業化が加速しているし、製造業では高品質なモノそのものより、モノで実現するサービスが評価される時代だ。少子・高齢化と人口減少が急速に進む日本が経済成長を続けるには、サービスを軸としたイノベーションや生産性の向上が不可欠だろう。

2015年に創設された「日本サービス大賞」は、今までにない独創的なサービスや人々に感動を呼ぶような優れたサービスを表彰する、日本初かつ最高峰の表彰制度だ。主催するのは、サービス産業のイノベーションと生産性向上を推進するための産学官のプラットフォーム「サービス産業生産性協議会(SPRING)」。本協議会は、企業・労働組合・学識者の三者構成で生産性運動を展開する公益財団法人日本生産性本部が2007年に設立した。

■きらりと光るサービスにスポットライトを「日本サービス大賞」

2年に一度審査・表彰を行う「日本サービス大賞」の対象は、「革新的な優れたサービス」。日本国内に拠点を置く事業者なら誰でも応募でき、業種や事業の営利・非営利は問わない。また応募や審査は無料だ。

これまでの3回で79のサービスが栄誉を受けており、その顔ぶれは地方の中小企業やNPOなど多彩。しかし、中には「うちはサービス業ではない」「新しい取り組みじゃないから」という事業者もいる。せっかく優れたサービスを提供していても、応募に至らないのはもったいない。日本各地の優れたサービスを日本全国に伝えることで、人を笑顔に、地域を元気にしていくことがこの賞の狙いだ。今回は第3回の受賞サービスから、ユニークな事例を紹介しよう。

■本業6割・ボランティア4割、不動産会社の交流型地域活動(地方創生大臣賞、千葉県)

まずはまったく新しい発想で地域創生に取り組んだ事例を紹介しよう。千葉県の九十九里地域にある不動産会社、大里綜合管理株式会社が本業である土地の管理や売買の仲介に費やすのは全就業時間の約6割。「仕事時間の4割を使ってボランティアしている会社なんてない。とよくいわれてきました」と話すのは会長の野老真理子さん。

現在300を超える交流型の地域活動を展開。駅前での朝の交通整理、歩道の清掃、沿道での花植え、ピアノコンサート、就労支援など、地域の「困った」や「やりたい」に住民や行政と取り組んできた。社屋も開放し、地域のコミュニティセンターのようになっている。

本業と社会貢献を一体化させたユニークな経営を推進するのは、不動産を単なる「モノ」ではなく、有機的な「暮らしの場」と捉えているから。地域活動によって地域の価値を高めることが、長い目で見れば本業の成功にもつながると考えているのだ。地域活動のうち30は「ナノビジネス」として粗利黒字を確保し、会社も1975年の創業以来、黒字経営を堅持。地域活動というサービスで地域の活力を引き出している。

1994年から住民と一緒に多様な地域活動を展開

■徹底的なカスタマイズで「歩ける喜び」を届ける介護シューズ(経済産業大臣賞、香川県)

地道なモノづくりが評価された製造業の事例もある。香川県の徳武産業株式会社は、つまずきにくく安心して歩ける「あゆみシューズ」を25年前に開発。高齢者や障がい者など歩くことに不安をもつ人に、歩く喜びを提供してきた。

パーツオーダーシステムで、好みの足の幅や靴底の厚さなどを選べるほか、片足ずつの販売や左右サイズ違いの販売にも対応。顧客の悩みを丁寧に聞き、使用状況を細やかに観察。部分カスタマイズや個別対応を通じて技術も磨いてきた。

一番大事にしているのは「お客様の心に寄り添い笑顔になっていただける商品やサービス」だという社長の西尾聖子さん。高齢者や障がい者に寄り添った実直な靴づくりが感動を呼び、顧客から届いた礼状は3万通にも上る。高齢者にとって転倒は致命傷になることもあり、間接的には介護負担軽減や医療コスト削減にも大いに貢献している。

介護シューズ全国シェアは数量ベースで55%を誇る

■伊勢神宮おひざ元の老舗食堂が先端IT活用で経営を再建(地方創生大臣賞、三重県)

地方の老舗が攻めのIT活用で経営再建に成功した例もある。三重県の伊勢神宮おはらい町で100年以上続く「ゑびや大食堂」を営む有限会社ゑびやだ。業績が低迷していた2014年に事業を引き継いだ現社長の小田島春樹さんは、「来客予測システムであるTOUCH POINT BIの開発によるデータ経営で自社の経営難を乗り越えました」と振り返る。

自社開発したシステムは、POS 情報や入店者情報、アンケートなどに加えて、通行量や画像データ、天気予報などのデータを分析し、お客様の行動予測や経営の見える化を実現。スタッフはそれをもとに、状況に応じて入店案内をしたり、米を炊く量を調整したりできるようになった。勘だけに頼るのではない最適なオペレーションによって、売り上げは3年間でなんと約4倍に。

さらにシステムを改良して汎用化し、ほかの飲食・小売店へ外販することで新たな収益源を確保した。リーズナブルで使いやすいため、大手デベロッパーが街中活性化ツールとしても活用している。

スタッフがデータを見て自主的に動く環境を形成

■食品ロス削減のための新マーケット創出でSDGsに貢献(農林水産大臣賞、東京都)

SDGs(持続可能な開発目標)の視点から、これまでなかった新しいサービスを生み出した例もある。株式会社クラダシが2015年2月に開始したサービス「KURADASHI」は、賞味期限が間近の食品など、何もしなければ廃棄されてしまう商品を売買できる日本初の社会貢献型フードシェアリングプラットフォームだ。食品と飲料を中心に、生鮮品や化粧品の扱いもある。売り上げの一部は社会貢献団体に寄付される。

協賛企業は社会貢献に熱心だというブランド価値を高められ、消費者はお得なショッピングで社会貢献ができ、社会貢献団体は活動資金を得られる。まさに「三方よし」のスキームだ。

食品ロス問題への社会的関心を集め、日本のSDGsをリードしてきた同社。「"もったいないを価値へ"をモットーに、廃棄されるモノに新たな価値をつけて再流通させる1.5次流通という新しいマーケットを創出しています」と社長の関藤竜也さん。新品(1次流通)でも中古品(2次流通)でもない1.5次流通へは、新たな参入事業者も増えている。

会員約15万人、協賛企業は800社を超える(2021年2月現在)

■優れたサービスがポストコロナの社会を切り拓く

そしていよいよ第4回。今回の「日本サービス大賞」について、村上輝康委員長は「新型コロナ危機という誰も経験したことのない環境変化の中、『革新的で優れたサービス』に元気と英知をもらいたい、という想いに応えるのが今回の日本サービス大賞です」と述べている。受賞事例は、多くの事業者にとって、これからの時代を生き抜くためのサービス向上・改革のヒントになるだろう。

過去の応募企業や団体からは、「応募書の作成を通じて、自分たちのサービスの特徴や課題を振り返ることができ、新たな気づきが得られた」という声も多い。コロナ禍やデジタルトランスフォーメーション(DX)を背景に、新たなサービスが次々に生まれている今、魅力や創意工夫あふれるサービスを手がけるみなさんに、ぜひ応募してほしい。