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読書好きで知られる著名人のみなさまに、おすすめのノンフィクション本を
教えてもらいました。順次ご紹介していきます。

たられば
たられば
編集者
出版社にて雑誌→書籍→Web編集者/Twitterフォロワー数16万3000人/関心領域は本、雑誌、SNS、平安朝文学(清少納言と紫式部)、働き方、犬、FGO。だいたいニコニコしています。
本のタイトル
ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。
幡野広志/ポプラ社
がん(多発性骨髄腫)にかかった写真家が家族について書いた本......ではありますが、それだけでは、まるで『源氏物語』について「男と女の話」と紹介するような雑さ具合です。言葉が足りな過ぎて冒涜している。人は必ず死にます。それは選ぶこと(避けること)が出来ません。では、何なら選ぶことができるのか。「選べない」と思ったものでも選ぶことができるんじゃないか。たとえば家族とか。生き方とか。この痛みの意味の捉え方とか。そういうことが、丁寧に丁寧に書かれています。
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牧村朝子
牧村朝子
文筆家
"読まなければ大人に褒めてもらえない"と読書する幼少期を経て、"書かなければなかったことにされるものをとどめたい"と文筆家に。著書『百合のリアル』他、出演「NHKハートネットTV」他。愛称「まきむぅ」
奄美の債務奴隷ヤンチュ
奄美の債務奴隷ヤンチュ
名越護/南方新社
"日本一の貧乏殿様"の借金のため、そこの島のみなさん、奴隷になってもらいます......。タブーとされ、歴史の闇に葬られかけた奴隷たちを、島に生まれた元記者がそのペンと取材力で蘇らせる一冊です。悪人をおっぱいで追い払う詩人に、"俺らは猿だ"と踊り狂う集団。自由を奪われた奴隷同士の許されざる恋、解放を求め無抵抗で殴られ続ける青年。41ページの馬鹿尻の話だけでも読んでほしい。マジでつらい。でも、それでも......!
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武田砂鉄
武田砂鉄
ライター
1982年生。2015年、『紋切型社会』で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。他の著作に『芸能人寛容論』『コンプレックス文化論』『日本の気配』などがある。TBSラジオ「ACTION」金曜日パーソナリティーを務める。
ずばり東京
ずばり東京
開高健/光文社
もうすぐ東京五輪が開催されるが、それにかこつけて、長らく存在していた建物や風景をリセットし、新しい街が享楽的に膨張していく様子を見ると、ワクワクよりイライラする。なぜって、歴史を、生活を、人間を軽視しているように思えるから。1964年の東京五輪開催を前に色めき立つ東京の街を歩き、社会の底で辛うじて息をする人などの声を拾い上げたルポルタージュ。世の中が混乱している時に必要なのは、人間の声を聞くこと。現代への警鐘としても読める。
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ネゴシックス
ネゴシックス
芸人
1978年、島根県生まれ。NSC22期生。「R-1ぐらんぷり2003」準優勝。2006年に「第27回ABCお笑い新人グランプリ」審査員特別賞受賞。現在は、イラストレーターとしての活動にも注力。「バキバキ画」と呼ばれる独自のタッチのイラストで、個展・ギャラリーを実施している。
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー
池田 浩明, ワッキー貝山/双葉社
今年で41歳になる。10歳の頃は本当にあった事なのか? と思えても来たりする。でも確かにそうだったと思い出せる。たかだか30年前の記憶なのに曖昧だ。コスモスの自販機が全国各地にあった。が、しかし一斉に姿を消した。様々なトレンドがガチャに詰め込まれていた。流行りの物から実体の無い物までもがカプセルに。それは勝手に作り出された品々。おそらく許可なく。パクリという単語があったのか無かったのか。とりあえず似せたものが入っていた。本物が手に入らない僕らは、コレで欲しい思いをやり過ごせたという現象が本当にあったのだという証拠の本である。
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SKY-HI
深爪
コラムニスト/主婦
コラムニスト/主婦。独特な視点から繰り出すツイートが共感を呼び、ツイッターのフォロワー数は17万人超(2019年7月現在)。著書『深爪式 声に出して読めない53の話』他。「立て板に泥水」(女性セブン)連載中。芸能、人生、エロ等、執筆ジャンルは多様。
サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う(鈴木智彦/小学館)
サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う
鈴木智彦/小学館
「密漁品」は裏ルートで取引されているもの、と思い込んではいないだろうか。本書によればその多くは堂々と表ルートで売られており、消費者は知らぬまに共犯者になっているという。「へー、ヤクザは意外なところで金儲けしているんだなあ」と完全に他人事として読み始めたら、思いっきり自分が当事者だったという衝撃のオチ。著者の築地市場への潜入ルポは生々しく、あたかもこの目で裏社会を覗き見ているような感覚に陥る一冊だ。
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いとうせいこう
いとうせいこう
作家/クリエーター
1961年生まれ、東京都出身。1988年に小説『ノーライフ・キング』でデビュー。1999年、『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞、『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞受賞。近著に『鼻に挟み撃ち』『我々の恋愛』『どんぶらこ』『「国境なき医師団」を見に行く』『小説禁止令に賛同する』『今夜、笑いの数を数えましょう』などがある。
国境の医療者(メータオ・クリニック支援の会(編集) 渋谷 敦志(写真)/新泉社)
国境の医療者
メータオ・クリニック支援の会(編集) 渋谷 敦志(写真)/新泉社
タイとミャンマーの国境の町メーテオ。そのタイ側に開かれた医院での十年にわたる国際ボランティアの詳細を、実際に日本から出かけて勤めた看護師、医師たちが各々手分けして書くというスタイル。これが実に多彩で、しかも当然リアリティに満ちていて単純に読み物としても優れていると思う。また、私も『国境なき医師団を見に行く』の著者として、こうした国際ボランティアの行動を深く尊敬し、応援する。
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石戸諭
石戸諭
記者/ノンフィクションライター
1984年東京都生まれ。2006年から毎日新聞、BuzzFeed Japan記者を経て2018年4月に独立。現在は雑誌、ウェブなどで執筆する。ニューズウィーク日本版特集「百田尚樹現象」が話題になった。単著に『リスクと生きる、死者と生きる』。
沢木耕太郎ノンフィクションIII 時の廃墟(沢木耕太郎/文藝春秋)
沢木耕太郎ノンフィクションIII 時の廃墟
沢木耕太郎/文藝春秋
社会を語るために「意見」が重視されるようになった。「意見」はわかりやすく、力強いほうが良しとされる。だが、社会はそんな単純に語れるものだろうか。先達たちは、そうは考えなかった。対象と向き合い、事実を丹念に積み上げ、自身と格闘して言葉を探す。同書に収録された短編の特徴は古びていないことにある。どの作品を読んでも、時代を超えた描写の力がある。ここにノンフィクションの基本がすべて詰まっている。
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清田いちる
清田いちる
サービス企画屋&さすらいの編集長
サービスやメディアの立ち上げやブランディングが得意。企画したサービスは「ココログ」「ShortNote」「Zenback」など。編集長を務めたメディアは「ギズモード」「bouncy」など(いずれも初代)。個人ブログは「小鳥ピヨピヨ」。
ドキュメント 戦争広告代理店(高木徹/講談社)
ドキュメント 戦争広告代理店
高木徹/講談社
1990年代半ばの「セルビア人による民族浄化」が、実は米国のPR代理店が仕組んだキャンペーンだったと知ったら、どう思われますか?『戦争広告代理店』は、ボスニアに雇われたPR会社が、誰の注目も浴びていなかった同紛争を話題にし、マスコミや国際政治を動かし、世論を誘導し、ついには戦争を勝利に導いた顛末がまとめられた、迫真のドキュメンタリーです。彼らのノウハウには、驚かされ、また、深く頷かされました。
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ヨッピー
ヨッピー
フリーライター
「シムシティで市長と対決する」「京大吉田寮を掃除する」など様々なバズ企画を手掛けるフリーライター。 「オモコロ」「Yahoo!ニュース個人」「SPOT」など様々な媒体で活躍中。TwitterのIDは@yoppymodel
アヘン王国潜入記(高野秀行/集英社)
アヘン王国潜入記
高野秀行/集英社
「世界最大の麻薬生産地『ゴールデントライアングル』に潜入し、現地の村人と一緒にアヘンを生産しつつ、自分も立派なアヘン中毒になる」というぶっ飛んだ内容なのですが、一般的なノンフィクション本のような「観察者」の視点ではなく、地域のコミュニティに入り込んで「当事者」としての視点から、コミカルに、そして愛を持って書かれる珍道中は本当に中毒性が高いのでこれを読んだ人は全員、確実に、間違いなく読んでください!
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古谷経衡
古谷経衡
文筆家
1982年北海道生まれ。日本ペンクラブ正会員。主著『愛国奴』『日本を蝕む極論の正体』『意識高い系の研究』『若者は本当に右傾化しているのか』など多数。TV・ラジオコメンテーターとしても活躍。
沖縄決戦 高級参謀の手記(八原博通/中央公論新社)
沖縄決戦 高級参謀の手記
八原博通/中央公論新社
沖縄の基地問題が巷間、大きな話題になっている。基地に対して賛成の者も、反対の者も、絶対に読まなければならない本。本書は、先の戦争中、沖縄守備隊(第32軍)の陸軍高級参謀として、沖縄戦を最初から最後まで体験してきた八原博道氏が、戦後に回顧録として残したものだ。沖縄守備隊は玉砕し、司令部で生き残ったのは八原氏しか居ない。日本軍から見た貴重な歴史の記録であると共に、沖縄戦とは何だったのか、という根本的理解になくてはならない本。
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柿内芳文
柿内芳文
編集者
編集者。1978年生まれ。「知の入り口」の編集力を武器に、これまで『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『嫌われる勇気』『漫画君たちはどう生きるか』等を編集。株式会社STOKE代表。ツイッター@kakkyoshifumi
垂直の記憶(山野井 泰史/山と渓谷社)
垂直の記憶
山野井泰史/山と渓谷社
こんな本、反則だろう。登山家という狂気最上位な生き様の、日本最高峰の人間が、ありえないくらいスルスルと読める平易な文章で、絶対に港区なんかに住んでいては見ることも触ることも感じることすらできない登攀という異次元世界(無意味に皆死ぬ!)に、たった数百円で、一瞬で、連れ去ってくれるなんて。上質な自伝は最高の物語体験に匹敵するし、そのリアリティはVRなんて軽々と超えてくるから、自分のちっぽけな世界観をぶっ壊す意味でも年に一回は体験しろと、後輩に必ず渡す本だ。
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SKY-HI
SKY-HI
ラッパー/アーティスト
日本のラッパー、アーティスト。AAAのメンバーとしても活動し、SKY-HIソロとして国内外で活躍中。9月4日にはラッパーSALUとのコラボアルバム、SKY-HI×SALU 「Say Hello to My Minions 2」をリリース予定。
春になったら莓を摘みに(梨木香歩/新潮社)
春になったら莓を摘みに
梨木香歩/新潮社
イギリス郊外の下宿先で出会ったウェスト夫人が、様々な人種、宗教、思想の人たちを、時に頭を悩ませながら、「理解はできないが、受け入れる」という様を書かれたものです。 "多様性"は現代社会においてとても大事なテーマだと思うんですが、その大切さをただ説くのではなく、この本の向こうで確かにそういう人間が生きている、そして作られたドラマによって理解を深めていくのではなく、ただ彼等全てが生きている事を、その息吹を文字の向こうから感じられる、今だからこそ全ての人間に読んでほしい本です。
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2019年度のノミネート作品は全6冊。全国の書店員による投票で、大賞が決まります。