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碓井真史

新潟青陵大学大学院教授(社会心理学)/スクールカウンセラー

碓井真史

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。テレビ新潟番組審議委員。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』は総アクセス数5千万。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』など。

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      池江選手の前向きな発言を見ると、私達の方が元気をもらえます。しかし、言葉は難しいものです。

      本人の発言も、周囲の発言も、励ましや積極的な言葉がプレッシャーとなってしまえば、逆効果です。一方、意欲的な態度を否定され「無理せず治療優先で」と言われて、傷つく患者もいます。

      健康心理学等の研究によれば、悲しみや落胆の感情はガンに悪影響を与えます。笑いや生きがいはガンの治療に効果的な影響を与えます。「まだまだ諦めないぞー!」。とても良いですね。

      ただ、ガンと闘いすぎる感情も良くないという研究もあります。現状を受け入れつつ、それでも希望をもって進んでいく態度が良いのでしょう。

      周囲の態度も同様です。無責任な調子にのった励ましではなく、落ち込んだ後ろ向きの言葉でもなく、現実を理解しつつ、患者のどのような感情にも寄り添い、その上で希望を忘れない、「祈り心」を持った態度が必要なのではないでしょうか。

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      人の悲しみは、ものさしで計るような客観的なものではありません。比較もできません。人の苦しみの大きさは、その人が感じている大きさそのままです。

      他の人は言うかもしれません。たかがペットと。あるいは、100歳の曾祖母が震災で亡くなったら、年は十分だと。家や職場や田畑を失い呆然としている人には、たかが物だと言うかもしれません。

      しかし、それぞれの深い喪失の悲しみがあります。ペットロス症候群は、アメリカで1990年代から注目され始め、日本でも2000年ごろから話題になりました。ペットを失い、うつや不眠、摂食障害など、様々な症状が出る人がいます。

      特に大災害の場合は、町全体が破壊され、様々なものを失ったその上で、ペットをも失うことになれば、喪失の悲しみはさらに増します。悲しみの中でも特に辛い悲しみは、周囲の共感を得られない悲しみです。事情は様々ですが、それぞれの悲しみに寄り添うことが大切です。

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      もちろん犯罪行為ですが、「多すぎて」「軽い気持ち」が問題です。

      犯罪行為の中にも、難しいものや簡単なもの、心理的抵抗感が大きいものや小さいものがあります。

      空き巣やスリは技術が必要ですから、簡単にはできません。刃物を使ったコンビニ強盗などは、特別な技術がいらないために犯罪初心者でもとりあえず実行可能です。ただ、被害者と対面し刃物を突きつけるのは、心理的抵抗感が大きいでしょう。

      万引きは、れっきとした窃盗ですが、心理的抵抗感の小さい犯罪です。とりあえず、特別な技術がなくても実行できます。さらに、現金や商品自体ではなく景品応募用のシールとなると、心理的抵抗がさらに小さくなります。

      しかしこれらの実行しやすい犯罪行為は、「ゲートウェイ(入り口)犯罪」となり、さらなる犯罪行為につながりやすい危険性があります。安易に考えず、犯罪だという意識を持ち、防犯方法を考える必要があるでしょう。

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      子どもの心の傷(トラウマ)を、過小評価してもいけないし、過剰反応してもいけない。油断してはいけないが、必要以上に病人扱いしてもいけない。

      子どもたちを癒し、支援しながら、同時に頑張れる活躍の場を持たせ、自己効力感を高めていく必要がある。

      子どもの周囲の大人たち、家族や教員、病院や児相のスタッフらの仕事も重要である。だが、ただでさえ多忙なのに、彼らの多くも被災者であり、傷つきながら苦労を重ねてきている。子どもを支える大人を支えることが、子ども支援につながる。

      また、あの日がやってくる。子どもたちの中には、記念日悲嘆現象が見られることもある。忘れてはいけない3.11。だが、その日の苦しみから守る必要のある子達もいる。

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      どんな大きな出来事の記憶も、いずれ薄れて風化する。しかし個人の記憶が、様々な行事やモニュメントを通して「社会の記憶」となる時、私たちは共通のイメージを持ち、新しい防災文化を作ることができる。

      広島には多くの原爆関係のモニュメントがあるが、「原爆ドーム」の存在感は、圧倒的だ。だが、この原爆ドームも、永久保存が決まったのは昭和41年(1961)。終戦から20年もたち、高度成長時代になってからだ。当初は、「原爆被害を思い出して辛い」という意見も多かったという。

      現地の気持ちとしては当然だろう。もし広島の復興が遅々として進まなかったら、ドームは壊されていたかもしれない。戦後に見られた物心双方の奇跡の復興の中で、原爆ドームは遺構として残され、世界へのアピールができた。

      東日本大震災の遺構も残して欲しいとは思う。だがそのためには、被災地の人々が癒される、心と街の復興がなくてはならないだろう。

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      男女の行動や能力には、違いがあります。ただ多くの場合、その差は平均値の差に過ぎず、個人差の方がずっと大きいのです。さらに身長差のように、生まれつきで平均値の差も大きいものは、少数です。

      多くの男女差(平均値差)はわずかであり、しかも環境の影響が大きいとされています。たとえば「女性は数字に弱い」とよく言われます。たしかに、日本での平均値を見ると男性の方が高くなっています。ところが、この差は国によって違い、男女差が逆転する国もあります。つまりこの差は生まれつきではなく、環境のせいだと考えられます。

      男女の違いの話は、ウケる話題です。そしてその差は生まれつきの大きな差だと誤解されやすいと言われています(ジェンダーのメガネ)。

      男女それぞれが特質を活かすのは良いことです。でも、誰かに非科学的に決めつけられたり、強制されたと感じてしまえば、それは時代にそぐわない不愉快なこととされるでしょう。

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      常識的には、ツイッター社が個人の内心の自由にまで踏み込むとは思えないので、この翻訳調文章のわかりにくさが問題でしょう。

      「児童の性的搾取について妄想したり、そうした行為を助長する」は、「妄想のツイート」か、「妄想や行為を助長すること」が禁止なのでしょう。

      日本は世界から児童ポルノ天国と呼ばれ批判されていますから、対策は必要です。小児性愛者(ペドフィリア)は世界中にいますが、子供の性的な写真集が広く販売されるような国では困ります(表現の自由の問題はありますが)。

      性的嗜好は変わりにくいのですが、歪んだ妄想が膨らみすぎ、想像や二次元では我慢できず、さらに社会との絆が弱まると、犯罪実行に移りやすくなると言われています。

      妄想自体は犯罪ではありませんが、妄想と行動のコントロールが必要です。そのためには、個人の自覚と社会の協力が必要です。SNSも犯罪誘発ではなく犯罪予防につなげたいものです。

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      様々な意見はあるものの、「乗客に状況を説明した上で、遅れてでも乗車対応すべきだった」が、社の見解です。今後とも、この方針で行くのでしょう。正しい考えだと思います。

      問題は、この方針がドライバーに伝わっていなかったことです。このドライバーが、冷たい人とは思えません。むしろ真面目なのでしょう。彼は、「ごめんなさい」と思いながらも、時間通りの運行を重視しました。

      バスのドライバーは、飛行機のパイロットとは異なり、権限が与えられていないことは、これまでも問題視されてきました。悪天候の中、乗客の強い言葉に逆らえず発進し、事故を起こしたケースもありました。

      社の方針、ドライバーの信念と権限、そして私達の考え方が問題です。乗客からのクレームは避けたいと思うものです。車椅子の乗り降りに時間がかかるのは当然だとみんなが思っていれば、乗客への説明も不要で、ドライバーの行動も変わっていたことでしょう。

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      「4年前まで施設に入所していて恨みがあった。施設関係者であれば誰でも良かった」と別のニュースで報道されています。

      人を支援する仕事は難しいものです。利用者の幸せを願っているからこそ、思いが届かないとき、力が足りないときに、恨まれることもあるでしょう。福祉、医療、教育等の場面で、しばしば見られることです。

      別の報道によれば、「先生も子供達もみんな良い人たち。問題は感じなかった」との近隣の声も紹介されています。

      どんな理由があっても、傷害や殺人は許される行為ではありません。しかしまた同時に、18歳で養護施設を巣立つ若者たちへの社会的支援は十分とは言えません。

      人は不当な行為をされたのに効果的な反撃ができないと感じたときに、恨みの感情を持ちます。さらに人生が上手くいかないと、恨みが増幅します。ただ、恨みの感情が強くても、良い仕事や家族等の社会的絆があれば、心にブレーキもかかるのですが。

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      いじめは、たとえ客観的には小さく見えるいじめでさえ、被害者の心身を大きく傷つけます。自殺の実行は最悪のケースですが、死にたい思い(自殺念慮)を持ち続ける人も多くいます。

      その他にも、慢性的なストレス、抑うつ、不安、自尊感情の低下、孤独感、摂食障害、PTSD、解離性障害などを発症することもあります。

      さらにいじめの二次的被害として、心無いうわさ、マスコミ被害、転校、退学、進学や就職への困難、家族の心理的傷など、様々な問題が起きます。

      何とか子供時代を過ごし大人になったあとでも、いじめられた心の傷から精神的な症状が表れる人もいます。いじめている人は、ここまでの責任が負えるのかと問いたいほどです。

      たしかに、自殺に限らず人間の行動や精神疾患の原因をつきとめることは、難しいことです。多くの場合は、複数の原因が絡んでいるでしょう。それでも、いじめがなければ起きなかった悲劇もあるでしょう。

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