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石渡嶺司

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大学ジャーナリスト

報告

見解教員採用を改善するためには複雑な方程式を解く必要があります。 まず、日程ですが7月から6月、6月から5月に前倒しにしても民間企業の採用時期と重複します。 リクルート就職みらい研究所「就職白書2024」調査によりますと、面接(対面)開始時期は3年生10月以前~4年生5月の総計が90.8%でした。 その民間企業は学生有利の売り手市場がほぼ10年続いています。裏を返せば採用側が苦労する採用氷河期であり企業側は初任給引き上げや福利厚生の改善に努めています。 一方、教員採用は待遇が低く業務が教科指導などの本業だけでなく部活指導や給食費徴収、プールの水管理なども含みます。 しかも、新卒採用では全員が正規雇用ではなく非正規雇用が一定数あります(2023年度国立大卒業者では22.5%)。 日程前倒しや給料引き上げなど単一ではなく、同時並行で条件を改善しない限り、今後も教員採用は長期低落傾向のままでしょう。

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  • 内田良

    名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

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  • 妹尾昌俊

    教育研究家、一般社団法人ライフ&ワーク代表理事

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コメンテータープロフィール

1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。 大学・就活などで何かあればメディア出演が急増しやすい。 就活・高校生進路などで大学・短大や高校での講演も多い。 ボランティアベースで就活生のエントリーシート添削も実施中。 主な著書に『改訂版 大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ/累計7万部)など累計33冊・66万部。 2024年7月に『夢も金もない高校生が知ると得する進路ガイド』を刊行予定。

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