Y!オーサー

上西充子

法政大学キャリアデザイン学部教授

上西充子

1965年生まれ。労働政策研究・研修機構研究員を経て、2003年から法政大学キャリアデザイン学部。単著に「職業安定法改正による求人トラブル対策」(『季刊・労働者の権利』Vol.324、2018年1月)、「裁量労働制を問い直せ」(『世界』2018年5月号)、石田眞・浅倉むつ子との共著に『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』(旬報社、2017年)など。2018年2月21日に衆議院予算委員会で裁量労働制データ問題につき、公述人意見陳述。国会パブリックビューイング代表。

  • 参考になった11674

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      「データ問題」は2つの問題が野党により追及されてきた。1つは、裁量労働制で働く労働者の方が一般労働者よりも労働時間が短いと受け取れる答弁を安倍首相が行った「比較データ」の問題。もう1つは、「比較データ」のもとになった平成25年度労働時間等総合実態調査の個票データに、異常値と見られるものが多数見つかった問題。
       今回、撤回されたのは、後者の個票データである。25年度調査のうち、裁量労働制に関する質問項目への回答部分の個票データが撤回された。
       2月14日に安倍首相が答弁撤回した際は、どちらの問題にも実は非を認めておらず、精査を必要とするデータに基づいた答弁だったという理由での撤回だった。
       「比較データ」の方は、調査結果にはない加工データである。政府側は不適切な加工を行って不適切な比較を行ったことは現時点では認めているが、誰が不適切な「比較データ」を作成させたかの真相究明は全く進んでいない。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      この4日の労働条件分科会は傍聴していましたが、「法案一本化で一致」という報じ方は事実と異なります。実際は労働者代表委員は繰り返し、高度プロフェッショナル制度の創設と裁量労働制の拡大、法案の一本化のいずれについても反対を表明していました。
       最後に分科会長が法案の一本化を妥当とする見解を示して次回の分科会で法律案要綱の諮問を行うように事務局に指示し、労働側・使用者側共にそれに対して意見を言う機会がないまま終了となった、というのが実際です。
       詳しいことはヤフー個人ニュースに書きました。こちらのコメントにはリンクがつけられませんが、【「残業代ゼロ法案」の扱いをめぐる労働政策審議会】と検索して記事をお読みいただけると幸いです。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      若者雇用促進法に伴う指針(2015年10月1日より施行)では、若者を対象とした募集・求人において固定残業代制を取る場合には、その詳細を募集・求人時に明記することが求められている。
       さらに今年3月に改正した職業安定法に伴う指針(2018年1月1日より施行)では、固定残業代制の明記は若者対象に限定せず、すべての募集・求人・職業紹介に際して求められることになった。
       まずはこのことを、学生・学校関係者・企業関係者・人材ビジネス関係者などへ周知することを厚生労働省に求めたい。
       しかし、いずれにおいても固定残業代の明記の規定は「指針」どまりであり、実効性は不十分だ。
       この記事のようなトラブルが後を絶たない状況を踏まえれば、固定残業代制を明記させるだけでなく、固定残業代制そのものを違法とすることが必要ではないか。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

       現行の労働基準法において「裁量労働制」は、38条の3に規定する「専門業務型裁量労働制」か、38の4に規定する「企画業務型裁量労働制」のいずれかの要件を満たす必要があり、単に労使合意で拡大適用できるものではありません。
       今回のトヨタの新制度は、日本経済新聞の報道を見る限りでは、「裁量労働制」の拡大ではなく、「フレックスタイム制+在宅勤務+固定残業代制」を組み合わせたもののようです。
       にもかかわらず、時事通信、NHK、中日新聞、日経新聞において、あたかも「裁量労働制」が労使合意だけで適用拡大できるかのように誤認させる報道が行われています。
       秋の臨時国会で働き方改革一括法案の形で成立が目指されている労基法改正案(残業代ゼロ法案)には、営業職に裁量労働制を拡大することが盛り込まれていますが、その方向性を「既成事実化」するための「世論誘導」の印象が強く、報道の姿勢に強い疑問を抱きます。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

       非正規という働き方には、(1)有期労働契約のため雇用が不安定であることと、(2)正社員に比べ賃金・賞与・手当・福利厚生・教育訓練などの処遇の格差があることという2つの大きな問題があるが、「同一労働同一賃金」は(2)に対処するために正社員との処遇差を埋めようとするものであり、(1)の問題への対処としての正社員化(無期雇用化)は狙っていない。
       にもかかわらず安倍首相は「正規になって」と語っており、その発言には混乱が見られる。上記の産経の記事も「非正規雇用者の賃金などを正社員並みに引き上げること」と「正規になって」の違いを区別できていない。
       本日の記者会見で菅官房長官は共同通信の記者の質問に対し、「それは批判する方がおかしい」と語ったが、もしそうであるなら、「同一労働同一賃金」だけでなく「非正規の正社員化」も、「働き方改革」の中で強力に進めるべきだろう。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

       調査結果(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「2017(平成29)年度 新入社員意識調査」)を見ると、「会社に望むこと」として「残業がない・休日が増える」と「私生活に干渉されない」の2項目の割合が、2012年度以降、大きく高まっている(p.7)。また、就職活動の際に“ブラック企業”を気にした割合は、「気にした」52.5%+「少しは気にした」31.8%=84.3%に上っている(p.5)。長時間労働の中で使いつぶされることへの警戒感は強い。
       一方で、「上司や仲間と時々飲みに行きたい」の割合はさほど下がっておらず、79.4%を占めている。
       見出しには【私生活重視の「自分ファースト」】とあるが、「自分中心」というよりは、自分の生活時間を会社に無闇に奪われたくないという、至極まっとうな意識が若者の間で高まっていると見るべきだろう。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      単月の残業時間の上限の目安として、「100時間」ではなく「80時間」とする企業が4割と最多を占めたことに注目したい。
      働き方改革実現計画では「単月100時間未満」で合意に至ったとされたが、連合会長は会議で「1カ月100時間などは到底あり得ない」と発言していた。
      主要企業も100時間より80時間が妥当と考えているのであれば、「単月100時間未満」は真に突発的な事故時に限るなど、厳しく限定をかけることが必要ではないか。
      法制化に向けた労働政策審議会労働条件分科会の議論は始まったばかりだ。政府主導の会議の結果を、結論ありきで押し通すのではなく、公労使三者構成の労働政策審議会の場で、改めて現状と課題を踏まえた慎重な検討を求めたい。
      法違反を問われないように限度一杯の100時間未満で三六協定を結び、協定が結ばれたからとそれが実態化していく、そういう流れを作らない工夫が求められている。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      松浦氏は「75%以上が何かしらの違反とみなされている状況。そもそも法律が現状と全く合っていないのではないか」と述べており、これだけを読むと法違反が蔓延しているという印象を受ける。
      しかし労基署の定期監督は法違反が疑われる事業場を対象として行われているのであって、ランダムに対象を選んでいるわけではない。
      松浦氏の「75%」の出所は、東京労働局「平成27 年の定期監督等の実施結果」ではないかと思われるが、その報道発表の注に「定期監督等とは、各種の情報、労働災害の報告、過去の監督指導結果等を契機として、労働基準監督官が事業場に対して実施する立入検査のこと」と明記されている。

  • こちらの記事は掲載が終了しています

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      求人票が実態と違うのは従来からあること、という意見もあるでしょうが、厚労省はその実態を問題視し、昨年9月に「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」を出し、青少年の募集にあたっては固定残業代を募集段階から時間・金額ともに明示し、固定残業代を除いた基本給も明示することを求めています。本日のブラック企業対策プロジェクトの記者会見は、この指針の周知徹底とさらに踏み込んだ対策を求めたものです。

    • 上西充子

      Yahoo!ニュース オーサー| 報告

      この記事の比較の方法は不適切です。
      日本については「給与所得者のうち上位1%に該当する年収は1500万円以上」「トップ5%まで枠を広げると、1000万円くらいからその対象に入ってきます」と「区切り」の額を示している一方で、「米国のトップ1%の人の平均年収は1億円を突破しています。5%まで拡大しても約4000万円です」と、アメリカについては「平均」の額を示しています。
      これでは、適切な比較はとうていできません。

残り4

もっと見る