Y!オーサー

碓井真史

新潟青陵大学大学院教授(社会心理学)/スクールカウンセラー

碓井真史

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

  • 参考になった1482828

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      一度に大勢を殺害する大量殺人は、しばしば「表現としての犯罪」だ。犯人は、事前に犯行声明文を書いたり、メッセージビデオを撮ることもある。自殺前に、長文の遺書を書くこともある。

      それらは、時にドラマチックで名文だ。しかしもちろん、現実的ではない。自分の辛さを切々と語ったり、革命家や宗教家を気取ったり、正義の鉄槌を下すヒーローを演じたりすることもある。だが、「我に続け!」と高らかに主張しても、追随者はいない。

      大量殺人者は、少しずつ現実的に努力して自分や社会の状態を良くしていこうという希望を失っている。その絶望の中で、さらに思考が歪み、暴力へ傾倒しいった人も多い。

      彼らの言動で社会全体が動くことはない。しかし、密かに共感している人々はいる。ネット上ではヒーロー視する人まで出現する。大切なのは、希望とコミュニケーションだ。話し合うことで、自分の状況も社会も一歩ずつ良くなっていくのだ。

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      18歳で成人なら、少年法の年齢も同様に引き下げるのは、理にかなった考えです。権利義務のバランスは大切だからです。ただ、酒タバコは二十歳からが変わらないように、様々な法律で線引きの年齢は変わります。

      成人年齢の世界標準は18歳です。OECD加盟30ヵ国の中で、20歳成人は日本だけです。またこの数十年を見ると、少年犯罪は減少、少年凶悪犯罪は激減です。

      少年を大人の監獄に入れると、その中で犯罪を学んでしまったという過去もあります。少年法の方が加害者に厳しく反省を迫る面もあります。何歳だろうと大人と同じように罰せよというなら、何歳だろうと大人同様に選挙権も与えろということにもなります。

      今後、たとえば刑法において、18や19歳は、特別成人などとして中間的に扱う方法もあるでしょう。

      現代の青年は、昔より幼児化しているという指摘もあります。子供を大人にしていくのは、私たち大人社会の役割です。

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      私たちには信教の自由があります。しかし、マインドコントロールを使用する「破壊的カルト」や、子供の権利侵害は認められません。

      カルトの子供たちには、多くの悲劇が起きています。ある家庭では妻が信者になり、夫婦仲が悪化。娘は母につきます。両親は離婚しましたが、娘は必死に信仰に励み母についていきます。ところが、青年期になってカルトの問題に気づき、脱会します。そうなると、母からもサタンと見られてしまいます。結果的に、カルトに父も母も人生も奪われました。

      カルトの両親を持つある青年は、生まれながらのカルト信者で、教えに従い、まともに進学もせず定職にもつかず、教団内の青年たちと共同生活をしていました。親戚づきあいもなくなく、教団外の友人もいません。こうなると、疑問を感じても脱会などできません。

      家庭内のことに口を出すのは難しいのですが、子供たちを救うために、私たちにもできることがあるはずです。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      この事件の真偽はまだ不明です。ただ一般論として、教師など心理的に優位に立つ者からの性暴力や強要は、教育や宗教の現場などで、数多く起きています。

      「先生」と呼ばれる人たちは、良い人と思われるなら、尊敬と好意を集め人々が従います。悪い人ならば、人々を操ります。医師、カウンセラー、占い師なども同様です。

      最初から悪意があるのは論外ですが、最初は良い「先生」だったのに、トラブルを起こす人もいます。心理学の研究によれば、人は「先生」と呼ばれることで実際以上に自分が優れた人間と誤解する傾向があります。「先生」たちには、強い自制心が求められます。

      身体的な暴力が伴えば、被害者も被害者としての自覚を持ちやすくなります。しかし言葉巧みにコントロールされてしまうと、我慢し続け、被害者なのに自分を責める人も多くいます。

      様々な場所に、隠された被害者がいます。その人たちを助け、支援しなければなりません。

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      心理学的に言って、ポジティブ(楽観的なオプティミストや、良いことが起きると信じられるポジティブ・イリュージョンを持つ人)の方が、何かと上手くいくことがわかっています。

      ただし、それは不安がない方が良いという意味ではありません。試合でも試験でも、不安が何もなければ、練習も勉強もしないでしょう。これでは成功できるわけがありません。

      研究者もスポーツマンもビジネスマンも主婦も、様々な心配をし、用心し、準備することが成功の秘訣です。

      それでも、ポジティブであることは大切です。健康的なポジティブな人とは、ただテンションが高いだけでなく、根拠のない自信家でもなく、用心しながら前に進める人です。

      ネガティブに考えて様々なトラブルに事前に備え、しかしそれでもきっと乗り越えられる、困難な状況でも努力を続けベストが尽くせるとポジティブに信じ行動できる人です。松岡修造さんは、きっとそんな人なのでしょう。

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      学校に行っていないことは、大きな悩みではあっても、人生の致命傷になるようなことではありません。

      むしろ問題は、「学校にも行けないダメな僕」と思い込み、自信と希望を失うことです。今は不登校でも、それでも僕は愛されていて、将来に希望はあるのだと信じることが大切です。

      そのために、自分にもできる得意なことに気づかせ、能力を伸ばすこと、その個性を認めてくれる人がいることは、素晴らしいことだと思います。中学校でも、定期試験の別室受験や、解答のキーボード入力を認めるなど、以前から配慮が行なわれています(学校に頼んで良いと思います)。

      ただし、不登校の子みんなが、芸術家や発明家や起業家になるわけではないでしょう。絵の才能があっても、画家になれる人は少数です。

      不登校生徒の多くは、学校に戻り、高校にも行くことを望んでいます。統計的な研究によれば、高校を卒業した方が予後は良いことも分かっています。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      世界標準は、18歳成人です。学生運動が盛んだった時代に、各国の成人年齢が引き下げられました。年寄りなどに政治を任せられぬと、若者たちが選挙権を勝ち取ったとも言えるでしょう。その中で、当時の日本は成人年齢を変更しませんでした。

      今、日本の若者はとても優秀で犯罪も減少しています。それは良いことですが、牙を抜かれたと見ることもできるかもしれません。日本は成人年齢引き下げのタイミングを逸したとも言えるでしょう。

      どの年齢から大人として認めるかは、同じ国でも分野によって異なります。セレモニーの開催時期も、様々な事情を考えて決めて良いと思います。

      ただ、「大人」になるためには、自覚が必要です。自覚がないままに大人としての権利義務を持ってしまうのは危険です。

      現代の日本の若者たち自身は、必ずしも18歳成人を歓迎していません。そんな若者たちを大人にしていくのは、私たち大人社会の責任だと思います。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      元職員による利用者の大量殺人。責任者にとって、それはどれほど辛いことでしょうか。

      > 園の環境と事件を起こしたことに関係があるのか。

      やまゆり園に、特別な原因があったとは思えません。
      その日に措置入院(強制入院)しているということは、何らかの形で心のバランスを大きく崩していたのでしょう。

      刑事裁判は、犯罪行為の有無を調べ、どのような刑罰を課すべきかを決める所です。しかし、それだけに終わらず、園長が思い悩んでいるように、なぜこの事件が起きたのかの解明が少しでも進むことを望んでいます。

      それが、ご遺族や関係者の心の癒しにつながり、また同種の犯罪の防止にもつながるからです。

      精神科的な問題は無視できず、同時に精神科的問題だけにして心神喪失で終わらせるような事件でもないと思います。絡み合った複合的な原因を解いていかなければなりません。

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      法務省は次のように説明しています。「無期刑とは、刑期が終身にわたるもの、すなわち、受刑者が死亡するまでその刑を科するというものです」。

      仮釈放されなければ死ぬまで刑務所ですし、仮釈されても、生涯国の管理下に置かれます。「改悛の状」が認められなければ仮釈はありません。

      以前は無期懲役と言っても15年ぐらいで出られるといった声もありましたが、現在は有期刑の上限が30年に引き上げられたこともあり、簡単には出られなくなっています。

      この10年で仮釈者は89人、刑務所内での死亡が210人です。

      この事件のように、人生や社会に対する強い絶望と孤独感からの無差別殺人事件は、逮捕されることも恐れないために、厳罰化ではなかなか防止ができません。

      また、犯罪は社会を映す鏡であり、社会全体の絶望感、閉塞感が事件の遠因とも言えるでしょう。判決確定で事件を終わらせず、私たちは事件から学ばねばなりません。

    • 碓井真史

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      「売名」と言われるのを恐れるのは、売名行為をしている人です。偽善的な売名とバレてしまっては、名を売ることができなくなるからです。一方、自分のするべきことをしている人は、売名と非難されても行動し続けます。

      3.11支援をしていた泉谷しげるさんも言っていました。「売名だよ。だから何だ? 有名じゃなきゃ募金は集まらないんだよ!」と。

      悪を暴くことは良いことです。しかし純粋さを求め過ぎるのは現実的ではありません。

      朝ドラ「あまちゃん」では、3.11支援をするアイドルの報道に、喫茶店店長がつぶやきます。「熱いよね、どうせ売名行為だろうけど、日本を元気にしてるよね」。

      人は、自分が正しいことを実行できない時、正しい人を非難し引きずり下ろしたいと感じてしまうこともあります。

      私たちみんなが支援し助け合うのが当たり前になれば、「売名」は成立せず、また支援される側の心理的負担感も減ることでしょう。

残り993

もっと見る