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田中淳夫

田中淳夫

認証済み

森林ジャーナリスト

報告

フジの花は棚にぶら下がっている様子は綺麗で人気だが、その繁殖力・成長力、そして蔓の強靱さは脅威だ。樹木に巻きつき締め上げ、幹をへこませるほど。また樹冠を覆い尽くし、光を葉に当たらなくする。樹木は弱わり、何年も続くと樹木は枯れてしまう。フジが巻きつくと木材の価値が下がるので、林業地ではツル切りも重要な林業仕事だった。しかし今や木材価格はどん底まで下がったので、フジが伸びても気にならなくなった面もある。(ちなみに昨年まで木材価格が高騰したウッドショックは終了して、今はほぼ元の安値にもどっている。)ところでフジは、江戸時代に美しい花を目当てにアメリカへ持ち込まれたが、その後、強い繁殖力で今では持て余されて侵略的外来種扱いだとか。どこでも強すぎると嫌われる。

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コメンテータープロフィール

日本唯一にして日本一の森林ジャーナリスト。自然の象徴の「森林」から人間社会を眺めたら新たな視点を得られるのではないか、という思いで活動中。森林、林業、そして山村をメインフィールドにしつつ、農業・水産業など一次産業、自然科学(主に生物系)研究の現場を扱う。自然と人間の交わるところに真の社会が見えてくる。著書に『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』(築地書館)『絶望の林業』『虚構の森』(新泉社)『獣害列島』(イースト新書)など。Yahoo!ブックストアに『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』。最新刊は明治の社会を揺り動かした林業界の巨人土倉庄三郎を描いた『山林王』(新泉社)。

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