解説2017年に最高裁が当時の強制わいせつ罪の成立要件について性的意図を一律に求める47年前の判例を変更したことも立件に傾いた大きな要因でしょう。 犯人らからすると部活のノリや部員同士のふざけ合いであり、わいせつの意図などなかったと言いたいのでしょうが、犯行の内容そのものがわいせつな行為と評価できる上、処罰に値する事件でもあり、最高裁の新判例に照らすと、強制わいせつ罪が成立します。 ただ、これだけのことをやり、いまも被害者を苦しめ、「後輩には、もはや直接謝罪することもかなわなかった」とされているにもかかわらず、なお執行猶予が付いています。 シンガポールの裁判所が日本人の性犯罪者に17年6カ月の禁錮刑と20回のむち打ち刑を言い渡した事件が大きな話題となり、日本でも導入すべきだといった声も上がりましたが、それだけ性犯罪者に対する日本の刑罰が軽すぎると感じている人が多いということでしょう。
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コメンテータープロフィール
1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。
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