見解この声明は、今日19時のNHK『ニュース7』での報道を受けてのものだと考えられます。NHKの局内(東京・渋谷)で加害行為があったというニュースです。 ジャニーズ事務所のこの声明にはおかしい点があります。なぜならNHKに対しては「事実認定は、独立した第三者である再発防止特別チーム及び被害者救済委員会に委ねる」としながらも、「弊社が認識している限り、そうした事実はございません」と続けて述べているからです。救済委員会等にちゃんと委ねているのであれば、「事実はない」と言えるわけありません。 このあたりなにを考えているのかわかりませんが、もう少し考えてコメントを発した方が良いでしょう。 また「十分な検証」を求めていますが、ちゃんとした報道機関は心がけています。本件であれば、加害行為の具体性やNHK局内の様子、具体的な場所等を確認します。ちょっとした細部から事実性の確認が取れることもあります。
コメンテータープロフィール
まつたにそういちろう/1974年生まれ、広島市出身。専門は文化社会学、社会情報学。映画、音楽、テレビ、ファッション、スポーツ、社会現象、ネットなど、文化やメディアについて執筆。著書に『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』(2012年)、『SMAPはなぜ解散したのか』(2017年)、共著に『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』(2017年)、『文化社会学の視座』(2008年)、『どこか〈問題化〉される若者たち』(2008年)など。現在、NHKラジオ第1『Nらじ』にレギュラー出演中。中央大学大学院文学研究科社会情報学専攻博士後期課程単位取得退学。 trickflesh@gmail.com