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坂東太郎

日本ニュース時事能力検定協会認定講師

坂東太郎

毎日新聞記者などを経て現在、日本ニュース時事能力検定協会監事、十文字学園女子大学非常勤講師を務める。近著に『政治のしくみがイチからわかる本』『国際関係の基本がイチから分かる本』(いずれも日本実業出版社刊)など。

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      小泉進次郎氏の話法は良くいえば正論、悪くいうと当たり前を堂々と述べるという特徴が際立ちます。「空は青い。晴れている日は」みたいな。「今のままでいいとは思わない」(今のままでいいという政治家はいない)「必要なことをやるべきだ」(ほぼ同義反復)などの発言が際立って目立ちます。このコメントは記事だけを読んで書いているのですが、その限りにおいて上記の特徴は変わりません。「法令にのっとって適正に処理してい」れば「政治資金の使用はない」のが当然だし、「個人の事柄について話すことはない」というのも自らの姿勢をやや硬い口調で何やら立派そう(「公私のけじめはバシッとつける」あたりか)ですけど「不倫」の有無への答えにはなっていません。父の「自衛隊の活動している所は非戦闘地域」「人生いろいろ、会社もいろいろ」あたりと比べるとスケールや諧謔味でまだまだですね。

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      「出生数100万人割れ」がニュースになったのが2016年ですから少子化の急速化が如実に感じられます。合計特殊出生率(1人の女性が一生の間で生む子の数)で人口維持に必要な2.07は1975年頃には下回っています。今回の90万人割れの背景には「率」のみならず分母となる母親自体が少なくなってきたという「数」も大きい。そろそろ「親世代も少子化世代」のフェーズに入ったのです。原因は教育費の高さや育児と仕事の両立などさまざま。それでもなお1学年約260万人を数えた第1次ベビーブーマー(1947~49)の時代より恵まれているはず。敗戦直後の何もないあの頃に多くの子が生まれ、何でもある今の方が少ないのはなぜでしょうか。

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      見送るとしたら!共通テスト元年の英語はどうなるのでしょうか。センター試験での250点(うちリスニング=「聞く」50点)から「読む」「聞く」それぞれ100点に変更され、4技能のうち特に「話す」の一斉実施や採点が難しいので民間試験を併用するという建前でした。これが崩れるのですから共通テストの趣旨を守るならば本体に「書く」「話す」も加えなければなりませんし配点も見直さざるを得ないでしょう。これはこれで大変な変更で新たな「困惑」を生じかねません。関係各位が奮励努力して4技能を満たせる立派な共通テストを作るしかないとして、それができたならば24年からの民間試験への完全移行がそもそも不要となるという議論も出そうです。

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      新聞記者なりたてホヤホヤの頃、デスクから「夏に暑い、冬に寒いなどという記事を書くな」といわれました。当たり前でニュースでないからと。至極納得した80年代後半。ところが近年「夏に暑い、冬に寒い」が連日報道されます。しかも十分なニュースバリューを持って。何しろ生命に関わる事象ですから伝えるに当然値するのです。最近は慣れてきてしまいましたが本来は「夏に暑い」記事が出るのが異常で「厳重な警戒」「危険な暑さ」「車内でも熱中症」という厳しい言葉が物語ります。しかも台風も来ると。災害レベルの暑さと災害そのもの(=台風)が交互に来るのはやはりおかしい。何故かの分析はもちろん、5年、10年後どうなるかも不安です。

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      「全ての世代が安心できる」「全世代型社会保障」検討は大変結構ですが難しそう。入りと出のうち支出側の「社会保障給付費」(社会保険料+税)の大半が年金と医療で医療費の多くは高齢者ですから抑制しなければどうにもならないのですが、としたら「全世代」のうち高齢者の「安心」が減少。ならばと消費増税でまかなうかと思いきや10月予定の2%の半分は財政再建に充てる予定で社会保障の充実には回りません。ではこの政策が「ふざけるな」かというと現役世代ではそうでもなくて「充実」に子育て世代が含まれるし財政再建分は借金の先送りによる「財政的児童虐待」(国枝繁樹中央大学教授)緩和につながります。しかしなかには財務省が絶叫する財政危機に我が国が本当に見舞われているのか疑問視する声もあり……とややこしいですね

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      そもそも何で「8月15日」に首相や閣僚らが靖国に参拝するかどうかを話題とするのでしょうか。まあ官房長官として質問されたから答えているのでしょうけど。同日は宗教施設としての靖国は何らの祭事も行いません。戦後、何度か参拝された昭和天皇も「8月15日」はゼロ。同日は昭和天皇がポツダム宣言を受諾した旨を肉声で録音したレコードがラジオ放送された日で「戦没者を追悼し平和を祈念する日」と閣議決定されているものの本来、靖国に行くべき日であるかどうかを論じる必然性は薄いはずです。英霊は先の大戦の戦死者ばかりではありませんし。8月15日と政府要職の参拝が毎年ひも付けされるようになったのは85年の中曽根康弘首相の公式参拝から。同時に「近隣諸国の国民感情」に「配慮」し翌年から取り止めたのも同首相。彼の著書タイトル通り「歴史法廷の被告として」問われなければなりません。

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      この問題でどうしてもわからないのが何が「紛争」なのかという点。日韓請求権協定は両国の「紛争」で外交解決できない場合に仲裁委を置けるとする。あるとすれば個人請求権の解釈ぐらいしか思いつかないが日本の最高裁判断は「個人の請求権自体は完全には消滅していないが民事訴訟で救済されない」で韓国大法院は「救済される」。終審の違いは政府間協議の争点になり得ないはずです。どちらも三権分立の国なので「日本の言い分を飲め」だと韓国の、「韓国の言い分を飲め」だと日本の、それぞれの終審裁判所の判断をほごにせよ(=三権分立の否定)という主張になってしまうから。

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      現在の共産党は現憲法下の象徴天皇制(共産党用語だと「天皇条項」)を「民主主義の徹底に逆行する弱点を残した」「民主共和制の政治体制の実現を」(綱領)とやや否定的ながら制度「の存廃は」「国民の総意によって解決されるべき」(同)との立場。「国民の総意に基く」(憲法1条)とほぼ同じ表現です。護憲政党なので「天皇」を定めた憲法第一章も守ると公言。天皇をお迎えする国会開会式にも2016年の通常国会から出席しています。
       もし記念式典に政府の政治利用が疑われるならば、むしろ出席して確認し、問題があれば国会で追及すればいいのに。今度の式典は在位の区切りのみならず間近に迫った退位を前に「おつかれさまでした」という思いが込められるのは必然です。「それ自体が政治利用だ」では石頭過ぎるし、今は自らを含む野党連合で政権を取ろうというスタンスなのだから「やはり天皇嫌い」とみられるのもマイナスと思うのですが。

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      かつて新聞社に在籍し、今はネットで記事を書いている身としては「何だかなあ」という結果。例えばこの産経新聞の記事は「新聞」「ネット」のどちらなのでしょうか。紙の印刷物だけを「新聞」としたら若年層の「新聞への信頼度が」「やや低く」どころではないはず。なぜならば読まれていないから。
       一方でネット記事の多くが新聞社から配信されている現実があります。プロとして取材執筆し、厳格なチェック体制をくぐり抜けて宅配にまで至るシステムは、いわば「枯れた技術」で、ゆえに信頼されているのではないでしょうか。
       「公正・中立な立場で報道している」と「特定の勢力に偏った報道をしている」がそれぞれ同程度に上昇しているのも見逃せません。新聞社の大半は客観報道を掲げているのですが、厳密な「公正・中立」など不可能。学術論文ではないので何を面白い(=興味深い)ととらえるかは各社各様のはず。でなければ新聞社は1つでいいわけで。

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      仲裁委員会は日韓請求権協定3条に基づきます。よくわからないのは何の「紛争」を仲裁するのか、です。
       いわゆる「徴用工」問題で、国同士の外交保護権放棄で日韓は一致。多分個人の賠償請求権が「消滅していない」でも一致するから紛争たりえません。その上で日本の最高裁が個人請求権での訴求権能を否定しているのでやはり争点となりそうもありません。
       日本側が近年の「あらゆる戦後補償は解決済み」論で個人請求権もないと主張すれば最高裁の判断と食い違うだけでなく過去の原爆訴訟やシベリア抑留問題での立場と矛盾するし、韓国側も「ある」と強調したらしたで盧武鉉政権が出した被害者補償問題への結論と矛盾するからいいところ痛み分け。
       というわけで仲裁委が不発に終わるのは目に見えていて次は国際司法裁判所だ!とランクアップしたら日本は勝つかというと微妙。何しろICJは調査捕鯨問題で日本に敗訴を言い渡した機関ですから。

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