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ノミネート作品発表

『安楽死を遂げた日本人』/宮下洋一(小学館)
『吃音:伝えきれないもどかしさ』/近藤雄生(新潮社)
『牙:アフリカゾウの「密輸組織」を追って』/三浦英之(小学館)
『ストーカーとの七〇〇日戦争』/内澤旬子(文藝春秋)
『東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか』/中村淳彦(東洋経済新報社)
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』/ブレイディみかこ(新潮社)

全国の書店員さんの一次選考で、6冊のノミネート作品が決まりました。
最終選考(二次選考)では書店員さんたちがノミネート作品をすべて読んだ上で、
各自3作品に投票します。選ばれるのはどの作品? 大賞の発表は11月です。

  • 安楽死を遂げた日本人

    宮下洋一(小学館)

    安楽死を遂げた日本人

    出版社からのコメント
    ある日、筆者に一通のメールが届く。〈寝たきりになる前に自分の人生を閉じることを願います〉。送り主は神経の難病を患う50歳女性。筆者が過去取材したスイスの安楽死団体への入会を望む。昨年9月、実際に彼女に面会すると、「安楽死は私の最後の希望の光」と言われた。一方で筆者は思う。あの笑顔と知性があれば絶望から抜け出せるはず――。患者、家族、筆者の葛藤をありのままに描き、日本人の死生観を揺さぶるドキュメント。

  • 吃音 伝えられないもどかしさ

    近藤雄生(新潮社)

    吃音 伝えられないもどかしさ

    出版社からのコメント
    <日本に100万人もいるのに、彼らを孤独に追いやる「どもる」ことの軋轢とは。>頭の中に伝えたい言葉ははっきりとあるのに、相手に伝える前に詰まってしまう----それが吃音です。店での注文や電話の着信に怯え、伝達コミュニケーションがうまくいかないことで、離職、家庭の危機、時に自殺にまで追い込まれることさえある......自らも悩んだ著者が、丹念に当事者たちの現実に迫るノンフィクションです。

  • 牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って

    三浦英之(小学館)

    牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って

    出版社からのコメント
    アフリカで、年間3万頭以上のゾウが、牙を抉り取られて虐殺されている。密猟者の目的は「象牙」だ。元アフリカ特派員の筆者は、国際密猟組織の中枢への取材を始める。密猟で動いたカネが過激派テロリストの資金源になっている実態に迫り、背後に蠢く中国の巨大な影を見つける。そして問題は、象牙の印鑑を重宝する私たち日本人へと繋がっていく。虐殺の「真犯人」とは誰なのか――。第25回「小学館ノンフィクション大賞」受賞作。

  • ストーカーとの七〇〇日戦争

    内澤旬子(文藝春秋)

    ストーカーとの七〇〇日戦争

    出版社からのコメント
    「週刊文春」連載時から大反響を呼んだ、筆者自身のストーカー被害をめぐるリアルドキュメント。ネットで知り合った男性との交際から8ヶ月、別れ話を機に恋人はストーカーに豹変します。執拗なメール、ネットでの誹謗中傷......悪夢の神経消耗戦が始まります。警察対応の現実から、弁護士とのやりとり、示談交渉の落とし穴まで、知られざる被害者側の実態を記し、ストーカーの医学的治療の必要性を問いた迫真のノンフィクションです。

  • 東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか

    中村淳彦(東洋経済新報社)

    東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか

    出版社からのコメント
    普通を求めて風俗で働く女子大生、理不尽なパワハラに耐える派遣OL、離婚を機に転落した高学歴シングルマザー...、様々な貧困女性の声なき声を、3年間にわたり聞き続けた。今、東京だけでなく、地方でも、貧困に喘ぐ声が広がっている。解決策は簡単には見つからない。でも、彼女たちの声を聞くことはできる。本書を、貧困を自分事として考えるキッカケにしてほしい。著者、編集者、そして話をしてくれた彼女たちも、そう願っている。

  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

    ブレイディみかこ(新潮社)

    ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

    出版社からのコメント
    <大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく>優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学校は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり......。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていきます。落涙必至の等身大ノンフィクションです。

おすすめノンフィクション本

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おすすめのノンフィクション本を教えていただきました。
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pha
江川紹子
ジャーナリスト
東京都生まれ。神奈川新聞記者を経てフリーランス。司法や災害、政治、メディア、カルト問題など、社会の様々な事柄について取材したり執筆したりしている。近著に『「カルト」はすぐ隣に』。TwitterのIDは@amneris84
ドキュメント 戦争広告代理店
ドキュメント 戦争広告代理店
高木徹/講談社
情報を制する者が戦いを制する―それは、戦争を含む国際政治においても然り。ボスニア紛争の裏で展開された情報戦を描いた本書は、アメリカのPR会社がどう国際世論を形成し、勝者と敗者を作っていったかを、生き生きとダイナミックに再現する。情報操作の手法は今、さらに洗練されているはず。日々、様々な情報に接する私たちは、この現実を知っておきたい。それに、本当は日本政府もこういう情報のプロの助けが必要なのでは?
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pha
笑い飯 哲夫
芸人
1974年、奈良県生まれ。関西学院大学文学部哲学科卒。2000年に漫才コンビ「笑い飯」を西田幸治と結成。2010年に「M-1グランプリ」優勝。著書に仏教本『えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経』、小説『銀色の青』などがある。TwitterのIDは@waraitetsuo
有罪捏造
有罪捏造
海川直毅/勁草書房
俗に言う、オヤジ狩り事件で捕まえられた少年グループの、冤罪を晴らすまでを描く法廷サスペンス。いかにして少年たちの有罪がつくり上げられたか、また、冤罪を晴らすためにはどれほどの労力と時間が必要であるか、実際に弁護士として事件に携わった著者の、生々しい視点から教えてもらうことができる。現場に入り込みやすい臨場感のおかげで、読み終わった後には、おつかれさんのホットコーヒーをいただきたくなる。アイスコーヒーも、よい。
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pha
pha
作家
1978年、大阪府生まれ。自由な生き方がフジテレビ「ザ・ノンフィクション」で取り上げられ話題に。著書に『がんばらない練習』『しないことリスト』『持たない幸福論』などがある。TwitterのIDは@pha
うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
先崎学/文藝春秋
あのいつも飄々としている先崎さんがうつ病になるなんて......。エッセイの名手として知られる著者が自身の発症から回復までを冷静に観察したレポート。思考能力の低下が将棋の棋力で測れたという部分が面白かった。例えば普段なら一秒で解ける詰将棋が10分かかっても解けないとか。あと、精神科医である著者の兄が毎日のようにLINEで「必ず回復します」とだけ送ってきたという話が良かった。短いけれど心強い言葉だ。
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井出留美
井出留美
食品ロス問題ジャーナリスト
近著『食品ロスをなくしたら、1か月5,000円の得!』、『賞味期限のウソ』。第2回食生活ジャーナリスト大賞、Yahoo!ニュース 個人「オーサーアワード2018」受賞。TwitterのIDは@rumiide
日本の食と農 危機の本質
日本の食と農 危機の本質
神門善久/NTT出版
著者が強調する「消費者エゴ」。コンビニやスーパーは「商品がないと客に迷惑をかける」という理由で「欠品したら取引停止」をメーカーに課す。消費者は商品棚の奥に手を伸ばして新しいものを取り、手前が売れ残る。その処理費の一部は税金だ。著者は、食と農の問題の本質は消費者の怠慢と無責任であると指摘する。便利を享受する裏側で、消費者自身が知らずに膨大なコストを課せられている事実にそろそろ気づく必要があるだろう。
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スピードワゴン 小沢一敬
スピードワゴン 小沢一敬
芸人
1973年10月10日生まれ、愛知県出身、お笑いコンビ「スピードワゴン」のボケ担当。9月21日〜22日東京、10月5日〜6日大阪にて舞台「a livehouse〜そこから星が見えますか?〜」に出演。TwitterのIDは@ozwspw
証言 イチロー 「孤高の天才」の素顔と生き様
証言 イチロー 「孤高の天才」の素顔と生き様
別冊宝島編集部/宝島社
今年イチローが引退した。愛知県で育ち同い年の僕はずっとイチローに憧れていた。引退会見は全部生で見た。言葉を丁寧に選び誠実に、時にはイチロー流のジョークも交えながら。スタジアムで見るイチローとは違ったけれど、やはり人を引きつけて離さないスーパースターだった。この本はイチローに関わった同僚、先輩、後輩、ライバル、記者、父親などが彼について語っている。スーパースターについて語っているスター選手たちがみんな嬉しそうで誇らしげでもある。僕はきっとこの本を何度も読み返す。僕はずっと1992年のあの日からレーザービームに撃ち抜かれている。
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田中隼人
田中隼人
音楽プロデューサー/作曲家
1979年生まれ・東京都出身。agehasprings所属の音楽プロデューサー・作曲家。YUKI、伊藤由奈、JUJU、FUNKY MONKEY BABYS、flumpool、ファンキー加藤、Aimerなど様々なアーティストへの楽曲提供・プロデュースを手掛ける。TwitterのIDは@hayato_tanaka
将棋の子
将棋の子
大崎善生/講談社
将棋のプロ棋士になるために通らなければならない道、奨励会。全国の天才少年たちが集う奨励会の中でもプロ棋士になれるのはほんの一握り、という世界でそこから脱落していった者たちにフォーカスを当てた作品。将来の見えない暗闇の中をまさに指し手一つ手探りで進んでいく者たちの葛藤や逡巡がエグいほどリアルに描かれていて、食べていける保証もないままただひたすらに音楽を作っていた頃の自分をつい重ねてしまう。悪手一つで未来が変わる者たちの生き方には胸を抉るような切なさがある。
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上野千鶴子
上野千鶴子
社会学者
社会学者・東京大学名誉教授・認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。専門は女性学、ジェンダー研究。最新刊に『女ぎらい ニッポンのミソジニー』がある。(近影:菅野勝男撮影)TwitterのIDは@ueno_wan
からゆきさん 異国に売られた少女たち
からゆきさん 異国に売られた少女たち
森崎和江/朝日新聞出版
石牟礼道子さんの『苦海浄土』が20世紀文学の記念碑的作品として評価されているなら、同時期に書かれたもうひとつの記録文学、森崎和江さんの『からゆきさん』も、同じように評価されてよい。ジェンダーと性に関わる主題は、男からは認められにくい。だが本書が忘れられてよいとは思えない。本書もまた20世紀記録文学の金字塔だと思う。その意味で、2016年に本書の文庫版が朝日文庫から刊行されて、若い読者の手にとりやすくなったことはありがたい。本書には20世紀日本の出稼ぎ、植民地、海外侵略、戦争の歴史が、性を売る「おなごの仕事」を通じて大きなスケールで描かれている。
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借金玉
借金玉
ライター
発達障害に困りながら、文章を書いて暮らしている33歳。著書に発達障害ライフハック本『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』。TwitterのIDは@syakkin_dama
死刑のための殺人 土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録
死刑のための殺人 土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録
読売新聞水戸支局取材班/新潮社
「殺人は悪ではない」と考え、死刑を求めて連続通り魔殺人を犯した犯人に対して新聞記者が人間の情を取り戻させようと奮戦する実録本。犯人の素朴で稚拙な観念の前に記者の道徳観念が一切通用しない様は、社会通念で覆い隠されていた人間の断絶そのものを前景化させる。感動も感慨もなにもなく、ただただ人間が描かれる素晴らしい一冊。
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たられば
たられば
編集者
出版社にて雑誌→書籍→Web編集者/Twitterフォロワー数16万3000人/関心領域は本、雑誌、SNS、平安朝文学(清少納言と紫式部)、働き方、犬、FGO。だいたいニコニコしています。TwitterのIDは@tarareba722
本のタイトル
ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。
幡野広志/ポプラ社
がん(多発性骨髄腫)にかかった写真家が家族について書いた本......ではありますが、それだけでは、まるで『源氏物語』について「男と女の話」と紹介するような雑さ具合です。言葉が足りな過ぎて冒涜している。人は必ず死にます。それは選ぶこと(避けること)が出来ません。では、何なら選ぶことができるのか。「選べない」と思ったものでも選ぶことができるんじゃないか。たとえば家族とか。生き方とか。この痛みの意味の捉え方とか。そういうことが、丁寧に丁寧に書かれています。
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牧村朝子
牧村朝子
文筆家
"読まなければ大人に褒めてもらえない"と読書する幼少期を経て、"書かなければなかったことにされるものをとどめたい"と文筆家に。著書『百合のリアル』他、出演「NHKハートネットTV」他。愛称「まきむぅ」。TwitterのIDは@makimuuuuuu
奄美の債務奴隷ヤンチュ
奄美の債務奴隷ヤンチュ
名越護/南方新社
"日本一の貧乏殿様"の借金のため、そこの島のみなさん、奴隷になってもらいます......。タブーとされ、歴史の闇に葬られかけた奴隷たちを、島に生まれた元記者がそのペンと取材力で蘇らせる一冊です。悪人をおっぱいで追い払う詩人に、"俺らは猿だ"と踊り狂う集団。自由を奪われた奴隷同士の許されざる恋、解放を求め無抵抗で殴られ続ける青年。41ページの馬鹿尻の話だけでも読んでほしい。マジでつらい。でも、それでも......!
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武田砂鉄
武田砂鉄
ライター
1982年生。2015年、『紋切型社会』で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。他の著作に『芸能人寛容論』『コンプレックス文化論』『日本の気配』などがある。TBSラジオ「ACTION」金曜日パーソナリティーを務める。TwitterのIDは@takedasatetsu
ずばり東京
ずばり東京
開高健/光文社
もうすぐ東京五輪が開催されるが、それにかこつけて、長らく存在していた建物や風景をリセットし、新しい街が享楽的に膨張していく様子を見ると、ワクワクよりイライラする。なぜって、歴史を、生活を、人間を軽視しているように思えるから。1964年の東京五輪開催を前に色めき立つ東京の街を歩き、社会の底で辛うじて息をする人などの声を拾い上げたルポルタージュ。世の中が混乱している時に必要なのは、人間の声を聞くこと。現代への警鐘としても読める。
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ネゴシックス
ネゴシックス
芸人
1978年、島根県生まれ。NSC22期生。「R-1ぐらんぷり2003」準優勝。2006年に「第27回ABCお笑い新人グランプリ」審査員特別賞受賞。現在は、イラストレーターとしての活動にも注力。「バキバキ画」と呼ばれる独自のタッチのイラストで、個展・ギャラリーを実施している。TwitterのIDは@negoshix
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー
池田浩明, ワッキー貝山/双葉社
今年で41歳になる。10歳の頃は本当にあった事なのか? と思えても来たりする。でも確かにそうだったと思い出せる。たかだか30年前の記憶なのに曖昧だ。コスモスの自販機が全国各地にあった。が、しかし一斉に姿を消した。様々なトレンドがガチャに詰め込まれていた。流行りの物から実体の無い物までもがカプセルに。それは勝手に作り出された品々。おそらく許可なく。パクリという単語があったのか無かったのか。とりあえず似せたものが入っていた。本物が手に入らない僕らは、コレで欲しい思いをやり過ごせたという現象が本当にあったのだという証拠の本である。
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SKY-HI
深爪
コラムニスト/主婦
独特な視点から繰り出すツイートが共感を呼び、ツイッターのフォロワー数は17万人超(2019年7月現在)。著書『深爪式 声に出して読めない53の話』他。「立て板に泥水」(女性セブン)連載中。芸能、人生、エロ等、執筆ジャンルは多様。TwitterのIDは@fukazume_taro
サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う(鈴木智彦/小学館)
サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う
鈴木智彦/小学館
「密漁品」は裏ルートで取引されているもの、と思い込んではいないだろうか。本書によればその多くは堂々と表ルートで売られており、消費者は知らぬまに共犯者になっているという。「へー、ヤクザは意外なところで金儲けしているんだなあ」と完全に他人事として読み始めたら、思いっきり自分が当事者だったという衝撃のオチ。著者の築地市場への潜入ルポは生々しく、あたかもこの目で裏社会を覗き見ているような感覚に陥る一冊だ。
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いとうせいこう
いとうせいこう
作家/クリエーター
1961年生まれ、東京都出身。1988年に小説『ノーライフ・キング』でデビュー。1999年、『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞、『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞受賞。近著に『鼻に挟み撃ち』『我々の恋愛』『どんぶらこ』『「国境なき医師団」を見に行く』『小説禁止令に賛同する』『今夜、笑いの数を数えましょう』などがある。TwitterのIDは@seikoito
国境の医療者(メータオ・クリニック支援の会(編集) 渋谷敦志(写真)/新泉社)
国境の医療者
メータオ・クリニック支援の会(編集) 渋谷敦志(写真)/新泉社
タイとミャンマーの国境の町メーテオ。そのタイ側に開かれた医院での十年にわたる国際ボランティアの詳細を、実際に日本から出かけて勤めた看護師、医師たちが各々手分けして書くというスタイル。これが実に多彩で、しかも当然リアリティに満ちていて単純に読み物としても優れていると思う。また、私も『国境なき医師団を見に行く』の著者として、こうした国際ボランティアの行動を深く尊敬し、応援する。
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石戸諭
石戸諭
記者/ノンフィクションライター
1984年東京都生まれ。2006年から毎日新聞、BuzzFeed Japan記者を経て2018年4月に独立。現在は雑誌、ウェブなどで執筆する。ニューズウィーク日本版特集「百田尚樹現象」が話題になった。単著に『リスクと生きる、死者と生きる』。TwitterのIDは@satoruishido
沢木耕太郎ノンフィクションIII 時の廃墟(沢木耕太郎/文藝春秋)
沢木耕太郎ノンフィクションIII 時の廃墟
沢木耕太郎/文藝春秋
社会を語るために「意見」が重視されるようになった。「意見」はわかりやすく、力強いほうが良しとされる。だが、社会はそんな単純に語れるものだろうか。先達たちは、そうは考えなかった。対象と向き合い、事実を丹念に積み上げ、自身と格闘して言葉を探す。同書に収録された短編の特徴は古びていないことにある。どの作品を読んでも、時代を超えた描写の力がある。ここにノンフィクションの基本がすべて詰まっている。
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清田いちる
清田いちる
サービス企画屋&さすらいの編集長
サービスやメディアの立ち上げやブランディングが得意。企画したサービスは「ココログ」「ShortNote」「Zenback」など。編集長を務めたメディアは「ギズモード」「bouncy」など(いずれも初代)。個人ブログは「小鳥ピヨピヨ」。TwitterのIDは@kotoripiyopiyo
ドキュメント 戦争広告代理店(高木徹/講談社)
ドキュメント 戦争広告代理店
高木徹/講談社
1990年代半ばの「セルビア人による民族浄化」が、実は米国のPR代理店が仕組んだキャンペーンだったと知ったら、どう思われますか?『戦争広告代理店』は、ボスニアに雇われたPR会社が、誰の注目も浴びていなかった同紛争を話題にし、マスコミや国際政治を動かし、世論を誘導し、ついには戦争を勝利に導いた顛末がまとめられた、迫真のドキュメンタリーです。彼らのノウハウには、驚かされ、また、深く頷かされました。
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ヨッピー
ヨッピー
フリーライター
「シムシティで市長と対決する」「京大吉田寮を掃除する」など様々なバズ企画を手掛けるフリーライター。 「オモコロ」「Yahoo!ニュース個人」「SPOT」など様々な媒体で活躍中。TwitterのIDは@yoppymodel
アヘン王国潜入記(高野秀行/集英社)
アヘン王国潜入記
高野秀行/集英社
「世界最大の麻薬生産地『ゴールデントライアングル』に潜入し、現地の村人と一緒にアヘンを生産しつつ、自分も立派なアヘン中毒になる」というぶっ飛んだ内容なのですが、一般的なノンフィクション本のような「観察者」の視点ではなく、地域のコミュニティに入り込んで「当事者」としての視点から、コミカルに、そして愛を持って書かれる珍道中は本当に中毒性が高いのでこれを読んだ人は全員、確実に、間違いなく読んでください!
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古谷経衡
古谷経衡
文筆家
1982年北海道生まれ。日本ペンクラブ正会員。主著『愛国奴』『日本を蝕む極論の正体』『意識高い系の研究』『若者は本当に右傾化しているのか』など多数。TV・ラジオコメンテーターとしても活躍。TwitterのIDは@aniotahosyu
沖縄決戦 高級参謀の手記(八原博通/中央公論新社)
沖縄決戦 高級参謀の手記
八原博通/中央公論新社
沖縄の基地問題が巷間、大きな話題になっている。基地に対して賛成の者も、反対の者も、絶対に読まなければならない本。本書は、先の戦争中、沖縄守備隊(第32軍)の陸軍高級参謀として、沖縄戦を最初から最後まで体験してきた八原博道氏が、戦後に回顧録として残したものだ。沖縄守備隊は玉砕し、司令部で生き残ったのは八原氏しか居ない。日本軍から見た貴重な歴史の記録であると共に、沖縄戦とは何だったのか、という根本的理解になくてはならない本。
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柿内芳文
柿内芳文
編集者
1978年生まれ。「知の入り口」の編集力を武器に、これまで『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『嫌われる勇気』『漫画君たちはどう生きるか』等を編集。株式会社STOKE代表。TwitterのIDは@kakkyoshifumi
垂直の記憶(山野井 泰史/山と渓谷社)
垂直の記憶
山野井泰史/山と渓谷社
こんな本、反則だろう。登山家という狂気最上位な生き様の、日本最高峰の人間が、ありえないくらいスルスルと読める平易な文章で、絶対に港区なんかに住んでいては見ることも触ることも感じることすらできない登攀という異次元世界(無意味に皆死ぬ!)に、たった数百円で、一瞬で、連れ去ってくれるなんて。上質な自伝は最高の物語体験に匹敵するし、そのリアリティはVRなんて軽々と超えてくるから、自分のちっぽけな世界観をぶっ壊す意味でも年に一回は体験しろと、後輩に必ず渡す本だ。
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SKY-HI
SKY-HI
ラッパー/アーティスト
日本のラッパー、アーティスト。AAAのメンバーとしても活動し、SKY-HIソロとして国内外で活躍中。9月4日にはラッパーSALUとのコラボアルバム、SKY-HI×SALU 「Say Hello to My Minions 2」をリリース。TwitterのIDは@SkyHidaka
春になったら莓を摘みに(梨木香歩/新潮社)
春になったら莓を摘みに
梨木香歩/新潮社
イギリス郊外の下宿先で出会ったウェスト夫人が、様々な人種、宗教、思想の人たちを、時に頭を悩ませながら、「理解はできないが、受け入れる」という様を書かれたものです。 "多様性"は現代社会においてとても大事なテーマだと思うんですが、その大切さをただ説くのではなく、この本の向こうで確かにそういう人間が生きている、そして作られたドラマによって理解を深めていくのではなく、ただ彼等全てが生きている事を、その息吹を文字の向こうから感じられる、今だからこそ全ての人間に読んでほしい本です。
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※ご紹介した書籍について、Yahoo!ショッピングでは在庫切れとなっている可能性もございます。あらかじめご了承ください。

特集記事

ノンフィクション本にまつわるインタビューや対談を掲載。
書店員さんや出版社などの熱い思いをお届けします。

開催概要

新刊として発売されたさまざまなノンフィクション本の中から、
全国の書店で働く書店員の投票で決まります。
この機会に、ノンフィクション本を手にとってみませんか。

スケジュール

2019年6月
一次選考スタート
2019年7月
一次選考締め切り
2019年8月1日
ノミネート作品発表、最終選考(二次選考)スタート
2019年11月上旬
大賞作品発表

対象作品

2018年7月1日から2019年6月30日の間に、日本語で出版されているノンフィクション作品全般
(※海外作品の翻訳本は除く)

副賞

賞金(取材支援費):100万円

なぜYahoo!ニュースは、いまノンフィクション「本」を応援するのか

ノンフィクション本を読むことで、わたしたちの視野はひろがります。
世の中で起きたことを伝えるため、実際に足を運び、見聞きして、
調べているからこそのおもしろさがそこにはあります。

しかし、その取材・執筆の過程では時間やお金がかかることが珍しくありません。
著者は知力をふりしぼり、時には体を張るケースもあります。

Yahoo!ニュースに配信される1本1本の記事にも同様に労力がかけられています。
毎日の配信記事と同様、ノンフィクション本の書き手の思いも伝えたい。
また、読者のみなさまにより深く「知る」ことのおもしろさを感じていただきたい。

だからYahoo!ニュースは、日本全国の書店員さんが選ぶ
「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」を設けました。
すばらしいノンフィクション本を応援することで、読者のみなさまと出会う機会を
増やすお手伝いができればと考えています。