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Yahoo!ニュース参院選特集の編集部が選んだ注目の”選挙のギモン”- Q.
いずれオンラインでの投票ができるようになるんでしょうか? #選挙のギモン
専門家林 尚行さん
朝日新聞政治部長A.現在の国政選挙の投票方式は「自書式」と呼ばれ、候補者名や政党名を有権者が書き込みます。開票作業では、確認に多くの人手と時間がかかります。読みづらかったり、書き損じたりしたものは「無効票」にされてしまうリスクもあります。それだけに、オンライン投票の導入を求める声は少なくありません。政策として掲げる政党も出てきました。 ただ、道筋は簡単ではありません。ネットを使ったオンライン投票の「手前」のような方式として、これまで複数の自治体の、いわゆる地方選挙では、投票所でタッチパネルを使うなどした電子投票が行われました。ただ、これすら一筋縄ではいきません。サーバーが過熱してダウンし、投票を待たされた多くの有権者が帰ってしまうというトラブルも発生。総務省が2020年に出した「電子投票システムに関する技術的条件及び解説」では、「コスト面、国政選挙への未導入、技術的信頼性への不安等により必ずしも導入が進んだとは言えない現状にある」と指摘しています。 ネットを使ったオンライン投票となると、技術的なハードルはさらに上がるでしょう。基礎的なインフラ環境の充実のほか、「なりすまし」や「二重投票」をどう防ぐか。国権の最高機関である国会議員を選ぶ仕組みだけに、国会で十二分な議論が行われているともいえず、実現にはまだまだ時間がかかるというのが実情です。