このジャニーズ事務所のコメントは、今年元旦に発表し、現在も同社HPに掲載されている内容をほぼ繰り返したものです。共同通信はおそらく今日の岡本カウアン氏の記者会見について質問したと考えられますが、その回答が「これからコンプラ頑張ります！」と言っているだけ。なんらジャニー氏の性的虐待問題への言及はありません。 こうした言動をまとめると、「これからはコンプライアンスには気をつけるけど、過去のコンプラ問題は無視します」ということになります。つまり説明責任を果たす気はなさそうです。 しかし、岡本カウアン氏の被害時（2012-2016年）も、2004年にジャニー氏の行為が事実認定されたときも、現社長の藤島ジュリー景子氏は同社の幹部でした。これで乗り切るおつもりのようです。 たしかにこの事実を認めれば同社は社名変更すら余儀なくされます。が、認めなくてもゆっくりと傷口は広がるでしょう。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
まつたにそういちろう／1974年生まれ、広島市出身。専門は文化社会学、社会情報学。映画、音楽、テレビ、ファッション、スポーツ、社会現象、ネットなど、文化やメディアについて執筆。著書に『ギャルと不思議ちゃん論：女の子たちの三十年戦争』（2012年）、『SMAPはなぜ解散したのか』（2017年）、共著に『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』（2017年）、『文化社会学の視座』（2008年）、『どこか〈問題化〉される若者たち』（2008年）など。現在、NHKラジオ第１『Nらじ』にレギュラー出演中。中央大学大学院文学研究科社会情報学専攻博士後期課程単位取得退学。 trickflesh@gmail.com
