この動画については、場所は特定され、本物の動画であるところまでは確認されているものの、焦点は、ロシア兵による発砲(とみられるもの)と投降済みロシア兵殺害の時間的関係。偽装投降兵からの防御の一環で他のロシア兵も殺害したのであれば正当性が主張可能であるものの、時間がたった後に復讐として殺害したのであれば戦争犯罪になる。この点はまだ解明されていない。 捕虜の扱いに関してはロシアとウクライナの双方で問題が指摘されているが、ウクライナには「ロシアもやっているから」という姿勢にならないことが求められる。「ロシアと異なる」ことがウクライナの正当性の根拠であり、国際社会の支持を得るための重要な要素だからだ。復讐の誘惑は大きい。それでも国際法を遵守する姿勢を維持できるか、ウクライナの正念場である。難しいことだが、ロシアと同じ土俵に立ってはいけないのである。
コメンテータープロフィール
専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。
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