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矢萩邦彦

教育ジャーナリスト/知窓学舎塾長/スタディオアフタモード代表

矢萩邦彦

教育・アート・ジャーナリズムの現場で活動し、一つの専門分野では得にくい視点と技術の越境統合を目指すアルスコンビネーター(松岡正剛より拝命)。横浜に「受験指導×探究型学習」をコンセプトにした統合型学習塾『知窓学舎』を開校、プログラムデザイン・講義・受験指南・講師研修・企業研修・教育コンサルティング等を手がける。代表取締役を務める株式会社スタディオアフタモードではジャーナリスト育成や大学との共同研究に従事、ロンドン・ソチパラリンピックには公式記者として派遣。主宰する教養の未来研究所では教育研究・戦略PRコンサルタント・クリエイティブディレクターとして企業の未来戦略やブランディングを手がけている。

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      実際、今担当している生徒からも、学校のクラスのいじめっ子の男子も、実はボスである女子の命令でちょっかいを出しているなんて話を聞きます。女子が苦手だから男子校を目指すという男子は、20年前から一定数いましたので一概には言えませんが、最近は増えている傾向があると思います。その1つの理由と考えられるのがスマホやSNSです。これらのツールを使いこなすのは女子の方が長けていて、その情報力が男子にとって脅威になっているように感じます。コミュニケーションの方法が変われば、喧嘩の方法や嫌がらせの方法も変わってきますし、誤解の生じ方も変わります。スマホやケータイに触れる前に、しっかりとした倫理道徳・マナーを身につけるような指導が求められます。

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      以前、カンボジアで人身売買に遭ったいわゆる「トラフィックド・チルドレン」の方々にインタビューをさせて頂きました。その際、彼らの多くが、「騙された」というよりも、「家族のため」と思って人身売買をされたと話してくれました。もちろん待遇が話と違ったりということはありましたが、どこか受け入れてしまっている部分があるのが印象的でした。日本の場合は全く状況が違うと考えられますが、何らかの「問題解決」のために人身売買的な方法を選んでいるのなら、他の解決方法があることをもっと啓蒙すべきだと考えます。義務教育でいかにそういう部分に切り込めるか、行政の積極的介入に期待します。

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      以前小学生にしたアンケートでは、「家族が事故に遭った、一緒に病院に行こう」などと言われた場合、「ついて行ってしまいそうだ」という小学生は多数いたものの、大半はそういう手口があると知っていれば十分警戒できるという意見でした。反面、脅されたり強引な手口に対しては「対策のしようが無い」「どうしようもない」という意見が聞かれました。子供のアイデアが及ばない手口ほど、大人とあらかじめ話し合っておく必要がありそうです。

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      追い詰められている教諭が多いという話は現場でもよく聞きますが、その発露が犯罪になってしまう事例が後を絶たない時点で、何らかの構造的な問題があると考えられます。入り口を厳しくするのか、管理やケアを手厚くするのか、とにかく子どもを預かる仕事である以上、行政主導の具体的な対策が求められます。

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      現在担当している小学生達も、自己紹介でまず「好きなYouTuber」をシェアするのが普通になってきています。実際、YouTubeの影響は看過できるものではありません。何が「面白い」かという規準が、少なくとも複数のプロが編集に関わっているテレビではなく、倫理的なフィルターが無いまま直接触れられるメディアであるYouTubeになることで多くの問題があります。YouTubeは刺激が強いものも多く、また情報がミスリードされたり、間違っているものもあります。まず、家庭や教育現場で関わる大人が現状を把握して、共にリテラシー教育に取り組むことが求められます。

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      このような問題を未然に防ぐ方法として「チームで教育に関わる」ことが挙げられます。いじめなどの他の問題でも同じことが言えますが、学校内だけでなく、家庭や民間の教育機関とも連絡を取り合って、複数の大人が協力して関わることで、解決できる蓋然性も上がります。もちろん、防がなければ問題を起こすような講師自体言語道断ですが、それでもそういう可能性がある限り具体的な対策が望まれます。

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      アクティブラーニングを実施し、成果を評価するには、マンパワーが必要です。つまり、マニュアルやシステムで評価するには限界があり、適切な指導者や評価者の育成が急務です。その方法が具体的に見えないまま導入すれば、現場の混乱は避けられません。まずは、官民問わず、教育者の教育ができる人材と環境を確保することが求められます。

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      責任感があり不器用な学生ほど、コンビニバイトをはじめたことがきっかけで、深夜帯シフトを任され、学業と両立が難しくなり、就活が難しくなり、そのままフリーターになってしまうという例を見てきました。もちろん、コンビニだけが問題なわけではありませんが、「バイト」を良いように利用する業界は数多あります。「バイトリテラシー」のようなものを高校生や大学生に教えることも必要ではないかと感じます。

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      教育の現場では、2chを見ているという中高生は滅多に見かけません。ニコ動は一時期に比べて減っては来ましたが、コアな層は動いていない印象です。やはり話題の中心は圧倒的にYouTubeとSNSです。特にYouTubeは小学生の間でも一般的な話題になっています。一方で、30代以上に関しても、2chやニコ動を見ているという話は減少している印象ですが、それらのメディアのイメージなどを鑑みて、あまり話題にしない傾向もあるように思います。また、記事にあるように、生き残っているメデイアへの揺り戻しも考えられます。うまく役割分担をしつつ、メディア全体が改善されていくことが望まれます。

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      塾に来ている女子たちも、家族との関係について愚痴を言うケースは多く、塾講師やスタッフが間に入って調定するシーンもよく見かけます。現代は家族と学校以外で関わることができる大人が限定されています。今までは勉強を教える機能に特化することがほとんどで、家庭の問題には関わらない方針の塾が殆どでしたが、サードプレイスとしての塾の存在が、新たな役割を期待されてきているように感じます。家庭・学校・塾とうまく役割分担をして、チームで関わって行く姿勢を作ることにこそ、民間教育機関の可能性を感じます。

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