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門倉貴史

門倉貴史

認証済み

エコノミスト/経済評論家

報告

所得制限が960万円以下であれば0~18歳の子どもがいるほとんどの世帯が給付金を受け取れるので、子どものいる世帯への一律給付とほぼ同じだ。結局、今回の給付金制度では、困窮度合いは考慮せず、子育て世帯には現金やクーポンを給付して、それ以外の世帯や独身者には給付はしないことになり、「親の収入によって子どもを分断するのはよくない」と言いながら、子育て世帯とそれ以外の世帯を明確に分断していることになる。また、現金とクーポンに分けて支給するのも給付手続きを煩雑にするだけで非効率だ。クーポンは全額使うから消費喚起効果が大きく、現金は貯蓄にも回るので消費喚起効果は小さいと思われがちだが、実際にはクーポンを使った分、元々使う予定だったお金が貯蓄に回ることになるので現金給付でもクーポン配布でも消費喚起効果に大きな違いはない。現金とクーポンに分けても政策効果は0〜18歳に一律現金10万円を支給するのと同じだ。

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  • 岡部卓

    新潟医療福祉大学教授

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コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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