海外ルーツの子どもの母語の力が十分に育まれず、母語も日本語もどちらも中途半端な状態のままとなってしまうケースは珍しくありません。いずれも子ども自身の責任ではなく、十分な教育支援環境を用意できていない日本社会側の課題です。また母語の力を家庭の中だけ育成することは困難であり、子どもたちの健やかな成長のみならずバイリンガル育成の観点からも、社会的な取り組みやサポートについて検討していくべきです。令和元年6月に公布、施行された「日本語教育の推進に関する法律」では、基本理念の一つとして「乳幼児期や学齢期にある外国人等の家庭教育等において使用される言語の重要性に配慮して」日本語教育の推進が行われなければならないことを明示しました。日本社会の中で、複数言語環境で育つ子どもたちは増加しています。日本語の習得だけでなく母語や母文化の育成を家庭任せにせずに仕組化できないか。私たち支援団体も模索を始めています。
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コメンテータープロフィール
1979年東京都生まれ。16才で単身フィリピンのハイスクールに留学。 フィリピンの子ども支援NGOを経て、2010年より現職。「多様性が豊かさとなる未来」を目指して、海外にルーツを持つ子どもたちの専門的日本語教育を支援する『YSCグローバル・スクール』を運営する他、日本語を母語としない若者の自立就労支援に取り組む。 日本語や文化の壁、いじめ、貧困など海外ルーツの子どもや若者が直面する課題を社会化するために、積極的な情報発信を行っている。2021年:文科省中教審初等中等分科会臨時委員/外国人学校の保健衛生環境に係る有識者会議委員。
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