楊井人文

FIJ事務局長・弁護士 報告 オーサー

この報道はやや不正確です。まず、中国国家衛生健康委員会の19日の発表でも、「エアロゾル感染」を主な感染経路の一つと認めたわけではありません。主な感染経路は、従来の「飛沫感染」と「接触感染」(ただし、「接触感染」から「密着接触感染」に修正)であるという見解は変わっていません。それに加えて、エアロゾル感染の「可能性」にも言及していますが、その「可能性」も「比較的密閉された環境で長時間、高濃度のエアロゾルにさらされた場合」というかなり限定された条件を付けています。そのような条件下での感染例が確認されたというエビデンスが見つかったのかどうかも、はっきりしません。

そういう意味で、上海市当局が8日発表した見解(エアロゾル感染も主な感染ルートの一つ)とは異なり、中国政府は、エアロゾル感染を依然として主要な感染経路と認めたわけではない点にもきちんと留意した方がよいと思います。

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楊井人文

FIJ事務局長・弁護士

慶應義塾大学総合政策学部卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年4月、マスコミ誤報検証・報道被害救済サイト「GoHoo」を立ち上げ、一般社団法人日本報道検証機構を設立。2017年6月、「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)を旗揚げし、事務局長。2018年4月、共著『ファクトチェックとは何か』を出版(尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。現在、インファクト(旧・ニュースのタネ)のファクトチェック担当編集長、早稲田大学次世代ジャーナリズム・メディア研究所招聘研究員、インターネットメディア協会(JIMA)監事。

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