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碓井真史

新潟青陵大学大学院教授(社会心理学)/スクールカウンセラー

碓井真史

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。テレビ新潟番組審議委員。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』は総アクセス数5千万。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』など。

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      今、ご家族の不安は大きくなっている。その不安が適切に働けば、建設的な行動が生まれる。報道も、全国に行政や民間の相談窓口、親の会等があることを知らせている。このチャンスを活かしたい。

      家族とのコミュニケーションがまったくなければ、まずはあいさつから始めよう。ドア越しでもかまわない。簡単なメモによるコミュニケーションも良いだろう。小さな一歩からだ。

      しかし不安が間違った方向に行ってしまえば、暗い未来を予想しすぎ、焦ったり、絶望したりすることもある。引きこもっている子供に、「働け」「社会に出ろ」と正論をぶつけてしまえば、さらに引きこもるか、争いになるだけだ。

      相談先は沢山ある。迷うほどだ。どこでも良い。まず一箇所、連絡を取ろう。相談だけではなく、訪問し、本人に直接関わってくれる場合もある。悩んでいるのは自分だけではないと知ることも大切だ。全国の悩んでいる100万の家族と共に、前に進もう。

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      <次の悲劇を防げ>

      大きな報道は社会に強い影響を与える。例えば、不用意な自殺報道は自殺の連鎖を生む。拡大自殺的な通り魔事件も、毒物事件も、コンビニ強盗も、連続して起こりやすい。報道の仕方、社会の雰囲気が大切だ。

      通常の犯罪なら、犯人逮捕が一番だ。犯罪は割に合わないと知らせなければならない。しかし、死を覚悟している人を抑えるのは困難だ。大量の人に危害を加え、社会に衝撃を与えて自分は死ぬ(自殺や死刑)。行為の上からは計画通りかもしれない。

      しかし、人々にそれを「成功」と思わせてはいけない。幸せになるためには、犯罪以外の方法があると伝えたい。

      全国の引きこもり家庭が悩んでいる。当時者が犯罪者になるのは極めて稀だが。

      自殺者を一方的に非難するのも、自殺的行為を美化、英雄視するのも、自殺の連鎖につながりやすい。引きこもり息子の殺害を肯定するような言動は慎むべきだ。次の悲劇を生まないために。

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      < 子供の暴力からは逃げろ >

      引きこもり問題は深刻だ。中年引きこもり問題はとても深刻だ。家庭内暴力が起これば、さらに深刻だ。

      息子からの暴力を受けてはいけない。人はストレスから乱暴な行為はする。お皿を割ってストレス発散することもある。しかし親を殴った後、多くの息子たちはストレス発散どころか、さらにイライラする。親は、激しい暴力を受け続けると、正常な思考力を失うこともある。暴力に暴力で返すのはさらに危険だ。暴力からは逃げることが必要だ。

      引きこもり状態の息子の言葉は、激しく辛いものでも、また反論したいものでも、しっかり受け止めたい。しかし、暴力を受け止めてはいけない。

      「お前のことは大好きだ。決して見捨てない。だが、暴力はダメだ」と伝えたい。親が家を出ることも選択肢であり、第三者の介入も考えたい。最悪の事態を避けるために。

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      相談で終わらずに、具体的な支援ができていればと悔やまれる。相談した結果を実践するためには、ある程度の社会的な力が必要だが、80代後半の夫婦には難しかっただろう。

      8050問題になる前に効果的な対応を行いたい。だがもう大人になった我が子の引きこもり問題は深刻だ。子供の不登校引きこもりよりもずっと相談しずらく、支援も受けにくい。

      子供が若ければ、学校へ戻ったり、就職の可能性も十分ある。それが中高年になれば、今さら正社員になることも難しい。

      しかし、社会とのつながりはつけたい。親にまだ社会的力があるうちに、行政の窓口や民間の支援団体と本人とのつながりを作りたい。そうすれば、親がいなくなっても、ボランティアの人に相談したり、役所の窓口に行ける。

      それができれば、家族や本人が絶望することで生じる最悪の悲劇を防げるのではないだろうか。今、迷っている当事者家族は、この機会にぜひ動いて欲しい。

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      <子供達に安心安全を。子供達に日常生活を>

      大混乱の中で、休校になったり行事が中止延期になるのも、仕方がない面はあるだろう。子供たちは傷ついている。実際に被害にあった子、目撃した子、それ以外の子供たちも深く傷ついている。

      子供たちの心のケアが必要だ。だがそれは、専門家によるセラピーという意味だけではなく、通常の生活を取り戻し、安心安全を取り戻すことだ。学校が通常の活動を取り戻せるように、みんなで学校を、教職員をえ支援したい。彼らの邪魔をするようなことは、厳に慎みたい。

      被害者に哀悼の意を表したい。防犯に努めたい。そして、日常生活を取り戻したい。それが、子供達の心のケアにつながる。

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      引きこもり状態の人々が危険なわけではない。だが危険な人々の中には引きこもり状態の人もいる。引きこもりが解決できていたら起きなかった犯罪もあるだろう。

      過剰な自己注目は抑うつを引き起こす。社会的な活動を行わず引きこもると、自分自身に目が向かいすぎ、理想の自分と現実の自分とのギャップを痛感して抑うつが高まるのだ。その結果、さらに思考が歪み言動が不安定になることもある。社会とつながり活動することは大切だ。

      今回の50代引きこもり傾向というのは、近年話題になる引きこもりの高齢化、5080問題(50代の子と80代の親)の一つだろう。今さら正社員にはなれなくても、家族以外の人とも交流できたり役所の窓口に行けるほどの社会性は持たせたい。

      今回の報道に困惑している家族もいるだろう。引きこもりへの偏見は、家族全体が社会との関わりを失うことにつながる。困りきっている親を支援できる社会にしていきたい。

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      人は、自殺をすると自分で決めてしまうと、心がすっきりとすることがある。それまでは、うつうつとしてふさぎこんでいた人が、明るく元気になったように見えることもある。あいさつを元気にすることもある。

      人生が上手くいかない時、不登校や引きこもりなど、人は周囲の人と関わることを避けようとする。周囲への説明も煩わしく、周囲から責められるような気がするからである。その結果、世間が動いている昼間は寝ている昼夜逆転の生活をすることもある。あいさつなどもできない。

      一般に大量殺人を考える人は、自分の行為を偉大な行為と考えやすい。歪んだ思いではあるが、自信を取り戻すこともある。堂々と周囲にあいさつすることもあるだろう。

      「あいさつ」は大切だ。相手への敵意はなく、より良い人間関係を結びたいと思っているサインだからだ。日常的に良い人間関係を保つことが、犯罪防止にもつながる。

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      毎日新聞によれば、昨年庭木のことで強くクレームをつけるトラブルも起こしてはいるが、大人になってからはほとんど会ったことがない人も多いという。朝日新聞は、事前に包丁4本を用意していたと報道している。

      大量殺人者の多くは、能力はあっても人生に絶望している。強い孤独感、疎外感、被害者意識を持ち、現状に不満を持つ。落ち込むことでさらに判断力がゆがみ、人生は生きる価値がないと考え、多くの人を巻き込みながら、自分の人生に幕を引く。

      彼らは、力への憧れを持つこともある。武器を集め、社会に「天誅を下す」発想の人もいる。これまでの例では、武器を持って大量殺人の場所を探して歩くこともあった。

      彼らの考え方感じ方は歪んでいる。だが「自傷他害の恐れ」で強制的に措置入院させられるほどの疾患はないことが多い。「近寄りがたい」と感じさせるような人々をどのように社会適応させるのかが問われている。

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      教頭であれ誰であれ、こんな場面に遭遇して何ともない人などいない。教頭先生も、スクールバスの運転士さんも、他の居合わせた大人も、その時にできた最善のことをしたのだと思う(後から考えればいろいろ言えたとしても、それは後になっての話だ)。

      事件事故で生徒児童を亡くした教職員は、しばしば自分を責める(大人にも心のケアは必要だ)。時に人からも責められる。しかし、例えば教頭には教頭のやるべき仕事がある。被害者やご家族の対応がある。そして残された子供たちへの対応と学校運営がある。彼らの仕事を邪魔してはいけない。

      私たちの役目は、子供のために働く人々を支援することだ。先生を支援し、ご家族を支えたい。そうして日常の学校生活家庭生活を取り戻すことが、傷ついた子供たちへの支援となるだろう。

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      首や顔を狙ったことからは、強い殺意や凶悪性を感じる。 無差別大量殺人犯は、しばしば幸せそうな人々を狙う。良い学校へ通っている子供達、繁華街を歩く人々、祝日の高速バスなどだ。

      犯人は、自分の人生に対して「こんなはずではなかった」と感じていることも多い。彼らは自分の人生を終わりにしようと思っているが、自分を受け入れなかった社会への最後の大逆転をかけて、大きなことをしようとする。

      被害者報道に関しては、これまでずっと実名報道が続けられてきた。事実を確認し、出来事の意味を理解し、共感を深めるためにも、実名報道には意味があるだろう。

      しかし実名報道によって関係者が苦しむことになってしまっては本末転倒だ。全ての犯罪報道は、何らかの形で犯罪予防と被害者保護につながらなければならない。

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