田中宝紀

NPO法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部責任者 報告 オーサー

技能実習生は母国で送り出し機関に多額の費用を支払って来日する。親族や知人から借金をして資金を工面する者も少なくない。日本で働けば、容易に返済できると騙されることもある。来日後に待っているのは送り出し機関から説明された環境とはかけ離れた実態だ。「諸費用」の名の下で給与は大幅に差し引かれる。パスポートを取り上げられたり、休日も移動を制限するなど、現代の奴隷制とすら呼ばれる環境だ。借金を思うように返せず、不当に拘束、搾取されていれば、そこから逃亡したとして、誰が実習生を責めることができるだろうか。
日本政府は監視、管理を徹底することで事態の収束を図ろうと試みているが、改善の様子は見られない。送り出す者、受け入れる者、双方に利権が発生する中で問題の根は相当に拗れている。
外国人不在ではすでに成り立たない産業も多い。労働力ではなく人として彼らと向き合うためにも、制度廃止を視野に入れた議論が急務だ。

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田中宝紀

NPO法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部責任者

1979年東京都生まれ。16才で単身フィリピンのハイスクールに留学。 フィリピンの子ども支援NGOを経て、2010年より現職。「多様性が豊かさとなる未来」を目指して、海外にルーツを持つ子どもたちの専門的日本語教育を支援する『YSCグローバル・スクール』を運営する他、日本語を母語としない若者の自立就労支援に取り組む。 現在までに35カ国、750名を超える子ども・若者を支援。日本語や文化の壁、いじめ、貧困などこうした子どもや若者が直面する課題を社会化するために、積極的な情報発信を行っている。2019年度、文科省「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」委員。

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