解説記事にもあるように、振り込んだ銀行口座から、すぐにお金が引き出されてしまいます。口座にお金が残っていても、被害者同志の配分とになりますので、振り込め詐欺救済法で戻ってくるお金は、被害金額に比べてわずかになります。被害に気づいたら、詐欺に使われた不正口座をいかに早く止めるかが大事になってきます。 今回300万円が戻ってきたとのことですが、ほとんどお金が戻らない方もいらっしゃいます。やはりお金を振り込む前に、詐欺にいち早く気が付くかが重要です。 過去の取材では、被害者が逆にお金がない弱みに付け込まれて、詐欺グループにそそのかされて、お金を引き出す、受け渡すなどの犯罪に手を染めてしまうケースもみられます。 詐欺の本体は海外にありますが、あくまでも国内の銀行口座が悪用されていますので、被害者が詐欺に気づく以外にも、銀行側もいち早く不正を見抜き、口座を止める対応が求められています。
コメンテータープロフィール
2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)