Y!オーサー

湯浅誠

社会活動家・東京大学特任教授

湯浅誠

1969年東京都生まれ。日本の貧困問題に携わる。1990年代よりホームレス支援等に従事し、2009年から足掛け3年間内閣府参与に就任。政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。現在、東京大学先端科学技術研究センター特任教授の他、NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長など。著書に『子どもが増えた! 人口増・税収増の自治体経営』(泉房穂氏との共著、光文社新書)、『「なんとかする」子どもの貧困』(角川新書)、『反貧困』(岩波新書、第8回大佛次郎論壇賞、第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)など多数。

  • 参考になった5367

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      激しい夫婦喧嘩で暴力がふるわれ、家族や近隣等が警察に通報する。警察が来て、子どもがいたことを確認すると、児童相談所へ「面前DV」案件として通告する。この際、ひどい場合には子どもの身柄を確保して通告する(身柄付通告)。通告を受けた児童相談所は、他の通報案件同様に、「緊急受理会議」を開き、虐待の程度を診断するとともに、目視による子どもの安全確認を48時間以内に行う。こういうケースが増えて、ついに5割を超えた。
      警察からの通報が、児童虐待の対応件数を押し上げている状態は、私が聞き取ったある児童相談所所長の話が、全国規模で起こっていることを裏づけている(「児童虐待 はじめての189通報とその後に起こること」8月16日ヤフーニュース個人)。対して一般からの通報は14%とあるので、件数にして17000件程度。記事の反応を見ていても思ったが、「189番」の浸透度は、一般にはまだまだ足りないように思う。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      職員の配置人数が少ない、来所して相談する家族等の相談だけでも手一杯、本人につながるまでに丁寧なアプローチが必要、ひきこもりの長期化で対応困難なケースも少なくない…など、単純に「できるのにやってない!」と叱責できる状況ではないが、それにしても少なすぎるとは思う。
      ひきこもり地域支援センターは、各県の精神保健福祉センターが受託している場合が多い。広域を単独でカバーするのは困難で、移動だけでも相当な時間がかかるだろう。市町村や地域の住民組織との連携は口すっぱく言われているはずだが、どのあたりに主要な課題があるのか、より詳しい分析を待ちたい。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      川人弁護士が電通にインターバル規制を提言したとある。
      インターバル規制は、仕事の終了から次の開始までに一定の休息・睡眠時間確保を義務化するもの。EUでは11時間とか。仮に22時まで会社にいたら、翌日は9時前には出社させてはいけない、といったもの。
      長時間労働規制には広範な合意があるが、中には「ムダな残業を減らして、より効率的に仕事をし、人件費も減らす」と経営効率化の観点から合意する見解もある。働く人の権利保護という観点からのみ言われているわけではない。
      その意味で、インターバル規制への賛否は「どういう理由で長時間労働規制に賛成なのか」のリトマス試験紙にもなる。経営効率化の観点のみからは賛成できないから。
      加えて、今の長時間労働規制は単純労働制を対象にしたものだが、インターバル規制は裁量労働制で働く人たちも対象にしうる。
      ホワイトカラー・エグゼンプションの議論にも影響する可能性が高く、注目。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      大学に関係する者としては他人事ではない。気になるのは、相談を受けていたという准教授らの対応。大分大学のHPで確認すると、2008年にイコール・パートナーシップ宣言なるものを行っており、「国立大学法人大分大学のすべての構成員は,個人の尊厳と男女の平等とを深く認識し,互いを対等な人格として認め,その権利と自由を尊重する」「他の人の人格を傷つけ,不快感を与える言動を行わない決意を表明するとともに,そのような言動を防止するための万全の配慮と不断の努力を行うことを宣言する」とある。相談があった際の「ハラスメント関係手続図」も整備されている。
      このスキームに乗せるかどうかが、相談を受けた際の考えどころになるが、そこは率直に言って、ふだんの学生の言動との関係で深刻さを見極めるしかない。具体的にどのようなやりとりがあったのか、大分大学のHPを見る限りではまだ調査報告書は公開されていない。フォローが必要。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      学校側に悪意があったとは思わない。
      おそらく「遺族の手を煩わせずに手続きを」と思ったのだろう。
      ただ、文字通り通学途中の交通事故などだったら、同じように説明なしだったかと言えば、そうは思えない。
      「どうしたいですか?」の一言が聞けない。
      「忖度」「配慮」が働き、本人(遺族)の意向を聞かずに判断し、それが逆に本人を傷つける結果になっている。
      勝手な忖度と配慮。その意味では写真の一件と同根の問題とも言える。
      「おもんぱかる」は日本の美徳だが、行き過ぎれば、相手は「自分の気持ちが尊重されていない」と感じ、傷つく。
      今朝の新聞で「どろんこ会」理事長の安永愛香さんが言っていた。主体性の見えない子は「たいてい、保護者が先回りして世話を焼いていた」と。
      「どうしたいか」と聞きながら進める。難しいが、対人関係の基本だ。学校はそれを教える場所。
      その学校がやっているところに、問題の根深さを感じる。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      5か月間で2013人という数から年間を推計すると4831人。
      沖縄の人口144万人で考えると、人口10万人あたり335人。
      生活困窮者の自立支援相談が10万人あたり200人を下回りそうで、
      児童虐待の相談件数が10万人あたり46人(2012年の全国平均)、
      という数字と比べてみると、高さがわかる。
      居場所利用を通じて気づかれた世帯も少なくないはずで、困窮・虐待に対する予防的効果も見込まれるのではないか。
      いずれにしろ、これだけの利用は、単に相談員を配置しただけでは生じない。相談員や各市町村が丁寧に掘り起こしている結果でもあるだろう。関係者の尽力には敬意を表したい。
      他方、沖縄の子供の貧困率が全国平均のほぼ2倍であることを考えると、10万人あたり年間335人という数字は、まだまだ届いていない人たちがいることを推測させる。
      引きつづき注視したい。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      大阪市に続いて、大阪府も調査結果発表。
      深刻な実態だが、実態が明らかになること自体は歓迎すべき。
      隠れていては、対策の絞り込みもできない。
      特に、大阪市・大阪府調査は、沖縄県調査と相互に参照し合っていて、比較も可能になるように設計されていて、有益。
      東京都や愛知県、その他の県がどうなっているのか、気になってくる。
      ぜひ「大阪は大変だな~」で済まさないでほしい。
      また、市町村レベルで調査の機運が高まっていないことが気になる。
      国は調査費用の4分の3を補助する交付金をつくっている。
      にもかかわらず、調査を行うと手を挙げている自治体は多くない。
      市町村レベルで調査が行われれば、より身近に、よりリアルに、どういう子のどういう点に対策を打てばいいのか、見えてくるだろう。
      調査しないことが、対策を打とうとする意志の欠如を示しているのだとしたら、深刻だ。
      住民としても関心を寄せていただきたいところ。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      「過労死等防止対策推進法」に基づく「過労死等防止対策白書」が出た日に発表された。
      この法律は、1991年以来活動を続けている「全国過労死を考える家族の会」などが苦渋の思いで通した法律。
      本当は、長時間労働規制を求めていた。しかし当時、その機運は盛り上がっておらず、残念ながら「理念法」に留まることを受け入れざるを得なかった。
      同白書は、厚労省が「過労死ライン」に定める月80時間以上の残業を正社員が行っている会社は、依然として22.7%あると報告。「情報通信業」では4割を超えていた。
      過労死・過労自殺のリスクにさらされている人たちが膨大にいるということで、ここに手を付けなければ、今回の電通新入社員のような悲劇は繰り返される。
      長時間労働規制に対する機運は、現在、かつてなく高まっている。
      この機を捉えるか、逃すか、重大な分かれ目だ。
      政府の「働き方改革」がこの問題に踏み込むことを望む。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      よいことだ。
      「賃金日額」は「毎月勤労統計」の平均定期給与額から算出し、
      その 増減を受けて、毎年8月1日に金額が変更される。
      今年は、平成 27 年度の平均定期給与額が 前年比で約 0.43%低下したことから、
      「賃金日額」も上限額・下限額ともに引き下げになった。
      (厚労省「雇用保険の基本手当日額の変更」平成28年8月1日)
      結果として、過去にないペースで引き上げられている最低賃金との逆転現象が起こってしまったため、
      「賃金日額」を底上げして、逆転現象を解消しよう、という話。
      ただこれは、政策的に最低賃金を上げてきたが、賃金の平均(平均定期給与額)は下がっているという現象がひき起こした事態であり、
      最低賃金~賃金の平均の幅が圧縮されてきていることを示している。
      最低賃金の底上げは賃金の平均を押し上げる方向で働くのが望ましいのだが、そうなっていないということ。
      これ自体は喜ばしくない。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 湯浅誠

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      重要。
      教育資金贈与信託の贈与税非課税特例には、政府内部(骨太の方針や政府税調)においても、「教育格差の拡大を助長」する懸念が表明されていた。
      自分自身の子や孫への贈与と違って、他人の子(貧困家庭の子)に贈与する人などいないと思われがちだが、実例はいくつもある。
      しかも、親に頼れない場合には、叔父叔母などの親戚筋が子どもを支援する場合も少なくないが、現在ではそれにも課税されてしまう。
      資産のある祖父母が援助した場合には課税されないのに、親戚筋が見るに見かねて援助した場合には課税されるというのは、やはり不公平感があり、イコールフッティングの実現が望ましい。
      この問題は、その税制改正で現実に動く金額以上に、政治がどのような場合に是正に動くのかというスタンスを示す上で重要。
      要望を受けた財務省や与党の税調がどう判断するのか、今後も注視していく必要がある。

残り6

もっと見る