2021年7月、Yahoo!ニュースのコメント欄で、学校に行きたくないと思ったことはあるかたずねたところ、コメント欄には、「自分が大嫌いになった」「行きたいのに行けず矛盾に苦しんでいる」などの体験談が寄せられた。
「休みたいに共感」などつらいなら学校へ行かなくてもよいという意見も多く、子どもに寄り添った考えが広がっているとわかった。
記事タイトル【みんなで考えよう】「学校に行きたくない」って考えるのはダメなこと?
の2021年7月21~29日の2747件のコメントを使って作成
Yahoo!ニュースのコメント欄には、
学校に行かない選択をした「先輩」たちから、こんな声が届いてます。
理由は担任教師にいじめに近い感じの扱いを受けたから。1ヶ月くらい不登校したら精神が回復して自然に登校できた。
ちなみに不登校しても復帰した後は普通に学校生活を送れたし担任教師からの攻撃も無くなって無事卒業できました。
学校は先生の目の届かないところで色んな事があります。学校は、嫌な事に耐えて忍耐をつけるところではなく、人生の幅を広げるところ。行くかどうかも選択できる世の中にしていきましょう。
当時の自分は「学校に行きたくない」と「学校に行きたい」の両方が交互に頭の中を回転し続けるような複雑な感情で毎日を過ごしていました。
当事者は「学校に行けばプラスの面があるかもしれない」ということを理解していながらも、行けないという大きな矛盾に苦しんでいます。
罪悪感、劣等感で、自分や学校が大嫌いに。でも、世界は広い。居場所は学校だけではありません。一歩外に出て世界を見てみるといいと思います。ちなみに、今みんなに1年遅れて通信制高校卒業にむけて頑張っています。
私が学校へ行けなくなった理由。
この漫画は実際の学生の声を元にしたフィクションです。
「友達と、
うまくいかない。」
ずっと仲良くしてきた友達。急に嫌な行動を取り始めて...。無視、陰で悪口。何も悪いことをした覚えがないのに、なんで?
「勉強がつらい。」
小学校高学年ぐらいから宿題が増えてきて、学校に行くのがしんどくなった。でもいい成績を取らなきゃと、大好きな絵を描くのもやめて頑張ってきたけれど...。
「朝、
起きられない。」
朝、目が覚めると頭が痛くて気持ちが悪い。立つとめまいが...。大事なのはどんな薬を飲むかではなく、何が起きて朝がつらくなったのかだった。
学校は行った方がいいと思う?思わない?
Yahoo!ニュースのコメント欄の、7月29日時点のコメント2747件のうち、
別の趣旨での回答はカウントせず、上記の趣旨を含んだコメント1608件で作成。
「学校に行かなくてもいい」とのコメントが半数に迫る結果となった。
行かなくてもよいとの回答の中には「勉強をしっかりするのなら」というものが多かった。
学ぶことはどこでも、どのタイミングからでもできるという意見が多数見られた。
コロナ禍で、インターネットを使った学びも普及し始めていることへの言及も複数あった。
約2割となった「行った方がいい」とのコメントの中には、
行かないよりは行く方が、メリットが多いなどの意見があった。
「どちらとも言えない」のコメントの中では、
一番多かったのが「行きたくない理由による」というものだった。
学校へ行かないことは
国から認められているよ!
石井 志昂
Shiko Ishii
1982年東京都生まれ。中学2年生から不登校。同年、フリースクールへ入会。19歳から「不登校新聞」のスタッフ。2006年から同紙編集長を務める。これまで不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材をしてきた。
ただ、国は現場を変えようと、2019年にはこれまでの学校復帰を前提とした通知を廃止して、新しい通知を出したんだ。
新しい通知では「学校復帰よりも社会的自立が目標」と明確にうたっているんだ。学校が苦しいときは行かないで、自分で勉強したとしても、大丈夫なんだよ。
心配しすぎなくても色々な道があるよ。今、どうしても学校に行きたくないなら、将来を心配して我慢しすぎる必要はない。
Yahoo!ニュースのコメント欄には、
学校に行くことに抵抗を感じている子どもと向き合った親や先生からの声も寄せられた。
どのように感じ、どう受け止めたのか。
「学校に行きたくない」と思っている学生はどのぐらいいるのでしょうか。
現役中学生を対象に行われた調査から「約10人に1人が不登校傾向」であることがわかっています。
不登校・不登校傾向にある中学生は?
現役中学生 6450人に行った調査では ―
不登校
3.1%不登校傾向
10.2%不登校ではない
86.7%「不登校傾向にある子どもの実態調査」(日本財団、2018年)を元に編集部で図表作成。
学校に行かなくなった / 行けなくなった理由は?
不登校状態にある小中学生 18万1272人に行った調査では ―
「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(2020年、文科省)を元に編集部で図表作成。理由は「主たるもの」にしぼっている。
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学校に行かない選択、どういうものがある?
ー 小・中学生の場合 ー
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自宅で過ごす/学ぶ
学校の指導内容と連動した通信教育もあります。
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フリースクールに通う
不登校の小中高生が学び、友達と過ごす場のこと。入学資格はなく、異なる年齢の子どもが集まります。決まったカリキュラムはありません。
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教育支援センターに
通う不登校の中学生などを対象者としてサポートするための施設です。
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日数を減らして
学校に通う
どれか1つだけ選択するというよりも、多くの小中学生は「自宅」「フリースクール」「教育支援センター」「日数を減らして学校に通ってみる」をそれぞれの状況にあったやり方でとりいれています。たとえば週2日は自宅、週2日が教育支援センターやフリースクールに通う、もう1日は学校に通ってみるなどのやり方をしている子もいます。
ー 高校生の場合 ー
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通信制の高校に
転校する -
フリースクールに通う
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塾に通う
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日数を減らして
学校に通う
高校生の場合、通信教育で学習できる高校が増えています。不登校の生徒を受け入れている学校も多いので、自宅で勉強をすることもできます。また、高卒認定試験を受ける人も多いです。塾などに通う人や、フリースクールで同じ状況にいる子と過ごす人もいます。
自分が不登校したときは、人生終わったと思いました。
でも少しだけ時間がたつと、不登校で人生は終わんなかったんですよね。
学校に行きたくないって、命に関わること。
学校と肌が合わないと思ったら、生きる気力が失われる。自尊心も傷つけられる。
私はここには行きたくないって、勇気を出して周囲に伝えてほしいですし、
周りの人に言いたいのは、「学校に行きたくない」ということを言いやすい環境、
これをつくってほしいんですね。人生で、もっと大事にしていいことがあります。