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碓井真史

新潟青陵大学大学院教授(社会心理学)/スクールカウンセラー

碓井真史

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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    • 碓井真史

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      マスコミに登場する事例は、しばしば極端な事例だ。学校でも会社やある種の業界でも病院でも福祉施設でも、酷い例が紹介される。それぞれの分野の一般的な人が見れば、やはり「酷い」とか「考えられない」という感想が出たりもする。この記事でも「すべての一時保護所ではない」とある通りだ。

      記事は、第三者委員会の報告に基づくもので、決して嘘ではない。事実であり、問題改善が急がれる。また、ここまで酷い例ばかりではないとしても、問題の種はどこも同じようにあるとも言えるだろう。

      しかし、私が実際に訪問した児相の一時保護や、学生たちが実習に行った児相の一時保護で、ここまで「過酷」なケースは見たことはない(だから日本中そうだとは言えないし、地域差もあるだろうが)。

      問題点を指摘し、改善を考えるのは大切だ。しかし一時保護所の中にも、もっと温かで優しいところはあるとも伝えたい。働く人のためにも。利用者のためにも。

    • 碓井真史

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      「自虐CM」は、なぜウケるのか? 実は、個人も自分自身の自虐CMを行なっています。自己紹介の時などに、笑える失敗談を上手に話す人々です。

      人と仲良くなるためには、心を開いて話す(社会心理学の用語では「自己開示」する)必要があります。失敗談や自分のマイナス面は、普通ならあまり人に話したくないことです。それにもかかわらず話してくれるということは、心を開いてくれていると感じます。だから、距離感がぐっと縮まります。

      さらに、自分の弱さを示してくれると、脅威(怖さや不安)を感じにくくなります。マイナス面を自覚しているのは、自分が分かっているとも感じられます。

      ただし、自己紹介の「失敗談」や「マイナス面」は、笑える話でなくてはなりません。深刻な話などされたら、周囲は引くでしょう。謙遜は良いのですが、自己卑下は、周囲を不快にさせます。

      自虐CMも、商品自体の価値は決して下げてはいないのでしょう。

    • 碓井真史

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      今回の台風が、50年前、20年前に来ていたら、被害は途方もなく大きくなっていたことでしょう。この数十年で、ハード面の整備が進められました。

      また、警報や報道の仕方、市民の認識など、ソフト面も大きな改善が見られました。これまでの幾多の台風被害、東日本大震災の津波被害、昨年の西日本豪雨など、多くの尊い犠牲を通し、安全対策は進められました。

      今回の台風に際しても、関係各所のご尽力、被災地の皆様のご努力に頭が下がる思いです。そのおかげで、何とか被害が抑えられた部分もあるでしょう。それは事実だと思います。

      そういう発言に対して、鬼の首を取ったように非難するのも如何なものかと思います。しかしながら、大切な人を失い、家財産を失った悲しみは、統計や比較の問題ではなく、深いものです。

      どの場面で語りどう報道されるかによって、言葉は正しさだけの問題ではなく、被災者に寄り添う表現が求められるでしょう。

    • 碓井真史

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      子供が自殺する。親やマスコミが学校の責任を追及する。そうなれば、世間の声は学校を責める声一色になる。今回は、学校ではなくプロダクションだった。当初は、プロダクションを責める声が圧倒的だったが、しばらくすると風向きが変わる。世間から家族を責める声が出始め、プロダクション側も訴えを起こした。

      本当にひどい学校やプロダクションもあるだろう。しかし多くの場合、自殺の原因は複合的だ。だが、普通マスコミは家族の問題を指摘できない。学校だけが責任追及されやすい。今回はプロダクションに所属する芸能人ということで、いつもの組織問題報道とは雰囲気が違っている。

      本当に何が起きたのかはわからない。裁判になれば、正しい判決を望みたい。ただ、一人の子供が亡くなっているのだ。大人の醜い争いにはなって欲しくない。何が起きたのか、どうすれば今後の子供の自殺は予防できるのか。有意義な裁判になることを期待している。

    • 碓井真史

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      うつ病は、理解されることが最も必要な病気なのに、理解されることが最も難しい病気です。体の病気とは異なり、サボっているようにしか見えない時もあります。

      さらに、家族に「理解し支えて下さい」と告げるだけでは、家族を追い詰めることになりかねません。家族も苦しんでいます。うつ病の人が語る非常に否定的な話を聞くのは、家族にとっても辛いことです。

      働き者でしっかり者のだった夫や妻が、人が変わったようになるのは、心も辛く、生活も苦しくなります。

      名倉さんの場合は、奥様の渡辺満里奈さんが、医療面でも仕事面でも、とても賢明に動かれたことが功をそうしました。それでも、お疲れのことと思います。ご自愛いただければと思います。

      この件に限らず、病気の人を支えるのは家族の役割であり、その家族を支えるのが、私達の役割なのだと思います。医療スタッフとして、親戚、友人、同僚として、そしてファン、マスメディアとして。

    • 碓井真史

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      殺人願望のある連続殺人者が被害者を見つけるためには、非常に巧みな方法を使う。それでも簡単に見つかって犯行が成功するわけではない。

      ところが、ネット上の自殺願望者に共感的で協力的な態度を示せば、ずっと簡単に二人きりになることができる。

      2005年には、快楽殺人者による自殺サイト殺人事件も起きている(すでに死刑執行済み)。心理学的には、若者の「死にたい」は「生きたい」であり、だから犯人の行為も殺人と認定された。

      ネット上では、数多くの自殺志願者が自殺関連のキーワードでさまよっている。ネットの状況は、以前に比べれば改善されつつあり、以前なら自殺の方法が検索上位に上がっていたが、現在では自殺予防サイトが上位に上がる。

      それでも、悩む人はさまよい続ける。ネット安全教育が必要であり、パトロールも必要だが、同時に悩む人に寄り添えるより良い自殺予防サイトを作っていくことこそが大切だろう。

    • 碓井真史

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      たしかに『ジョーカー』は衝撃的だ。ジョーカーの世界に引きずり込まれる感覚を、少なからぬ観客が感じたことだろう。

      それは単純なストーリーの問題ではない。恵まれない環境で犯罪者が生まれる物語など、掃いて捨てるほどある。『ジョーカー』の衝撃は、作品の完成度の高さゆえだろう。

      危険性は否定しない。だがそれは、犯罪者や自己破滅的な主人公を描いた作品全てに言えることだろう。

      『ジョーカー』は犯罪や反社会的行為を推奨などしていない。作品から教訓めいたことを引き出すなど極めて野暮なことだが、それでもあえて言えば、弱者への共感と支援の必要性だ。

      現実の社会にも小さなジョーカーたちはいる。犯罪心理学的に多くの事例が出せる。彼らに必要なのは、刑罰だけでなく、愛と支援なのだ。

      参考:「ジョーカーの衝撃:最も悲しく最も恐ろしい悪役映画」Y!ニュース個人

    • 碓井真史

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      映画史上、最も悲しく、最も恐ろしい悪役でした。その瞳の奥に、底知れぬ闇がありました。万民に勧められる映画ではない、でも万民に勧めたい。そう思わせる映画です。

      映像の美しさ、息が苦しくなる展開。その物語に、心のざわめきが止まりません。映画館を出た後、自分もピエロの仮面をつけている一人にも感じました。

      もし彼にも、小さな親切やわずかな幸運があったなら、人生大逆転のハートウォーミングなサクセスストーリーになっていたかもしれないのに。不幸な偶然の積み重ねで犯罪者になっていく姿は、バットマンの世界観の中の話なのに、妙にリアルでした。

      心理学的に見れば、犯罪史に残る凶悪犯もそれぞれがジョーカーです。映画のジョーカーも、最初から夢も善意も正義感もなければ、巨悪にはならなかったのです。

      悪い人が悪いことをする。それほど世界は単純ではない。悪も善も悲劇も喜劇も隣り合わせなのだと感じさせる映画でした。

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      地元関係者からの話によると、表彰を受けたお二人は、118番通報をしながら、救助の準備をしたそうです。完璧な救助でした。

      高校生の吉田さんは、父と祖父から海に関する教えを受けていたようです。その教えは、技術の問題だけにとどまらず、海に生きる男としての精神も受け継いだのでしょう。

      援助行動の研究によれば、自分たちの海とか自分たちの山という意識を持っている人々は、その場所での人命救助に特に積極的になります。

      人助け行動を実行するためには、次のステップが必要です。

      気づく→緊急事態だと判断する→助ける具体的方法を思いつく→心理的コストを考える(自分の命の危険性など)→人助けの実行。

      今回は、助けたい思いと、必要な知識、技術、道具、そしてバディ(相棒)がそろった見事な救助でした。

      (「海上保安官になりませんか?」(微笑)といった言葉も出た、あたたかな雰囲気の表彰式だったそうです。)

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    • 碓井真史

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      事件の第一報は、たいていの場合、間違いが含まれている。第一報で概要、第二報以降で詳細がわかれば良いのだが、第一報とは異なる内容が第二報で流されることもある。

      「怖くて動けなかった」。これは、人としてごく普通の反応だ。ドラマのように機敏な動きができる人は、稀だろう。自分が危険な時でも、叫び声さえ出せないこともある。電車や車が迫ってくるのに、一歩も動けないこともある。

      犯罪被害者の遺族は、多くの苦しみを抱える。死別の悲しみと手続き、悔恨、自責、恐怖、不安、怒り、無力感、孤独感、絶望、経済問題、ASD(急性ストレス障害)、PTSD、サバイバーズギルド(生き残った罪悪感)、警察の事情徴収、マスコミ対応、世間からの好奇の目、時には容疑がかけられることすらある。

      残された子供たちは、二重三重四重の苦しみを抱える。犯人逮捕の努力とともに、被害者支援と家族支援に全力をあげなくてはならない。

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