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楊井人文

日本報道検証機構代表・FIJ事務局長・弁護士

楊井人文

慶應義塾大学総合政策学部卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。ベリーベスト法律事務所所属。12年4月、マスコミ誤報検証・報道被害救済サイト「GoHoo」を立ち上げ、同11月、一般社団法人日本報道検証機構を設立。17年6月に新団体「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)を旗揚げ。著書に『ファクトチェックとは何か』(共著、岩波書店、18年4月)。

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      BuzzFeed Japanの記事には触れられていない事実を一つ。朝日新聞は愛知県の新文書判明した翌朝の朝刊(netgeekの記事が出る前)で、2015年2月25日の首相動静記事に加計孝太郎氏との面会の記載はなかったことを隠さずに報じています。自社の紙面で報じているので「証拠隠滅のための削除」をする理由などないのです。netgeekの記事は誤りです。

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      この金正恩委員長の”発言”を鵜呑みにして、日本政府がこれまで直接、拉致問題を提起していなかったのかと驚いている人が少なからずいるようです。メディアも金正恩の発言を報じるだけでなく、忘れっぽい読者のために経緯を書く必要があります。

      いわゆる日朝ストックホルム合意(2014年)をもうお忘れでしょうか?この合意に至る交渉過程で、日本政府が拉致問題を直接北朝鮮に言ってきたことは当時も報道されていたし、合意にも含まれていたことです。その時に北朝鮮が設置した特別調査委員会に、一時とはいえ被害者家族や国民は拉致問題の進展を期待しましたが、ほとんど成果なく解体されました。2015年の日朝外相会談でも拉致問題を提起しています。

      数年前に日朝合意を反故にした人物の(おそらく初めて公になった拉致問題に関する)発言。これを伝え聞いた被害者家族の心中は察し余りあります。

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      トランプ氏が米自動車業界の日本への参入を阻んでいるとして「車のボンネットの6メートル上からボウリングの球を落とし、車体がへこんだら(輸入に)不合格となる。ひどいものだ」と主張した部分は、米国のファクトチェック団体ポリティファクト(PolitiFact)によって「誤り」と判定されています。ポリティファクトの調査でホワイトハウスに指摘したところ、サンダース報道官がその後の会見で「ジョークだった」と認めたとのことです。

      詳しい経緯は、PolitiFactの記事「Donald Trump botches Japanese bowling ball on the car hood test」参照。

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      政治的介入の根拠となり得る放送法4条の撤廃は国連の特別報告者デビッド・ケイ氏が提言したものですが、当時メディアは右も左も反発していました。

      国連の人権理事会も昨年11月勧告を出しましたが、日本政府が「拒否」したと先日報じられていました。しかし、政府が実は前向きに検討しているとなると、その報道自体にも疑義が生じます。

      時々誤解があるのですが、放送法4条撤廃=政治的公平の理念を放棄するという意味ではありません。法規制によるのではなく、政治的公平を掲げるかどうかはメディアの自主的判断に委ねるということです。

      なお、検討内容はスクープした共同通信の記事「政治的公平の放送法条文撤廃」が参考になります。2年前ですが、以下の記事もご参考までに。

      ◆「記者クラブ廃止」「独立機関設立」…国連特別報告者が提言 大手メディアはほぼ無視(Yahoo!ニュース個人 2016/4/26)

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      この記事には「首相は8月の内閣改造後の記者会見で『スケジュールありきではない』と意欲をいったん封印した。再び改憲モードに戻ったのは…」と書かれています。
      しかし、他の報道(毎日新聞、TBS、NHKなど)によれば、首相はこの日の講演でも改めて「スケジュールありきではない」という表現を使っていました。
      そもそも、内閣改造後の記者会見(8月3日)でも「これからはしっかりと党で議論し、そして、国民の皆様の議論が深まり、また、国会での議論が深まっていくことを期待しています」と述べており、改憲論議を「封印」するような発言はしていません。

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      一般論としてですが、「争う姿勢」という見出しはニュース価値のない情報です。民事訴訟は必ずといってよいほど被告側は争います。争わないなら裁判にならないのです(法的には「請求の認諾」といって、ただちに訴訟終了となります)。裁判外で争いがあり解決しないから、訴訟になっているのです。民事訴訟の第1回期日で「争う」とか「否認」と書くことは、本当に無意味だと思います。

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      現段階で、逮捕された警察官は容疑を否認しており、犯人と確定したわけではありません。この段階で、電話をかけていたという行為をもって「偽装工作」と推測する報道は、根拠もなく容疑者が犯人という印象を強める、「犯人視報道」に当たると思います。

      夫が犯人でなかった場合、小学校の問い合わせを受けて妻に何度も電話をかけること自体はごく自然で合理的な行動でしょう。逆にもし妻に電話をかけていなかったのであれば、電話をかけられなかった合理的な理由がない場合は、犯人性を推認する事情になります。

      【参考記事】「犯人視報道しない」 報道指針は守られているか 日本新聞協会の見解は?(Yahoo!ニュース個人 2017/4/23)

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      この朝日新聞の記事はデビッド・ケイ氏がメディア側の問題点を指摘したことをちゃんと書いていて、バランスが取れていると思います。実際、彼は、政府批判をしに来たのではなく、むしろ既存メディアのあり方を問うていると思うのです。

      「政府の圧力」云々の話もいいですが、そういうものに過敏に反応し、内部的自由度が著しく狭い日本型組織ジャーナリズムのあり方こそ問われるべきであって、放送法改正や放送の独立規制機関、メディア横断組織、記者クラブ改革といった氏の提言について、もっと真剣に受け止め、メディアの構造改革を考えるときではないでしょうか。

      【参考記事=「記者クラブ廃止」「独立機関設立」…国連特別報告者が提言 大手メディアはほぼ無視(Yahoo!ニュース個人 2016/4/26)】

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      「国連拷問禁止委員会」と書いてありますが、国連の委員会ではなく「人権条約機関」です。拷問禁止委員会は、人権条約の一つである拷問禁止条約の履行状況を監視する目的で設置された独立専門家の委員会であり、国連から独立した組織です。メディアには正確に報道してもらいたいものです。

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      「反日政権の衝撃」という見出しが立っているが、釣り見出しといっても過言ではない。文中では「『反日』『親北』の印象の強い文にしては、淡々とした応じ方だった」としか書かれていない。「反日政権」というのは特段の根拠もない烙印(印象表現)にすぎないことがわかる。

      文在寅氏はたしかに選挙中、慰安婦の日韓合意について「再交渉」に言及していたが「破棄」に言及していなかったし、選挙委員会に提出された公約でも対日関係について「反日」と言えるようなものは書かれていなかったという(FACTA2017年6月号)。

      実際、大統領特使は来日時に日韓合意に言及しつつ「再交渉」を提起しなかった。安倍首相が特使と会談し、シャトル外交に賛意を示したのも、新政権を「反日政権」と見ていないことの証しといえる。

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