このワクチンは台湾政府が昨年から米国と交渉して米国立衛生研究所から抗原を提供してもらい、政府の肝いりで企業が開発を進めてきた。種類としてはmRNAワクチンではなく、組み換えタンパクワクチンだが、抗体値はアストラゼネカ製の3倍あると台湾政府は述べている。ワクチンが仮に自主生産だけで国内の使用量をまかなえるようになれば、将来これほど心強いことはない。台湾は中国から常に圧力・嫌がらせを受けていることもあって「重要な防疫物資は自前で作る」が基本方針で、ワクチン自主開発もその一環。マスクについてもコロナ前は9割を中国の輸入に頼っていたが一ヶ月で自主生産体制をつくって世界第二位のマスク生産能力を備え、日本にも多数のマスクを苦しい時に贈ってくれた。本当な必要なものを自前で用意するのは危機管理の要諦で、日本も学びたいところだ。
コメンテータープロフィール
ジャーナリスト、作家、大東文化大学社会学部教授。1968年生まれ。朝日新聞入社後、政治部、シンガポール支局長、台北支局長、AERA編集部などを経て、2016年4月に独立。中国、台湾、香港や東南アジアの問題を中心に、各メディアで活発な執筆、言論活動を行っている。著書に『ふたつの故宮博物院』『台湾とは何か』『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』『香港とは何か』『蒋介石を救った帝国軍人 台湾軍事顧問団・白団』。最新刊は『新中国論 台湾・香港と習近平体制』。最新刊は12月13日発売の『台湾の本音 台湾を”基礎”から理解する』(平凡社新書)』。
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