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南野森

南野森

認証済み

九州大学法学部教授

報告

憲法では「内心の自由」(思想・良心の自由)が完全に保障されているので、DaiGo氏が内心で何を考え、どう思おうと彼の自由です。しかし、それを外部に表現する際には、他人の権利を傷つけてはなりませんし、ましてや犯罪や差別を誘発・煽動することになっていはいけません。憲法上の表現の自由には、当然ながら、制約や限界があるのです。   YouTube上で約250万人ものチャンネル登録者をもつ巨大インフルエンサーであるDaiGo氏の今回の発言は、その影響力からして、生活保護受給者やホームレスの人びとに対する差別を助長し、もしかしたら暴力を誘発するかもしれない、大変危険なものです。たとえばSNSで無名の誰かが自分の「危険思想」を吐露するのとは、危険度が異なるでしょう。   地上波TVと同様の、あるいはそれ以上の影響力をもつYouTubeの巨大インフルエンサーの発言として、許されるものではないと思います。

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コメンテータープロフィール

京都市生まれ。洛星中・高等学校、東京大学法学部を卒業後、同大学大学院、パリ第十大学大学院で憲法学を専攻。2002年より九州大学法学部准教授、2014年より教授。主な著作に、『憲法学の現代的論点』(共著、有斐閣、初版2006年・第2版2009年)、『ブリッジブック法学入門』(編著、信山社、初版2009年・第3版2022年)、『法学の世界』(編著、日本評論社、初版2013年・新版2019年)、『憲法学の世界』(編著、日本評論社、2013年)、『リアリズムの法解釈理論――ミシェル・トロペール論文撰』(編訳、勁草書房、2013年)、『憲法主義』(共著、PHP研究所、初版2014年・文庫版2015年)。

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